春先の釣行では惨敗続きだったが、梅雨入り前の岸和田沖一文字に釣行し、良型混じりの小アジ11匹とカンダイ44cmの釣果に恵まれ、久々に竿下サビキ釣りと落とし込み釣りを堪能した。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

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岸和田沖一文字へ釣行

仕事に忙殺される日々が続き、たまに空いた土日祝日にも釣行する体力も気力も低下気味。何とか気力を奮い立たせて釣行した3月、4月からゴールデンウィークにと、春先に計4回釣行したが惨敗続きで、TSURINEWSへの投稿も途絶えてしまった。

このままではクビになるかも?と、釣果を求めて5月31日、岸和田沖一文字に釣行した。

岸和田沖一文字でアジ11匹と44cmカンダイを好捕【大阪】サビキと落とし込み釣りを堪能
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釣り場略図(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

人気の岸和田沖一文字

しかし、専用サイトでの前日の事前予約の時点で早くも勝ち目は薄まっていた。始発便の予約が操作中に瞬殺し、2番船の予約に甘んじてしまったからだ。

ルアーは門外漢の私(筆者)は、早朝のサビキ釣りで確保した小アジをエサに、ノマセ釣りで青物を狙おうとしていたのだが、早朝のサビキ釣りは夜明けとともに勢いが弱まって釣れなくなってしまうので、始発便で波止に上がらないと小アジの確保は難しいのが近況。

困ったなあと、岩カニをエサにした落とし込み釣りも視野に入れて、岸和田方面に車を走らせ、朝4時過ぎに岸和田一文字に渡す岸和田渡船に到着した。

岸和田沖一文字でアジ11匹と44cmカンダイを好捕【大阪】サビキと落とし込み釣りを堪能
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岸和田渡船(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

タコ釣り開幕で状況に変化

岸和田一文字は沖一文字(通称:沖の北)、旧一文字、中波止の3箇所の波止の総称で、5月の時点では目ぼしい釣果は沖一文字に集中していた。

船長に近況を聞くと「小アジは沖の北のオイルフェンス際でしか釣っている人がいない。朝7時頃までかなあ。沖向きは1人ケーソン1ブロックで予約人数を決めているから、2番船でも何処かには入れる」とのこと。

小アジ釣りはわずかな時間しか勝負できないので、釣れなかったら旧一文字に移動して落とし込み釣りにしようと内心思っていたが、2番船の出船前のアナウンスでハッとさせられた。

岸和田沖一文字でアジ11匹と44cmカンダイを好捕【大阪】サビキと落とし込み釣りを堪能
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旧一文字は波止タコのフィールド(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

タコ釣り開幕

「1番船ではタコ釣りの人が20人ほど旧一文字に渡っていたので、この船でも沖の北の外向きには十分入れます」とのアナウンスは、波止タコシーズン開幕で沖一文字に釣り座の空き枠が出来たことを意味していた。

ならば沖一文字でオイルフェンス際での竿下サビキ釣りも、落とし込み釣りも出来ると一筋の光が見えた思いだった。2番船は5:30に出船し、波止タコ釣りの人が旧一文字に下りた後に沖一文字に渡った人は私を含めて10人余りと少なく、波止上も中央のポンプ小屋より南方向は比較的空いていた。

しかし、竿下サビキ釣りの限られたポイントとなっていたオイルフェンス際は、既に始発便で渡った釣り人が6人ほど陣取っていての、希望と不安が入り混じったスタートとなった。

なお、岸和田一文字の詳しい特徴その他の解説は、過去の投稿「大阪湾の沖波止紹介:岸和田&泉佐野一文字 都市近郊でアクセス良好」をご覧いただきたい。

竿下サビキ釣りのタックルとエサ

短時間勝負、とにかく釣り始めないという思いで、オイルフェンス極の先客の釣り人に並んで竿下サビキ釣りを開始した。竿下サビキ釣りのタックルは、磯竿5号5.4mに、ミチイト4号を巻いた両軸リールをセット。

撒き餌カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介する。サビキは白色のケイムラタイプのスキンで、ハリスは2号を選択した。

オイルフェンス極の水深が5m足らずで、タナは底ギリギリをわずかに切るイメージで、置き竿にしてアタリを待つ。

岸和田沖一文字でアジ11匹と44cmカンダイを好捕【大阪】サビキと落とし込み釣りを堪能
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上下ダブルカゴ方式での竿下サビキ釣り(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

小アジ11匹確保に成功!

夜はすっかり明けた6時過ぎ、竿先がガクガクっと震えた。慎重に巻き上げると20cm手前の小アジがかかっていた。さらにその直後にももう1匹を追加。まだいけるぞ!と意気込んだが、1匹のバラシの後に、アタリは遠のいてしまった。

しかし、好ポイントに釣り座を構えていた常連は、ポツリ、ポツリながら釣果を重ねていて、まだ小アジの群れは残っているようだ。一途の望みを抱くも、私の竿には反応がない。

ところが6:30頃、1人の釣り人が沖向きのノマセ釣りに本腰をあげようと移動し、好ポイントの1人分の釣り座が空いた。そこで残った釣り人たちに声をかけてからそこに入らせてもらうと、7時前になっても私はポツリ、ポツリと釣果を重ねることが出来た。

