テーマは「超浅場で晩春ベラを狙う」。千葉県柏市と我孫子市の境にある北部手賀沼南岸の超浅場で、朝から順調に数を伸ばす。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
いきなりのツンで乗る
北部手賀沼南岸の超浅場で竿18尺両グルテン、タチ60cmの底釣りで早朝からエサ打ちを始めた吉田。沖めではモジリがあるものの、ウキのラインにそれらしき気配はまだない。
吉田康雄「寄ってくれば入れアタリになりますから、それまでは辛抱強くエサ打ちを続けます」
エサ打ちから20分ほどが経過した5時50分、まったく触りがない状態からいきなり1節のツン。
吉田康雄「ほらきましたよ!」

第1号は尺1寸クラスのオスベラだった。
1節のツンと言うがトップ先端1節出しでアタリを待っていたので、言ってみれば消し込みなわけだがそれでも下バリをがっちり上アゴセンターで咥え込んでいた。
吉田康雄「タチが浅いせいもあると思うのですが、今のようないきなりアタリで乗るんです」
ナジんで戻してツンではないんだ?
吉田康雄「それもありますが、いきなりアタリでも乗るんです。むしろ触りも何もない状態からの鋭い小さなアタリほどヒット率がいいかもしれません」
なるほどね。教科書アタリばかりを狙っていてはダメってことね?
吉田康雄「ここでは、そういうことです。なので視力と反射神経が要求されますよ。関口さん、大丈夫ですか(笑)」
大丈夫も何も、まだアタリがないよ。でもいきなりアタってくるなら、しっかり身構えてないとだね。
吉田康雄「そういうことです。
カラツン対策は?
ここの釣りを手の内にしている吉田、1枚目以降はコンスタントに竿が曲がり、どんどんと数を伸ばす。ただし型はいずれも尺~尺1寸程度。
吉田康雄「やはりハタキっ気がないとサイズが伸びませんね。まあ予想はしていましたが」

記者は竿16尺。吉田よりもウキの位置が手前ではあったが、吉田に遅れること数分で記者にもアタリが出始めた。しかし序盤こそ好調だったが、次第にカラツンやスレが目立ち始める。
吉田康雄「もしかしてカラツン対策でタナを深くしましたか?」
うん、定石でしょ?
吉田康雄「やっぱりね(笑)。それをやるとスレが増えるんです」
「反射神経」が大事?
じゃあ、どうするの?
吉田康雄「タナはそのままハリ付けを小さするとか、打ち込み点を少しだけズラすとかですね。タナを調整するのは、底が掘れたり水位が変わった時だけですね」
じゃあ、常にトップ先端1節出しをキープするのね?
吉田康雄「はい。あとはカラツンを気にしないことですね。構わずドンドン打ち返して食い気のある魚だけをターゲットにするんです」

まるで管理釣り場のような釣りだね?
吉田康雄「そうなんです。ここは一度魚が寄り始めると管理釣り場に勝るとも劣らないアタリ数になるんです。しかもタナが浅いので糸ズレアタリも出やすいですから、なるべくなら大きくハデなアタリは見送って小さく鋭い動きに的を絞るんです」
なるほどね。
記者にいろいろとレクチャーしつつ、順調に数を伸ばす吉田。9時の時点で早くも30枚を突破していた。ハタキでも何でもないタイミングでこれほど釣れると、このポイントのポテンシャルには驚かされるばかりだ。
吉田康雄「いえいえ、どちらかと言えば今日はよくないですよ。いい日だとマジで朝から入れパクになりますから」
次回も「超浅場で晩春ベラを狙う」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年5月23日号に掲載された記事を再編集したものになります。