流れにステイさせた鮎ミノーがアタックされて飛ぶこの釣り、私本来のボート釣りを忘れるおもしろさです。今シーズンから兵庫県の矢田川でスタートした鮎ビギナーですが、渇水してきたのを機に春に下調べしていた鳥取県の一級河川千代川に行ってみました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター落合浩大)
鳥取県千代川でアユのルアー釣り
梅雨が消え雨量が極端に少ない今シーズン。海の水は減らなくても川の水は減り渇水です。友釣りでは深場も釣り場ですがルアー釣りは浅場が主体です。矢田川の浅場、脛から膝の水深がいつの間にか脛がやっとの浅さになり、見えなかった石が見え始め水質も変化しました。ルアー釣りの危機で初期候補のもうひとつ千代川の様子を探りたく、どこで釣るかから始めました。

千代川の年券は毎年6月更新の9000円(矢田川15000円)で、乗合船1回分で1年間釣れ春解禁のヤマメも兼用できるお得さです。自宅からも兵庫県内より短縮できる鳥取県の分水嶺です。春の下調べの釣り場を再確認して何カ所か釣りながらお気に入りを探しました。網漁を避ける友釣り専用区以外はルアー釣りOKです。水がきれいでグッドコンディションです。
ルアーは投げない&巻かない
釣り具メーカーダイワのアユルアーのカタログや動画では「投げない巻かないアワセない」と表現されています。アンダーハンドで軽く投げる範囲で釣り、捕食させるのではなくアタックさせるので、ステイさせて攻撃を待ち構えます。縄張りを通過させるリーリングはしません。
群れの中をリーリングすると掛かるというのを見ましたが、それは引っ掛けです。あくまで友釣りのルアー版で、縄張りでステイさせてアタックを待つ釣りです。友釣りでもおとりを引っ張り回す愚はしません。

これを丁寧に解説しているのがダイワの動画です。過去版も含めて勉強しました。投げて巻くのは石を探る時だけ。見える石や窪みは直接狙い、見えない場合は投げて巻いて探り、ステイで待ち構えます。釣るのはステイで巻きで喰わせるのではないので「巻かない」のです。
時合いは日照に影響か
海には潮の干満があり時合いが生まれます。川には潮はありませんが時合いがあると9時、11時、14時が多いと聞きます。確かに8時より9時のほうが釣れる機会は多いです。縄張りに苔を狙って来る輩が多くなる時間帯が時合いで、明るさと水温変化が要因とされます。

山間の川では日差しが川面を照らすのは8~9時ということも多く、縄張りアユが巡回するのが見えたり追われて跳ねたりするのは日差しが出てからが圧倒的に多いです。
22cm良型アユが登場!
山から太陽が顔を出さないと川面は静かでアユの影も跳ねもなく時間が過ぎます。狙いは瀬肩やその手前の石や窪みですが反応なし。9時前に日差しが射すとアユが動き始め縄張りの巡回が見えました。あいつを狙う。ルアーを流れに乗せて縄張りでステイさせます。

根競べでイライラさせるとルアーが横跳びしたのと同時に強い引き。流れの抵抗をいなしながら淵に寄せて抜き上げ玉網で受けました。1匹目はうれしい22cmの良型アユです。
時合いに連発
ポイントを定めながら釣るとアユがきらりと見える瞬間があります。縄張りです。石の周りや窪みでじっくりとステイさせ泳がすとがっちり掛かってきます。
ルアーに流れを当ててリップの力で底層を泳がせ、左右に振りながら前進後進で誘うとイライラが頂点に達してアタックしてきます。

時から時合いだったようで10時過ぎまでに5匹を釣りました。22cm、22cm、20cm、19cm、15cmで、ビギナーは良型に嬉しさ倍増です。6匹目は引きが強く流れから抜けず、強引にしたら惜しくもハリ外れでポチャン。4匹の壁を越えられず5匹となりましたが満足です。
時間で納竿
時合いが過ぎて11時。4時間釣ったら川から上がるのをジイのルールにしてケガなく帰宅できるようにしています。5匹なれど食べ応えのあるサイズで涼しく釣りができ上々の気分です。アユを手に持ち流れで写真を撮りたいですがひとりではなかなかできず、玉網の中で撮ります。劣悪なギロチンバサミはとんでもなく、いつか閻魔様にそうされますよ。

川へのアプローチや駐車、そしてルアー釣りに適した場所を見つけるまで千代川を釣り歩き、アユルアー釣りにはまっていきます。
<丸山明/TSURINEWSライター>