優しい常連さん

傍にいた常連に「今日は7時過ぎても釣れていて、意外ですね」と声をかけると、「今日は続いているね。曇り空やからかな」と返してくれた。

その常連が生かしバケツに20匹近くの小アジを確保していたのを見て私が、「始発便に予約できなかったので、魚の数が損しましたわ」とボヤくと、「夜明けまでのほうがもっと立て続けに釣れていたね。損したな」と話に付き合ってくれた。

その後、小アジの勢いが落ちたことで見切りをつけた釣り人が移動してさらに場所が空くと、「遠慮しないでもっとこっち側によってええよ。みんなで一緒に釣ったほうが(マキエが効いて)釣れるし」と、このうえない優しさを見せてくれた。

「波止の手前のほん下で、タナはベタ底から1mほど上がってきたね」とのアドバイスも効いた。曇天と常連の優しさのおかげで、散発ながら釣果をさらに重ね、9時便が来る手前までで、良型混じりの小アジ11匹を確保することが出来た。

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良型アジ混じりで11匹(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

タコも青物も激渋

私達竿下サビキ釣りの釣り人たちは釣果に恵まれたが、沖向きの青物狙いの釣り人たちは大苦戦。居並ぶ釣り人たちがキャストを繰り返しても誰も釣れていない。ノマセ釣りの人も開店休業状態。

一方、朝7時の巡回便で旧一文字から移動してきた波止タコ狙いの釣り人たちは「アカン、何処も誰も釣れてない。どないしたんやろう今日は……」とうめいた。岸和田渡船の当日の釣果情報を見ても、最終的に掲載された釣果情報ではハマチ2本、波止タコはゼロと、稀に見る厳しさだった。

そうした厳しい状況の中でも孤高のヒーローとなったのは、7時便の波止付け前にロッドをブチ曲げたルアーマン。

釣り人たちの注目を一身に集める中で、仲間のアシストを受けて見事ハマチをゲット。波止に上がった岸和田渡船のスタッフから写真撮影のサービスを受けていた。

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早朝からルアーマン達がキャスティング(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

落とし込み釣りに転戦

青物が釣れないので見切りをつけて9時便で波止を去った釣り人たちが多かったことで、当初の目論見どおり、ポンブ小屋から南方向の釣り座はガラ空きとなった。

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9時便を過ぎたら波止上はガラ空き(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

これで残り時間で落とし込み釣りが出来ると9時便が波止を後にしたタイミングで落とし込み釣りに切り替えた。

タックルは、落とし込み専用竿3.9mとリールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けとハリスは1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがよい。

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落とし込み釣りのタックル(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

針はチヌ針3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。エサの付け方は、岩カニは活きの良さを保つため海水バケツに入れて使う分だけ小分けし、針付けは足の付け根から針を刺す横掛けにした。

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岩カニの保存と針付け(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

カンダイがヒット!

沖向きの外向きに上り、落とし込み釣りを開始。波止際ギリギリにエサと目印仕掛けを落とし込んでいくのが鉄則だが、この時期は波止際に海藻が茂っているので、一旦は波止際から離して落として、馴染ませてから波止際に寄せていく方法にした。

潮は8:00過ぎから下げ潮に転じているので、元々水深の無い岸和田沖一文字ゆえに、エサの岩カニは海底に着生するまで落とす。釣り方を知っていれば、あとは魚がいるかいないかの運次第。

結果は幸運。

落とし込み釣りを始めておよそ20分後の9:40頃、岩カニが海底に着底したと同時に、ラインが引き込まれた。ラインを少し緩めてエサを食い込ませる時間を与えると、もう一度引き込む強めのアタリがあった。

ここでアワセを入れるとヒット。サミングでリールのライン操作をしていたが、それを弾き飛ばす豪引きで魚は抵抗してきた。このアタリはチヌ(クロダイ)ではなくカンダイ。ならば波止際から離して魚を浮かしてしまわないと、根に潜られてしまう。

サイズは44cmと上々

繊細なライン操作は望めず、豪引きに耐えるしかない。4度の抵抗を制して魚を海面に浮かせ、一発勝負でタモ入れに成功。重量感いっぱいの魚体がタモに収まった。意気揚々と元の釣り座に戻ると、近くにいた釣り人たちから注目の的に。

検寸すると44cm、数字上は少し物足りないが、魚体は肉付きたっぷりで、自力で釣った感は上々。食味も食べる前からお墨付き。喜びいっぱいでストリンガーに吊るして落とし込み釣りを再開した。

岸和田沖一文字でアジ11匹と44cmカンダイを好捕【大阪】サビキと落とし込み釣りを堪能
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キャッチしたカンダイ(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

最終釣果

この後はアタリがなくタイムアウト。天候不良のため最終便は11時に繰り上げで、最終釣果は両型まじりの小アジ11匹とカンダイ44cm1匹となった。

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最終釣果(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

地元の釣りクラブの名手の釣果の傍ら、私の釣果も岸和田渡船の釣果情報に掲載してもらい、全体的に釣況が悪かった中では貴重な情報として扱われた。

カンダイは自然死させると粘液まみれになって臭くて食べられなくなるので要注意。生きた状態で即〆て、血抜きとエラと内臓処理を済ませて海水で汚れを洗い流してから、クーラーに収めてほしい。

鮮度を保って持ち帰ったカンダイは絶品の魚フライで夕食の主役として堪能し、脇役の小アジは唐揚げで賞味した。

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釣果は魚フライと唐揚げで賞味(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

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