「誰でも釣れる」と思われがちな豆アジ。でも、やってみると意外と手強い。

繊細すぎるアタリ、軽すぎるジグヘッド。今回は、そんな“極小ターゲット”豆アジに真正面から向き合う釣りのお話。アジング入門にもピッタリなこの世界、実はとても奥が深いのです。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

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豆アジの定義は?

豆アジの定義は人それぞれですが……私の主観では、ここ中日本エリアだと「だいたい10cm以下」くらいが豆アジ。地域や釣り人の意識の高さ(笑)によって多少変わりますが「豆」だなぁって呼びたくなるサイズ感です。

豆アジは「お手軽だけど手強い」ターゲット 豆アジングの魅力と基本を徹底解説
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豆アジのサイズ感(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

豆アジングの魅力

豆アジ狙いのアジングは「誰でも釣れそう」という“お手軽感”がある反面、実際には意外と難しい。でもそこが面白いところでもあります。「アタリの数が多い → 釣れれば数釣りの楽しさがある」繊細なアタリを取るゲーム性が魅力で、アジング入門にも最適です!

掛ける難しさ

ちなみにですが、大きいアジは「合わせるのが難しい」というより、「そもそも見つけるのが難しい」です。その点、豆アジは「居るけど掛からない」という難しさがある。つまり、掛ける工程に関しては、むしろ豆のほうが手強いかもしれません。

シーズンとポイント選び

釣れる時期は割と長めです。今年は少し難し目かもですが 例年6月末~8月にかけては、どこでも“居るところにはしっかり居る”印象。

ポイント選びのコツ

潮通しの良い場所の中でも、潮が淀む場所を探すのが基本です。その中で少しで良いので流れが出来ている所や、常夜灯があるポイントはやりやすいです。

港の奥のゴミが溜まってるけど何となく潮が動いてるような所、完全に潮止まりじゃないけど、ゆる~く流れてるような所がいいでしょう。ただ実際は「ここ釣れそう?って思う所には居る」ってのが本音です。

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ポイントの一例(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

ポイント移動

「5投してアタリも姿も気配もなければ、即移動!」。筆者は これが基本です。何となく釣れ”なさそう”なら粘らない(笑)。

豆アジングのタックル&仕掛け

ここからは豆アジングのタックルとリグ(仕掛け)について紹介します。

ロッド

UL~Lクラスのアジングロッド。5フィート前後・ソリッドティップは欲しい。マメアジ専用ロッドがあればさらに楽しいですが、最近のロッドはどれもベリーから曲がり使いやすいので、正直なんでもOKです。

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アジングタックル(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

リール

普段使っているもので問題なし。ただし、5cm位のアジしか居ない時はドラグはとにかく“ゆるゆる”に。筆者は昔、ゆるめすぎてノブを落としたことがあります(笑)。ちなみに、ドラグを爆音にしている方は 多少でも滑らかに動くよう少しバネを静音にした方がクリックの引っ掛かりなくなり良いかもしれません。

ライン

普段使っているアジングラインでOKです。私は「エステル+ナイロンリーダー」を使用。

リーダーという短さで意味があるのか疑問ではありますが、ナイロンの“伸び”で口切れバラシを少しでも減らしたいお祈り設定です。

ジグヘッド

重さ0.4gからスタートしてます。重くても1gまでしか私は使用しないです。というより針の小さいジグヘッドで1g以上の設定があるメーカーが少ないです。

フックはそのメーカーで一番小さいサイズ(#12~#16あたり)。「マメ用ジグヘッドを買い足したくない」「乗らないけど掛けたい!」そんな時はアシストフックも選択肢になります。ただし、色々ありますが手返しは確実に落ちるというデメリットがあります。個人的には余り推奨しないです。

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アジングのジグヘッド(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

筆者のこだわり

小さい魚ほど、「取り込みが難しくなる → 水面を滑りやすくバレやすい」ので、針先はなるべくストレート形状を使用します。そして、筆者は普段からバーブレスなのですが 豆アジは特にバーブレスの方がキャッチ率は高くなると感じてます。

ワームと誘い方

最後に、ワームと誘い方を解説します。

ワームのサイズ

ワームは専用の小型ワームでもOKですが、私は普段使ってる1.6~2.4インチをそのまま使用。ただしその中でも細身テールが好き(まぁ良くあるプランクトンを意識してるんだろうなぁって奴)です。

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アジングのワーム(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)

ワームのカラー

正直よく分かりません(笑)。基本は透け感が強めで蛍光が多少でも入っている、シルエットが出すぎないカラーです。でも、たまにソリッドカラーで大爆発もあります。

誘い方

普段のアジングと同じでOK(テンションフォールでも ただ巻きでも)です。アジが見えなくても一度は表層をチェックしましょう。

初心者向け豆アジングQ&A

ここからは初心者の方向けの豆アジングに関するアドバイスになります。

Q1. アタるけど乗らないときはどうする?

「豆アタリはあるけど乗らない……」そんなときは、ルアーに“間”を与えるのが効果的な”時があります”。つまり、一瞬ラインテンションを抜いて「食わせの間」を作ってみるということです。

竿先を10cm位下げて一瞬フリーにし、また戻す。ただ巻き中に一瞬止めるなどです。

Q2. 効果的なやり方は?

筆者は「両手パンチ式フリー」を多用します。普段の、両肘をある程度たたんで構えてる状態から、同時に前へ“パンチ”するように肘を伸ばして、すぐ元の位置に戻すだけ。これでラインが一瞬フリーになります。

テンションがストンと抜けるわけじゃない → ルアーが自然に“送り込まれた感”を演出できると考えています。

戻す動きがそのまま“合わせ”にも繋がります。ただ、見た目はちょっとヘンですが……(笑)。「明らかに乗るようになった」って瞬間は本当に多いです。

Q3. 効果的な状況は?

表層ただ巻きで、「後ろに魚が付いてきてて何となく潮が強くなった的な重みがある」時とか、どの層でも「突然なんか重い??」って違和感があるときが使いドキです。

本当に潮かもしれませんけど(笑)。その直後にコッてアタリが出ることが多いので、先にパンチを入れて反応を引き出します。

あとは、「コッ」ってアタリが出たときに、つい反射で上に合わせがちですが、早押しクイズ的に“ピンポン”って感じで一度竿を軽く下に振ってから上に合わせるイメージでやると掛かる事があります。

豆アジングは奥が深い

初心者でも気軽に始められて、ベテランもつい夢中になる。豆アジ釣りは、“お手軽”なのに“手強い”、不思議な魅力に満ちています。試行錯誤し、自分の感覚で気づきを重ねていく。

遠回りのようでいて、それこそが“釣り”という遊びの奥深さ。豆アジは、その遠回りを楽しむのにぴったりの存在だと思います。小さな一匹に詰まった発見と駆け引きは、きっとあなたを夢中にさせてくれるはずです。

<刀根秀行/TSURINEWSライター>

豆アジは「お手軽だけど手強い」ターゲット 豆アジングの魅力と基本を徹底解説

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