8月23日、長野県・平谷村の平谷湖フィッシングスポットへ夏のエリアトラウト釣行へと出かけた。今回は夏のエリアトラウト攻略ということで、釣り方や狙いなどを交えつつ、お伝えしていこうと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 戸松慶輔)
夏のエリアトラウトの特徴と狙い方
エリアトラウトのメインターゲットとなるニジマスは冷水を好む魚だ。適水温は10~16度程度といわれており、日本の夏はニジマスにとって非常に厳しい環境といえる。
水温の上昇は魚の活性に直結するのは容易に想像ができる。そのため高原に位置する平谷湖といえど水温は高くなり、活性は決して高くはないと考えるのが妥当だろう。

夏のエリアトラウトの特徴として、ニジマスが浮いて水面を意識しているケースが多いことが挙げられる。そこで夏のエリアトラウト攻略のためには、水面近くの表層をいかにアプローチできるかがポイントとなる。
・1g以下のマイクロスプーンでの表層パターン
・クランクベイトで水面を意識している魚を直撃させるパターン
これらのパターンがおすすめとなる。この考え方を基本として、水の動きがあってより適水温に近い環境である場所を狙っていくと、釣果を上げやすいと感じる。
エリアトラウトの基本タックル
エリアトラウトは管理釣り場のため、魚は必ずその場所にいる。そのため釣りをするためのハードルは非常に低いのだが、当然エリアトラウト用にある程度バランスが取れたタックルが必要となる。
たまにバスタックルやエギングタックルなどでエリアトラウトに初挑戦してしまう人がいると耳にする。その心意気は認めたいが、やはりある程度ターゲットに合った道具の方が圧倒的に釣果を上げやすい。ストレスなくエリアトラウトを楽しむためにも、専用タックルの準備をおすすめしたい。

まずロッドはエリアトラウト用ロッドの5~6ft前後のもの。
またリーダーが必要になるが、感度に優れたエステルラインを使用する選択肢もある。エステルラインは0.3号前後が基本で、リーダーは20~30cmでエステルラインの倍の太さのフロロカーボンラインやナイロンラインを選べば間違いない。ルアーの接続にはスナップを使用する。00番や000番などの極小サイズを用意しよう。

ルアー
ルアーはたくさんの種類があるが、夏のエリアトラウトで準備したいアイテムは以下のようなものがある。
スプーンはオールマイティに使える1~2g程度の各色と、表層のマイクロパターンで使う1g以下のものを各色準備しよう。

クランクベイトは表層をスローに誘える浮力の強いハイフロート系のものが必須。また特定の状況下でハマると、ものすごい威力を発揮するニョロ系のクランクもいくつか準備しておくと良い。

さらに気難しい夏のエリアトラウトをなんとか釣るために、お助けルアーも用意したいアイテムも。スティック状のルアーやセニョールトルネード、豆ルアーなどがこれに該当する。
実釣開始直後は放流魚連発
平谷湖フィッシングスポットは午前7時にスタートフィッシングとなるため、6時30分ごろに受付を済ませると、すでに釣り場にはたくさんの人でにぎわっていた。歩いて釣り場を回り、水車の流れが当たるトーナメントエリアの川側に釣り座を構えて、7時のスタートを待つ。
メインのエステルタックルを準備して、まずはヴァルケインのシャイラ1.2gをチョイス。

7時となり、周囲のアングラーが一斉にキャストを開始したのを見て、私もスタート。水面にスプーンが着水してからすぐに巻き始めて反応を見ていく。水面下50cmくらいをイメージしつつスプーンを通すとガツッ!と強いアタリで、まずは本命の1匹目。30cmほどの元気なニジマスにまずはひと安心。

強く深いバイトだったため同じレンジ、スピードを通してくると、ここで一気に同サイズのニジマスを3連発でキャッチして、幸先の良いスタートとなった。

すぐさま次の1匹を狙うと急激に活性が落ちてきたのか、チェイスはあるものの口を使ってくれない。そこでカラーローテーションをしながら口を使わせて、ポツポツと追加していく。
水車周りで大型ニジマス3連発
反応が落ちてからはレンジやスピード、スプーンの種類を変えてなんとか対応していくが、ちょっと厳しい状況に。そこでエキスパートエリアが空いていたため、場所を移動して水車で流れができている場所を狙ってみる。

流れに浮かないようにヴァルケインのハイバースト1.6gで、水車の流れをまたぐようにキャスト。流れに当てながらスプーンを持ち上げて、ドリフトさせるようなイメージで白泡の中を流していくと、水しぶきが上がる激しいバイトが出た!

一気に水車の下へ潜ろうとする魚をなんとか引きずり出し、ロッドでいなして少しずつ寄せてネットイン。狙い通りにヒットさせた40cm近いビッグワンに大興奮だ。
流れの中に多くの魚が見えているので、次の魚を狙って集中してスプーンを流し込んでいく。すぐに口は使ってくれなかったが、しつこく狙っているとティップがひったくられるようなバイトが続く。流れの中には良いサイズの魚が着いているのか、またしても同サイズの良型だ。

パターンがハマったのか、なんとこの場所で大型ばかりを3連続キャッチとうれしい誤算。ただ合間にはヒット直後に水車に潜られてしまうラインブレイクもあって、うれしさ半分、悔しさも半分という結果に。
この後は場所移動を繰り返して、活性の落ちた時間帯に四苦八苦しながらなんとかニジマスを追加していく展開となったのだった。
表層マイクロパターンは夏の鉄板
放流直後のスプーンでの巻きや水車の流れなど、パターンにハマったタイミングは別として、活性が低いながらも要所要所で魚を追加した釣り方がある。それが1g以下のマイクロスプーンの表層パターンで、とりわけヒットが多かったのが0.5g前後の非常に軽いスプーンだ。

そこで夏のエリアトラウト攻略に非常に大切となるマイクロスプーンを使った表層の釣りを解説したい。夏のエリアでは魚が水面に浮いているため、水面近くにスプーンを通さねばならないときがある。
ロッド角度で浮かす
しかし軽いスプーンといえど、普通に巻いていたのではレンジが入りすぎてしまう。そこでリトリーブするときには、ロッドを立ててスプーンを上に引っ張り上げつつ、水面近くをゆっくりスプーンが泳いでくるように調整する。

軽いスプーンはスローな巻きでも泳ぐようになっているが、逆に巻きが速すぎると泳ぎが破綻してしまうケースもある。スプーンやリールによってしっかり泳ぐスピードは変わってくるので、どれくらいのスピードで巻けばしっかりスプーンが泳ぐのか、チェックしておくことが大切だ。
明色で泳ぎ確認
このときロッドを立てて巻いてくるため、風があるとラインがあおられてスプーンが流されてしまうことも少なくない。風の有無によってもリトリーブのスピードを調整するように注意したい。
そこで慣れないうちは視認できる明るいチャートやオレンジ、ホワイトなどのカラーで、リトリーブスピードと泳ぎを確認できるカラーで巻いてもらうのがお勧めだ。

ある程度リトリーブスピードと泳ぐレンジが理解できるようになると、より魚を正確に狙えるようになるため釣果につながりやすいと思う。
この表層のマイクロパターンをある程度実践できるようになれば、夏のエリアトラウトでは大きな武器になる。ぜひ覚えていただけると幸いだ。
<週刊つりニュース中部版 戸松慶輔/TSURINEWS編>