タチウオはルアーゲーム初心者にとっても魅力的なターゲットである。重い独特のアタリ、そして強い引きが楽しめるうえ、堤防や港湾部から手軽に狙える魚として高い人気を誇っている。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
タチウオルアーゲームの基本
まず、タチウオをルアーで狙う際の基本を押さえておきたい。使用するタックルは、長さ8フィート前後のミディアムクラスのシーバスロッドやエギングロッドが適している。
リールは2500~3000番のスピニングリールに、メインラインとしてPEライン0.8号を使用し、リーダーにはフロロカーボンの3号を1メートル前後接ぐ。タチウオは歯が非常に鋭いため、リーダーの先に30cmほどのワイヤーリーダーまたは30lb程度の先イトを結ぶと安心だ。

使用するルアーは、ワインド系ジグヘッド+ソフトワーム、メタルジグ、大型のミノーなどが中心となる。表層からボトムを探る釣りであり、アクションにメリハリをつけることでバイトを誘発できる。
プライムタイムは「マヅメ」
タチウオの活性が最も高くなるのは朝マヅメ(夜明け前後)と夕マヅメ(日没前後)である。この時間帯はタチウオがベイトを追って接岸し、広範囲に回遊してくるため、初心者でも釣果が出しやすい。
逆に、日中の時間帯や真夜中はタチウオの活性が下がり、ルアーで釣るには難易度が上がるため、まずはマヅメの時間に集中するのが賢明である。
朝マヅメの釣りの展開
朝マヅメは、まだ薄暗いうちから釣りを始めておきたい。暗い時間帯はワインド釣法が有効である。ジグヘッドにワームをセットし、ロッドをシャープに2、3回しゃくる「ダートアクション」でルアーを左右に跳ねさせ、リアクションバイトを誘う。
空が白み始め、視界が明るくなるにつれてメタルジグに切り替えるとよい。

ジグの重さは20~30gを基本とし、早巻きやジャークなど変化のある動きを加えるとより効果的だ。
夕マヅメの釣りの展開
夕マヅメは朝とは逆の順番で釣りを展開していくのが基本である。日が傾き始めてまだ明るさが残る時間帯は、まずメタルジグを使用する。日中の疲れた個体でも、スローなリフト&フォールでじっくりと食わせることができるため、派手なアクションよりも丁寧な誘いを意識したい。
日没直後からは再び活性が上がり始め、ワインド釣法が有効になる。この時間帯はタチウオが最も積極的にベイトを追い回すため、アグレッシブなアクションでもしっかりとバイトしてくる。

日没から1時間ほど経過すると、タチウオの活性は少し下がる傾向にあるが、それでもまだチャンスはある。この時間帯はワームのただ巻き釣法が効果的だ。派手な動きではなく、一定のスピードで各レンジをスローに巻いてくることで、タチウオの警戒心を解き、食わせることができる。
時間帯に合わせた釣りを
タチウオゲームにおいて最も重要なのは、釣れる時間帯を見極めることである。
まずはワインドとメタルジグ、そしてただ巻き用のワームという3種類のルアーを使いこなし、朝夕それぞれの展開に応じた立ち回りを意識してみよう。タックルの基本を押さえ、初心者は消波ブロック帯に乗らないなど安全第一で楽しめば、きっと釣果にもつながるはずだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>