今年は残雪が多く、4月初旬に出かけたときにはどこもかしこも雪だらけで、林道を歩くのもたいへんな状態だった。当然水温もまだ低く、なかなか魚の反応を得ることができず苦労した。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・杉本敏隆)
長良川水系で渓流ルアー釣り
今回は平日の単独釣行で天気は晴れ。目的地は長良川水系。今回は上流の小さな沢でイワナを狙うつもりで準備をした。
現地には8時頃に到着。先行者はなし。早速準備に取りかかる。今回のタックルは、ロッドがテンリュウ・レイズ4102S-UL、リールはシマノ・ヴァンフォードC2000SHG。ラインはPE0.4号に、リーダーはフロロの1.5号。狭い沢に入ることを想定して、スピニングタックルを選択した。

釣行開始
しばらく林道を歩いてから入渓。先発ルアーはもののふ45S。まずはいかにもアマゴが付いていそうな流れを、軽快なトゥイッチングで誘ってみる。
いつもならヒットしないまでもチェイスはあるのに、今回はノーチェイス。
アマゴやイワナがヒット
今回の狙いは上流に流れ込む沢なので、大場所だけをサラッと探りながらどんどんと上流へ。しばらくすると小ぶりなアマゴがヒット。小さくても1匹目はいつも嬉しいもの。今回初使用のD-コンパクトFESがいい仕事をしてくれた。

フェザーシンキングというだけあって、水深の浅いポイントではとても使いやすい。しばらくしてイワナも登場した。

そして1本目の沢の合流点。ここからは超接近戦となる。川幅はまたげる程度しかない。水深が30cmもあれば立派なポイントだ。50cm以上あれば確実に魚がいる。
ちょっとした落ち込みを狙っていくと、反応は上々。ほとんどのポイントでチェイスがある。しかしイワナがルアーを食い損なったり、魚の姿が見えるだけについつい早合わせをしてしまったりで、思ったほど数が伸びない。
それに釣れてくるのは小型ばかりだ。小さな沢なのですぐに魚止めの滝に到達。本流まで戻って次の沢を目指す。

川サバと対面
次の沢を目指して本流を釣り上っていると、珍しい魚をキャッチ。イワナとアマゴのハイブリッド、川サバだ。イワナとアマゴの混生域で稀に見かける魚で、過去にも何匹か釣ったことがある。

2本目の沢でも、最初の沢と同じような状況が続く。魚のサイズに合わせてルアーのサイズを落として、フッキング率の向上を図る。
そして今回の本命、3本目の沢に入っていく。入ってすぐのポイントでまたしても川サバが登場。1日に2匹の川サバを釣るのは、これで釣り人生2度目だ。こんな経験をしたアングラーは、なかなかいないと思う。

28cmの良型イワナを手中
上流へ向かって進んでいくと、さらに沢は2本に分かれる。そしてこの沢が一番奥が深く、長い時間楽しむことができる。
いつもなら沢に入ってすぐの大場所で尺近いいい魚が釣れるのだが、そのポイントはずいぶん埋まってしまい、以前のようには釣れなくなっていた。でも先は長い。一つ一つのポイントを丁寧に探っていく。爆釣とまではいかないが、魚の反応は悪くない。
ずいぶん上流までやってきて、もうすぐ魚止めの滝というところで、この沢でベストと言えるほどのいいポイントが目の前に。ミスキャストでポイントを潰してしまわないように慎重にキャスト。
少し沈めてワンアクションでヒット!「おっ、これはちょっといい型」と重みを感じつつ一気に抜き上げてネットイン。メジャーを当ててみると、尺には少し足りないが28cmとまずまずのサイズ。満足の1匹だ。

最終釣果は34匹。尺物は出なかったが、目の前で何度もイワナのヒットシーンを見ることができ、楽しい釣行となった。
釣果につながった要因
今回の釣行で一番活躍したルアーはD-コンパクト38。小さなポイントで細かくトゥイッチングしてイワナを誘い出すことができた。アレキサンドラ43FSも良かった。

もう一つ大事なのは、頻繁にフックポイントが鈍っていないか確認し、必要に応じてシャープナーで研いだり、フックを交換したりすること。その一手間を惜しむと、せっかく食ってきたのに掛からなかったり、ばれてしまったりして後悔することになる。
釣りに出かけるときは、シャープナーと交換用フックの携帯が必須だ。ちなみに今回私が使用していたフックは、スピアヘッドリュウキトレブルフックの14番と12番。
車に戻ってきて確認すると、1万歩以上歩いていた。もうへとへとだ。車の近くで、まだなんとか収穫できる大きさのタラの芽を見つけ、数個を採取して帰宅。天ぷらにして春を味わうことができた。これからが渓流ルアーのベストシーズン。美しい渓魚に会いに行こう。

<杉本敏隆/TSURINEWSライター>