厳しい暑さが続いている中、1か月ほど前にクズの花が咲いた。8月中旬を過ぎて赤トンボが姿みせるようになり、ここ1週間ほどで夕方にマツムシの声が聞かれるようになった。

6月には気が早いと思ったが、夏ハゼのレポートを報告させていただくことができた。紀ノ川のハゼの生育は順調で、型がぐっと良くなってきた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)

紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮...の画像はこちら >>

紀ノ川河口のハゼ釣り

2~4時間の比較的ショート釣行であるが、キス狙いの合間をついてホームグラウンドの紀ノ川河口へハゼ釣りに出かけている。いずれも右岸での実績であるが、8月10日には午後1時過ぎから約4時間の間に44匹、8月23日には干潮前後の2時間程に17匹、8月26日は午後3時過ぎから2時間程、干潮からの上げ潮を狙って31匹と、釣況が上向いてきた。型もデキハゼが少なくなり、12~13cmのものが良く混じるようになり、時折15cmクラスの良型も竿を絞り込む。いずれも干潮前後の潮位の低いときに、河原に降りての釣果である。

ハゼは普通、潮位の高い上げ潮回りが狙いとされるが、河原に降りられる場所であれば、私はあえて干潮前後を狙って釣行する。潮位の低い時間帯にチャレンジすることによって、一見平坦に見える釣り場の中で、魚の付きやすい場所を再発見することができた。

橋脚周辺が好ポイント

それは、橋脚の周辺である。冬場に落ちハゼを狙う時に、ここより少し下流の北島橋周辺を狙っているが、橋脚周辺は深くなっていて潮の動きがあるとき、必ず潮のよれが生じ、そこがポイントになる。

紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮時の橋脚が狙い目
紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮時の橋脚が狙い目
橋脚の周辺が狙い目(提供:TSURINEWSライター牧野博)

釣り方としては、砂浜のキスの引き釣りの手法を使い、潮位の低いときに河原に降り、橋の下流から上流に向かって移動しながら釣り歩いて調べてみたところ、橋脚の近くは、他の場所と比べて魚信が多く、また型も比較的揃っていることがわかってきた。

魚が集まる理由

なぜ橋脚の周辺に魚が多く集まるか。その理由を考えてみると、潮がよれることでエサが多いこと、また、高水温期には溶存酸素量が多くなることが考えられる。同じ理由で、溝などの流れ込みの周辺、カケアガリなど水深に変化のある場所、シモリや障害物の周りも魚の付き場になる。

当たり前の結論なのかもしれないが、ミャク釣りで移動しながら釣る時も、ただやみくもに探り釣りするより、このような潮の変化のある場所をスポット攻撃するほうがより効果的である。

潮位の低い時に狙う

変化のある場所をスポットで攻めるときには、潮位の低いときの方が絶対にいい。川底の変化や根がかりの場所なども含め、得られる情報が多いからである。そういう場所を記憶しておくと、同じ場所に複数回釣行した時、潮位の高いときでもうまくスポットでハゼを拾ってゆくことができる。もちろん鉄道や道路の橋の橋脚の周りなどを釣る時には、トラブルを起こさないように充分注意しなければならない。

竹のヘラ竿でハゼ釣り

今年の1月に、釣具店をのぞくと中古竿のコーナーに、竹のヘラ竿が並んでいた。竿の刻印を見ると、和歌山県の橋本市で造られた竿である。中式13.1と刻まれた並継の4本継、3.9mでやや軟調の竿と思うが、継いで見るとバランスがよくて軽快な感じがする。塗りなどはオーソドックスな仕立てであるが、口割れなどの傷みも無いようなので購入した。

紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮時の橋脚が狙い目
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ヘラ竿(提供:TSURINEWSライター牧野博)

夏ハゼが活性化してきたので釣り場デビューである。ヘラ竿であり、小物のハゼ釣りなら強度などは全く問題がない。8月23日、26日はこのヘラ竿を使ってハゼ釣りを楽しんだ。オモリはカーボンロッドより軽めの1号~1.5号を使用。

紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮時の橋脚が狙い目
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ハゼ釣りのタックル(提供:TSURINEWSライター牧野博)

仕掛けはキス針(袖型)7号を2本、モトス2号、ハリス0.8号枝バリの間隔約15cm。6~8本の連続仕掛けを作って仕掛け巻きに巻いておき、カットして使用。

上バリと下バリの間のモトスに、ピンクのビーズを2~3個通してアピール(ビーズは連続仕掛けを作る時に通しておく)。

非常に使いやすい

結論からいうと、非常に使いやすかった。竹竿なのでいつも使っている14尺のカーボンのヘラ竿よりも重量はあるが、バランスがいいので持ち重りが少なく自在に振れる。やや胴調子で反発はゆっくりであるが、感度はカーボンロッドと遜色がないように感じられた。穂持ち(穂先の次の節)は全体に黒の漆で塗られているが、よく見ると継ぎ目以外の胴の部分も部分的に巻糸が施され、重くならないように配慮しながら補強されているようだ。

紀ノ川河口の夏ハゼが佳境!15cm級の良型を釣りたいなら干潮時の橋脚が狙い目
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ヘラ竿でキャッチ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

12~13cmのハゼが2点でかかっても、17~18cmのキビレの幼魚がかかっても魚の動きに応じて、スムーズにしなりながら余裕で受け止めている。今年のハゼ釣行では出番が多くなりそうである。根がかりした時には、絶対に竿でしゃくらず、竿と道糸を一直線にしてじわっとゆっくり後退する(これは、グラスやハイカーボンの場合でも同じである)。

今後の見通し

8月後半になり、12~13cmの比較的型のいいものが良く混じり始めた。これからが本格シーズンである。秋にかけて水温が下がってくると水色が良くなってくるので、活性の高いときなどは見釣りもでき、面白く楽しめる。

<牧野博/TSURINEWSライター>

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