越後国に釣り人の欲望をすべて満たしてくれる夢のような釣り場がある。新潟県加茂市にある下条川ダムだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュースAPC・中村直樹)
下条川ダムの概況
昭和49年に完成した周囲約3kgの治水ダムで、加茂市と愛好会の手により釣り場の整備や清掃がおこなわれている。
新潟を代表する人気釣り場で、古くから定期放流があり魚影は特濃。盛期は束釣りも可能。また雪に閉ざされた厳寒期でさえ、氷を割って楽しむ釣り人も少なくない。
管理池顔負けの釣果が望めるため勝負フィールドにも使用され、例会はもちろんのこと日研の地区大会や観光協会主催の釣り大会なども開かれている。また他県から訪れるファンも多く、週末ともなると多くの釣り人が並ぶ。

整備された管理環境
周辺の手入れも行き届き、除草作業や清掃はもちろん、カワウ対策もしっかりとおこなわれ、人間が驚くくらいの花火を打ち上げて魚を保護している。これだけ万全な管理をしてくれて入釣無料とは、まさに至りに尽くせりの夢釣り場と言っても過言ではない。
なお同ダムは『自然にやさしい環境づくり』をテーマに加茂市が力を入れている観光スポット。キャンプ場や宿泊可能な自然学習館、ビオトープやトンボ生態園、吊り橋などのレジャー施設も充実している。釣り以外も十分楽しめるので家族釣行にも最適だ。
現況はどのポイントでも高釣果が出ており、混雑する日曜例会でも20kg超が続出するほど。なお6月8日(日)に行なわれた日研団体トーナメント・上中越地区決勝では長岡支部が80.75kg(4人の合計)で優勝している。
ポイント
南北に細長い川形状で、各所に10人以上が並べる水平の釣り座が用意されている。どのポイントでも大差なく釣れるので混雑したら空いている場所に入ればOKだ。以下は常に釣り人が並ぶ人気ポイントを厳選!
下タケ
ダムサイト寄りの駐車場下にあり、常連の手により釣り座が整備されている。10~15人程度並べ、ポイント差はない。水深は2本強~4本。
坂道下
ダムサイトから数えて2つ目の駐車場下に位置し、坂道を中心に左右に10~15人程度並べる。人気は上流側で坂道の真下が好ポイント。水深は2本強~4本。
平成ワンド
ダムサイトから数えて3つ目の駐車場下にあり30人ほどが入れる。これからの時期は藻が生えてくるため藻が少ない下流側が人気。水深は2~3本。
ドンブカ
釣り座の近くまで車で入れるため、年間を通して釣り人がいる1級ポイント。そのため多くの魚が居着いていおり、厳寒期でも水面に魚が湧くほどだ。手前から深く、竿いっぱいの底釣りが楽しめる。

放流場所
釣り座の背後に車が停められ足腰の弱い高齢者に人気のポイント。ドンブカ同様多くの魚が居着いておりアタリ出しがとにかく早い。7~10人が入釣可。水深は2本強~3本。
ベーカリー
平成ワンドの対岸に位置し5~6人が並べる。普段は釣り人が少ないが、例会などでたびたび優勝者が出ている。駐車スペースが少ないのが難点。水深は2本強~3本。
上流部(吊り橋付近)もポイントはあるが、夏場は藻が生えるため入る人は少ない。入釣するなら藻刈り鎌が必要だ。また、山道を下るポイントがほとんど。あまり歩かないが、荷物をコンパクトにするなど軽装のほうが望ましい。
どのポイントも釣り座は水平のため万力を取り付けられるスノコがあれば入釣は可能だが、一部は段差があるのでミニ釣り台があると便利。また蚊が多いので蚊取り線香は必携だ。なお午前中は東岸が日陰で午後は西岸が日陰となる。
釣り方とエサ
魚影が驚くほど濃いので、どのポイントでも10尺前後の竿で浅ダナ狙いが中心。エサは両ダンゴがベストだ。
道糸1~1.2号。ハリス0.5~0.6号。ハリはダンゴ鈎なら5~7号。ハリスはマックス40cm前後。ウキはボディ5~7cm。トップはパイプ・ムク好みでいい。
ジャミも少なくアタってくるのは大半がヘラだと思って構わない。慣れたエサで問題ないが念のため配合例を記載。
カクシン2+凄麩1+ガッテンまたはコウテン0.7+水1。カルネバ1+GD0.5+バラケマッハ1+凄麩1+水1。
エサが持たない時は押し練りや浅ダナ一本・BBフラッシュで調整。カラツンが続いたり魚を寄せたい時は、バラケマッハ・凄麩など開くエサで調整する。
ハリスが張ると型が小さくなるので、ナジミ際の早いアタリを狙うと面白い。

トロロ&底釣りも有効
魚が湧く場合は両トロロが釣りやすい。型はこまかくなるが、カラツンが少なく数は伸びる。配合例は極上とろろハード1分包+水300cc+とろスイミー50cc+美緑300cc。これを手水と美緑、段差バラケで調整。
また、水面直下に良型が溜まる傾向にあるので、トロ掛けセットで狙ってみるのも面白いだろう。
常連のなかには竿10~15尺で底釣りを楽しむ人もいる。マブナが交じったり型がこまかくなる傾向にあるが、浅ダナの早い釣りが苦手な人にはお勧め。
<週刊へらニュースAPC・中村直樹/TSURINEWS編>