近年のスマートフォンは、もはや「通話とSNSのための機械」という役割を超え、さまざまなアウトドア活動におけるマルチツールとしての地位を確立している。釣りもその一つであり、スマホは今や釣行の必需品といって差し支えない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣り×スマホの関係
釣りにおいてスマホが担う役割は多岐にわたる。まず、魚の写真をSNSにアップしたり、釣果を記録する「撮影ツール」としても利用する。次に、Googleマップや海図アプリで釣り場を確認・選定する「ナビゲーション」としての方途も。
そして、潮の動きや天気を確認する「情報端末」としての役割も欠かせない。最近では魚群探知機とBluetoothで連携するような高度な使い方も一般的になりつつある。
これらの機能を一台でこなせるスマートフォンは、まさに「釣り道具の一部」といえる存在だ。

最新機種のメリット
2025年秋、Appleから最新のiPhoneが発表された。高性能なカメラ、向上した耐水性、より明るく高解像度なディスプレイなど、アウトドア用途にも対応できる魅力的なスペックが目を引く。特に写真撮影機能の進化は著しく、逆光下でも釣果を美しく撮れる性能は、多くの釣り人にとって魅力的だろう。
また、防水性能もIP68等級が標準化し、多少の水しぶきや雨ではびくともしない。この点だけを見ると、「高価でも最新機種を持つ価値がある」と感じるかもしれない。

しかしここで冷静に考えたい。「釣り道具としてのスマホ」に、本当にそこまでの投資が必要だろうか。
必要十分と考えると?
結論からいえば、釣り用途に限れば、最新のフラッグシップモデルである必要は必ずしもない。数年前のミッドレンジモデルでも、潮見表やGPS地図は問題なく使えるし、写真も十分きれいに撮れる。電池持ちに関しても、モバイルバッテリーを携帯すれば問題は解決する。
また、万が一の破損や紛失、水没のリスクを考えると、むしろ「失ってもダメージの少ない機種」を選ぶ方が賢明だ。最新モデルの価格は10万円を大きく超えることが一般的で、釣り場でポケットから滑り落ちただけで数万円が水の泡になるのは、精神的にも経済的にも痛手である。
常につきまとう水没リスク
海や川、湖畔など、水辺で使うスマートフォンには常に「水没」という最大のリスクがつきまとう。たとえ防水仕様といっても、長時間の水中放置や深さによっては故障の可能性は残る。
万全を期すためには、防水・防塵ケースの使用が有効だ。加えて、首から下げられるストラップや浮力付きのスマホホルダーを使えば、落下時にも沈まずに済む。
安価なアクセサリーでも、このような対策を施すだけでリスクを大幅に減らすことができる。釣行のたびにヒヤヒヤするよりも、はじめから備えておく方がストレスは少ない。

道具としてのスマホ
釣りにおいてスマホは、もはや「娯楽の延長」ではなく、れっきとした「道具」である。魚群探知機やルアーと同じように、機能性とコストパフォーマンスのバランスを考え、環境に応じた選び方が求められる。
防水性能、バッテリー持続時間、GPS精度、そして価格。これらを総合的に見て、自分にとって「ちょうど良いスマホ」を選ぶことが、賢い釣り人の姿勢だ。
必要以上に高価なスマホを持ち歩くのではなく、必要な機能がしっかり備わっているスマホを「釣り道具の一部」として使いこなす。それが、釣り×スマホのリアルな関係である。
釣りのためにあえてサブ端末を持つ必要はないが、あるいは、釣り専用のタフネスなつくりのものをあえて選ぶのはアリかもしれない。最新性能を追い求めるのでなく、アウトドア派のあなたにピッタリな機種を選んでみよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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