秋の訪れとともに、大阪湾沿岸は多彩な釣り物が賑わいを見せる季節となる。夏の喧騒が落ち着き、水温や潮の動きが魚の動きに大きく影響するこの時期は、狙う魚種も変わり、多彩な釣りが楽しめる。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
初秋は泉南でタチウオとアオリイカ
秋の釣りのスタートは泉南エリアの外向きポイントが鉄板である。特に9月から10月にかけては最初のタチウオの群れが回遊し、数釣りも狙える好シーズンだ。タチウオは主に夜釣りが効果的で、光を利用した集魚灯や餌釣りが一般的だが、ルアーフィッシングでも強い引きを楽しめる。
ワンポイントアドバイスとしては、タチウオの活性が高い時は細めのワイヤーリーダーを使い、メタルジグやワインド釣法で積極的に誘うことだ。特に夜間は光に集まる小魚を意識した動きをするとヒット率が上がる。

同時にアオリイカもこの時期に狙いやすい。タチウオを狙う傍らでエギングを楽しめるのも魅力だ。アオリイカは潮通しが良い岩礁周りでよく見られ、エギを根際にゆっくりと動かすのがコツである。初秋の泉南はタチウオとアオリイカの二本立てで楽しめるため、効率よく釣果を伸ばせる。
中秋から晩秋のライトゲーム
10月中旬から11月にかけてはライトゲームが盛り上がりを見せる。泉南、神戸、そして湾奥にかけて順にアジやメバルの魚影が濃くなり、特に夕暮れから夜にかけて良い釣果が期待できる。
アジングやメバリングの基本は、専用のライトタックルで繊細なアタリを捉えることだ。ワームや小型ジグヘッドを使い、ゆっくりと探る釣り方が効果的。

ワンポイントアドバイスとしては、潮の流れに合わせてルアーの動きを変えること。流れが速い時は早めに巻き、緩い時はゆっくりと漂わせることで魚の反応が変わる。初心者はゆっくりとしたアクションから始め、アタリを感じたらリズムを調整してみるのが釣果アップの秘訣である。
晩秋から初冬はロックフィッシュゲーム
11月末から12月にかけてはロックフィッシュゲームの季節だ。泉南エリアを中心にアイナメやクジメといった根魚が狙い目となる。これらの魚は岩礁や防波堤の根元に潜み、寒さが増す時期に活発にエサを追う。
ロックフィッシュ狙いの基本は、根に絡むワームやジグヘッドを使ったリフト&フォールの釣り方である。根掛かりを避けつつ、魚のいる層を探ることが重要だ。根魚は警戒心が強いため、ワームの色やサイズを変えて食わせのタイミングを掴むと良い。
ワンポイントアドバイスは、ボトム付近を丹念に探ることだ。特に防波堤の際や岩の隙間を狙い、アクションはゆっくりめにして魚を寄せるイメージで誘う。寒さに強い防寒装備を整え、じっくり腰を据えて狙うことが釣果につながる。
一方で同じ根魚でもメバルは表層の魚である。夜間になると表層に浮いてくるので、それを軽量ジグ単で狙っていく。軽いときには本当に0.2g程度まで軽量化していくので、フィネスの釣りに慣れていきたい。

各フィールドで縦横無尽な釣りを
大阪湾沿岸の秋は多彩な魚種がシーズンごとに入れ替わり、釣り人にとって魅力的なフィールドとなる。初秋は泉南の海でタチウオとアオリイカ、中秋から晩秋はライトゲームのアジとメバル、晩秋から初冬はロックフィッシュのアイナメやクジメと、狙う魚に合わせたポイントと釣り方を選ぶことが重要だ。
それぞれの釣りにはちょっとした「コツ」があり、これを押さえることで釣果がぐっと上がる。大阪湾の秋の釣りを楽しみながら、旬の魚を手にする喜びを味わってほしい。今年の秋も、大阪湾沿岸は釣り人で賑わうこと間違いなしである。
<井上海生/TSURINEWSライター>