ご存じタコとイカといえば、海の面妖な軟体生物である。タコが足8本、イカが10本。

なぜ足の数が違うかなんか知らないが、もっと基本的なことについて知っておきたい。釣り人的な視点では、どのような違いがあるのだろうか?実は、釣り方も少々違えば、同じ墨を吐くのでも意味が違ったりするのだ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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釣り人視点で見るタコとイカ

まず、タコとイカはどの時期の釣り物なのか?

タコは、基本的に夏の釣り物だ。梅雨の前後から釣れはじめて、8月いっぱいまでシーズンが続く。基本的にどんな沿岸にも着くので、オカッパリで釣るのも難しくない。筆者の知人など、「タコはあれだけ釣れて絶滅しないのかな?」と言うほど、沖ではよく釣れるらしい。

釣り人視点で見る【タコとイカの違い】 狙うレンジ(層)が最大の違いか
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夏のタコ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

続いて、イカ。秋と春の釣り物である。小さくて警戒心の低いサイズが秋に数釣りできる。一般にショアのエギングの狙い物としてはアオリイカがメインで、コウイカやケンサキイカも釣れる。

釣り人視点で見る【タコとイカの違い】 狙うレンジ(層)が最大の違いか
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秋のアオリイカ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

イカに関しては春のパターンもある。産卵のために接岸してくるのだ。狙い方は同じだが、秋よりは少しサイズを上げたエギを使って釣る。

産卵前の個体は藻を意識しているので、藻際を釣るのがコツだ。

タコの釣り方

タコとイカの釣り方は、似て非なるものである。まず、タコが基本的に海底べったりに着くのに対してイカは水中のどこにでもいる。よって、タコはボトムを、イカはレンジを釣り分けて狙っていくる。

タコジグやタコエギもボトムをタイトにとるために重めなものが多い。またタコはアピール過多なものを好む性質があり、エギを二本つけて狙うことも珍しくない。まずは堤防のキワから釣って、少しずつ前にキャスティングして、ボトムを揺するようなアクションで狙っていくのが基本的な釣法である。

イカの釣り方

対してイカは、一度はボトムを取って狙っていくが、どんなレンジにいるかわからないので着き場所を特定するまでレンジを何度もサーチする必要がある。アオリイカを狙うアクションは、エギを左右にはねさせるような独特のもので、ラインスラックを弾くように竿をしゃくるものだ。

筆者が以前地方の方から聞いた話だが、昔、まだイカがエギを見慣れていない頃は、ただ巻きでも釣れたという。それがダーティングさせた方がだんだんとよく釣れるようになっていき、今では全国的にそれが普及したらしい。

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イカがエギを抱くのは本能か(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

墨にも違いあり

ここまでは釣り人視点でタコとイカの違いを見てきた。もう少し一般的なところに話を戻そう。

みなさんは、こんなことを考えたことがないだろうか?「なぜイカ墨パスタはあるのに、タコ墨パスタはないのだろうか」と。実はこれには、ちゃんとした理由がある。

それは、「粘度」。イカ墨に比べてタコ墨は粘度が低くサラサラしている。粘度が低いことで料理に絡みにくく、不向きだとされているのだ。

タコもイカも捕食者から逃げるときに墨を吐くが、その墨を何に見せるかが違う。イカ墨は分身、タコ墨は煙幕として使用される。

釣り人視点で見る【タコとイカの違い】 狙うレンジ(層)が最大の違いか
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釣り場に残るイカ墨(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

夏から秋は軟体類の季節

これから秋にかけて、タコとイカという釣り物がにぎわってくる。実は先日筆者も垂水漁港で小さなタコをしとめることができた。まったく狙いでも何でもないメタルジグに乗ってきたのだ。タコにはこういうことがある。以前は加太でパワーイソメでタコを釣ったこともある。どうもヘンな生き物である。

対してイカはといえば、まずエギ以外で釣ることは難しい。

エギングは人気の釣りで、今は女性釣り人人口も上昇中らしい。この夏から秋にかけて海釣りデビューしようという方にはおすすめの釣りだ。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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