さて今回は、梅雨明け前だというのに、真夏のような天気の中、主宰している磯釣り奨励会の7月月例会で、南伊豆町の中木地区へ釣行。サメが登場したりと難しい状況の中グレを拾い釣りした模様をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
梅雨明け
今年の梅雨は九州から近畿地方まで、6月27日に明けるという、異例の早さであった。なんでも、昨年よりも18日から22日も早い梅雨明けだそうだ。
では、東海から関東甲信、東北に掛けてはというと、真夏のような天気が続く日があるものの、まだ明けていない。
原稿が掲載される頃には梅雨明けしていると思われるが、いかがなものか。それにしても、年々気象変動が大きい。お天気は生活面も含めていろいろな所に影響が出るので気になってしまう。
南伊豆で磯フカセ釣り
さて今回は、梅雨明け前だというのに、真夏のような天気の中、主宰している磯釣り奨励会の7月月例会で、南伊豆町の中木地区へ釣行した。会では、各月の担当幹事を決め、幹事さんが釣行場所の予約等の段取りを行うようにしている。
7月は中木港渡船重五朗屋さん(tel:0558-65-1016)での月例会となった。出船時間は夏時間ということで、午前5時。集合時間は、渡礁順番決めのクジ引きや月例会規定等の説明もあるため午前4時とした。

釣り場の特徴
ここ中木は南伊豆町にあり、大小様々な磯があることと、水深が深い釣り場が多く、一年を通してイシダイ、モロコ、回遊の青物などの大型魚や尾長グレ、口太グレなど、いろいろな釣りスタイルで磯釣りを楽しめるエリアとなっている。
また、海水浴シーズン限定だが、ヒリゾ浜と呼ばれている島に、ヒリゾ浜渡し組合(090-4612-1050)の渡船(有料)利用で渡り、海水浴やシュノーケリングを楽しむことができる。透明度が高いときは最高の海底散歩ができると大人気である。
サバ根へ渡礁
いつもながら、出船時はワクワクする。渡船中木丸は他の釣り客も含め大勢の釣り人を乗せて各磯へ船を走らせた。

サバ根は中木の隣地区の入間寄りにあり、細長い地形と、水深、潮の流れ、魚影、どれを取っても一級。収容人数は2~3名と小さな磯ゆえにウネリには弱いためなかなか渡礁出来ない磯だ。
それと、島の中央部に穴が空いていて、時折ダイバーがパーティを組んで中を抜けたりしている。この穴の中に魚がいるようで、沖で掛けた魚も磯際まで寄せてきたタイミングにこの穴の中に入られてバラしてしまうこともあり要注意だ。
コマセ作り
まずは、コマセ作り。この日用意したのは、オキアミ6kg。配合エサは、事前情報では水温がかなり高いとのことから、上層から中層を狙う配合エサブレンドが良いと考えて用意した。
ニューグレパワーV11、グレパワー沖撃ちSP、グレパワーV9各一袋。サシエサは、くわせオキアミスーパーハードM、グレ丸、くわせオキアミV9M。時間帯で一番食いが出るパターンを掴みやすくするのにいろいろと揃えた。

タックル
タックルは、竿がま磯インテッサGⅤ1.25号5m。リール22トーナメントISO競技LBDにミチイト銀鱗SSトーナメンターMK11.75号。ウキは塩田ウキSG8号。

渡船の水温計は27.4℃を表示していた。仕掛け着水時から中層まででアタリを取り易い仕掛けを組んだ。

当日の作戦
磯際に多目にコマセを撒いてエサ取りも含めた魚の活性を観察。案の定、イスズミがコマセを拾っている。ただ、サシエサを入れても食ってはこない。他の熱帯魚系の魚がエサを取るようだ。そこで、潮はあまり動いていないため、磯際に多目にコマセを撒き、グレが食うポイントを探るようにした。
磯際のコマセにエサ取りが集まるのを確認。沖20mほどに固めて撒いたコマセにイスズミが多いが、その中にグレの姿も見えた。狙うポイントは絞れたのだが、なかなか本命のグレが口を使ってくれない。
作戦的には、コマセを先打ちしてから仕掛け投入。
待望の尾長グレがヒット
潮が動かないことがグレの活性を下げているのか。小一時間ほどすると、やや左へ潮が動き出した。そのタイミングで、25cmほどのイサキが釣れてきた。

ポンポンとイサキが連発し、次にイサキの引きとは違い、もう少し力強い走りで釣れてきたのは、本命の尾長グレ。サイズこそ32cmとまだまだではあるが、ようやく本命の姿を拝めて一安心。しかし、思ったよりも本命が連発しない。

サメ登場で一休み
それどころか、沖に作ったポイントに集まる魚が一気に消えてしまうような泳ぎ方をし出した。原因はすぐに判明。沖に撒いたコマセに集まる魚が一気に消えたと同時に、1.5mはあろうかという大きなサメの姿が数匹現れた。
海面を悠然と泳いでいる。これでは、魚たちは怖がって食ってはこない。時々イサキは釣れる物の、すぐにサメが食いついてハリスを切られてしまう。
ちょうど、船長に頼んでいたお昼のお弁当が届いたので早い昼食時間として磯を休ませた。釣り再開後も、潮の動きはあまり流れない状況。沖のポイントはまだ狙わないで、磯際を狙うようにした。
コマセにイスズミだけでなくグレの姿も見えだした。海面下1m前後まで浮いて来る30cm前後のグレもいる。
超浅ダナ狙いでグレ拾い釣り
そこで、ハリスの中にゴム管を入れ、カヤウキをセットし、シビアなアタリも取りやすい、超浅ダナ狙いの仕掛けに作り直した。どのタイミングにグレが浮いてきて、サシエサを拾うのか観察しながら釣ると、最大では32cmまでの尾長グレを釣り上げられた。
同じ攻め方をしていると、魚に見切られてしまうので、時々沖も狙いながら尾長グレと24~26cmのイサキを釣り上げることができた。
難しい状況を楽しむ
しかしながら、何発か大型の尾長を掛けたのだが、サバ根の海底真ん中に開いた穴に逃げ込まれてハリス切れでバラしたことは悔しい思い出となってしまった。
今回は、サメがハリに掛かった魚に食らいついたり、ダイバーが磯際を潜ったりと、ちょっと難しい状況時もあったが、梅雨明け前の真夏のような天気の中、会の仲間達とそれぞれの磯でウキフカセ釣りを楽しむことができた。
優勝は40cm口太グレ
磯から上がり港で検量をすると、女性会員が40cmの口太グレを釣り上げて、見事初優勝に輝いた。

それと、船中でもこの魚が最大魚となり、厳しい状況下の素晴らしい釣果にさらに盛り上がった月例会となった。

今後は、梅雨明けすると更に暑さが厳しい状況になるが、高活性期でパワフルな魚たちが楽しませてくれる季節でもある。暑さ対策をしっかりとして磯釣りを楽しもう!

<塩田哲雄/TSURINEWSライター>