テーマは「3年目の挑戦in片倉ダム」。朝から熱心にエサ打ちするもカラ消し込み1回のみで、その後はノーピクの吉田。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
微弱な触りに苦しめられる
ヘラがエサの近くにいればウキに何かしらのサインが出る。これを釣り人は触りと呼ぶ。ところが触りがあまりに微動だと、それがヘラなのかの確信が持てない。
片倉ダムの場合、これがもしヘラでないとするなら、正体はジャミの可能性が高い。ブルーギルかそれともワタカか。
仮にジャミだとするならヘラが近くに寄っていないのだから寄せ効果の高いエサを打つ必要があるだろう。しかし、もしこれがヘラならバラケ性の高いエサを打つのは真逆の対応となり、かえってエサから遠巻きになってしまう恐れもある。

ヅウタ橋下流右岸で竿15尺タナ1本半を打っていた吉田は、今まさにこの判断を迫られていた。
吉田康雄「何かがいるんですよねー。せめてスレでもいいからハリ掛かりしてくれると助かるのですが」
もはや開始から何度となく聞いた同じセリフ。しかし、いかなる対応をしようとも一向に触りは強まらず、むしろ徐々に弱まっている感さえあった。もはや風前の灯火か。
カラ消し込み一回
ところが9時半過ぎ、例のごとく弱い触りが永遠と続くなかで、いきなりスパッとウキが消し込んだ。おそらく全身全霊をもってアワセをくれたはずだが、無情にも穂先は曲がらず空を切るだけで終わってしまった。
吉田康雄「マジかよ!」
吉田の落胆ぶりときたら、それはもう人生の終わりかと思えるほどだった。やはり釣らなければならないプレッシャーが、吉田の肩に大きくのし掛かっているからなのだろう。ところがほぼ同時刻には、対岸でカメラを構えながら竿を振っていた記者にも、弱い触りのあとにズバッと入るアタリがあったが空振り。プレッシャーがない記者は、さほど落胆もせず次投をすぐに入れるも以降はノー触り。吉田もズバ消しのあとは触りがまったく消えてしまったので、もしかしたら正体はヘラだったのか?
いずれにしても、このアタリ以降はまったくウキが動かなくなってしまった我々取材班。一方でヅウタ橋のさらに下流にある通称・宮ノ下対岸に入っている常連数人にはアタリがあり、型は不明ながら立ち上がって取り込むシーンが見られた。

10時過ぎ、それまで日陰だった記者の釣り座に日が差し込み始めた。ウキが立つ位置はすでに日なたで、もはや強烈な紫外線が降りそそぐのも時間の問題だった。
一方、吉田の釣り座は朝から日が差し込んでいたのでパラソルで回避していたが、前方からの光線では顔は隠せても足元などは野ざらしだった。しかし記者よりも年齢が若いためか、まるでへっちゃらの様子。
真夏の暑い時期、常連は日差しの向きで釣り座を選択する人も多い。前述の宮ノ下対岸を例にするなら、10時ごろまで釣りをして、その後は親水公園下など北向きの釣り座に逃げるなどだ。
強烈な日差しに撤退?
アタリがあるのであれば日差しがあっても粘れるが、今の吉田にアタリはない。記者も同様だが今は吉田が主人公なのでどうのこうの言える立場ではない。

すると吉田から声かけがあった。
吉田康雄「関口さんが暑そうなので、どこか日陰ポイントに移動しますか?」
いやいや判断は吉田に任せるよ。ここで粘ると言うなら付き合うよ。
吉田康雄「またまたーやせ我慢しちゃって(笑)」
でも移動するとして候補はあるんかい?
吉田康雄「そこが問題なんですよねー」
次回も「3年目の挑戦in片倉ダム」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2025年8月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。
