今回は自宅からほど近い北上川水系の支流で約2年ぶりとなるテナガエビ釣行に行ってきましたので、そちらを報告したいと思います。本来であればテナガエビシーズンは5月のゴールデンウィークを目安に始まり、梅雨時期から7月頃がピークとなるため、かなり遅めのスタートとなりました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・菅野裕基)
北上川水系の支流でテナガエビ釣り
筆者は6月下旬に旧北上川にてセイゴの投げ釣りを行い、小型ながら1本釣り上げ、8月下旬にはルアーロッド片手に野蒜海岸に出向き、なんとか砂浜の女王の異名を持つシロギスと出会うことができました。
季節柄、そろそろテナガシーズンとはわかっていても、前述のように他魚の釣りに忙しく、なかなか行けずにいて、ようやく竿を出すことができました。

釣行開始
さて、話を戻しまして釣行当日。相変わらず夜勤明けの休日に釣行ですので短時間釣行ですが、自宅から車で5分程度で釣り場に着くため、体力的にも負担が軽くなるので助かります。
道具も延べ竿に小型クーラー、餌も300円から500円程度のワンコインあれば余るくらいですので、ビギナーさんでも始めやすい釣りのターゲットと言っていいでしょう。餌はこの日はジャリメを用意しました。
予備の餌としてオキアミのSサイズを半パック用意しましたが、これはエビ餌でエビが釣れるのかどうか…単に好奇心からの選択です。

タックルと仕掛け
道具は9尺(2.7m)の竿に道糸1.2号、オモリはタルオモリ0.5号と、針はテナガエビ針の2.5号を用意し、小型玉ウキを付けてジャリメを餌にして開始します。
仕掛けは沖に振り込むのではなく、足元の障害物に落とし、ウキがスーッと横に動いたらテナガエビの魚信ですので、ゆっくり竿を上げてみます。
コツはウキが水面よりやや深く沈むようにウキ下を調整し、魚信があったら横走りした後、ウキが停止して約10秒から20秒ほど待って、ゆっくり竿を上げると釣れていることが多いです。
あくまで一例ですので、ここは各々チャレンジしてやってみてください。魚信がなければ、次のゴロタ石に仕掛けを入れ直す……これが一連の流れとなります。
ハゼをキャッチ
当日は気温30度で水温もそこそこあるためか、食い渋りが酷く、魚信がありませんでしたが、開始から40分ほどしてウキが下へ強く引き込まれたので竿を上げると、確実にエビとは違う生命感の引きが伝わりました。
手元に来たのは、予想していましたが小型のハゼ、通称デキハゼです。当日はすごく多くて、針から少しだけ垂らした部分を囓るのですぐに魚信が現れます。

本命のテナガエビを手中
ポイントをやや移動し、水中にブロック塀の障害物があるので投入すると、すぐにウキがスーッと横走りしました。数秒後、軽く上げると伝わるのはピピッ、ピピピッ…というテナガエビ特有の動きが楽しめ、手元に寄せるとメスのテナガエビが釣れました。
再度、同じ場所に入れ直すと、連続でメスのテナガエビが。2年ぶりの再会なので嬉しいのですが、メスの個体で抱卵しているので、基本リリースすることにしています。

ハゼとセイゴを追釣
途中で熱中症にならないよう適度な休憩と水分を取りながらさらに移動し、試しに餌をオキアミに変えてみました。仕掛けも足元狙いから沖に向けて振り込んでみると、すぐに来たのは形の良いハゼです。

しばらくして沖狙いで振り込むと激しい消し込み魚信があり、竿先もこれまでとは違う曲がりを見せました。内心「型のいい鮒でも喰ってきたかな?」と思いましたが、姿を現したのはセイゴの赤ちゃん。
この大きさでそれなりの引きを楽しめるのだから、成魚ではどんな引きなのか…期待を込めて、こちらのセイゴの幼魚も水中におかえり頂きました。

天気が悪くなり納竿
オキアミ餌でセイゴの幼魚が来るとは思いませんでしたが、デメリットもあり、餌持ちの悪さは否定できないのが本音です。ジャリメでもそうですが、デキハゼや他の魚にいたずらされると、まるで釣りにならないので注意が必要ですね。
その後はオキアミ餌に何の反応もなくなり、再びジャリメに切り替えて探ると、ようやくオスのテナガエビが釣れたところで、生暖かい風と西方向にはどんよりした曇り空、さらには遠くにゴロゴロと雷が鳴り始めたので、ここで納竿することに。
なんとか本命に出会えたので、来シーズンにも会えることを願いながら釣り場を後にしました。

テナガエビは美味しく食べられる
今回は食べる予定はなかったため、すべてリリースしてきましたが、食用の場合は泥抜きしてからの素揚げがシンプルで美味しいと私は思います。泥抜き方法は、釣れたらエアポンプ付きのバケツに入れて半日から1日ほど生かしておくと、臭みや汚れも抜けるのでよろしいかと思います。
これから秋にかけてテナガエビは終盤になり、数を釣るのは難しくなりますが、安価な道具立てで遊べるターゲットになりますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
<菅野裕基/TSURINEWSライター>