紀伊半島の漁港から狙うクエ。幻とも言われる魚をバラシに終わってしまった前回。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・稲垣順也)
クエ釣りのタックルを見直す
三重県から和歌山県にかけて紀伊半島の漁港では度々釣果を耳にするクエ。6月末から狙い始めて小型は数匹キャッチできたが、良いサイズはバラシに終わってしまった。
原因はショアジギングタックルの流用で本アタリからの対処が遅れた事により根に入られてしまったこと。フロロ14号ハリスがブレイクしてしまい、タックルを見直す事にした。
色々考えてロッドはダイワブッコミゲーム470XHBを愛知で馴染みの釣具店に注文し、リールや小物はお盆休みに帰省した際釣具店を見て回ることにした。
それまでは中古で手に入れた石鯛竿にアンバサダー10000CL、ラインはナイロン30号を入れてハリスはナイロン100lbとフロロ24号で取り敢えず間に合わせる事にした。
岸壁ジギングで30cm超えクエ
この日はクエ狙いではなく岸壁ワインド釣法で夕マヅメの短時間ライトゲーム釣行のつもりであった。歩きながらテンポよく探っていき、幸先よく30cm超えのクエをキャッチ、オオモンハタ数匹もキャッチして楽しんでいた。
ビッグヒット到来
先程クエがヒットしたポイントに少し時間を空け入り直した1投目にアタリがきて合わせると明らかに大物とわかる重量感。足元でのヒットだがラインはフロロ16lb直結で無理はできない。
しかし根に入られてもいけないため多少は強引に浮かしにかかる。3回は突っ込みに耐えたが4回目の突っ込みでラインブレイクしてしまった。感触から55cm、2kgは超えてそう、根に擦れた感触は無かったため恐らく鋭い歯によりラインブレイクしたと思われる。

もう少し慎重にやり取りしていればと後悔したが後の祭り、悔しさが込み上げる釣行となった。
8月17日もルアーで狙う
この日はお盆休みの最終日、帰省していたためタックルは揃ったがエサが無いのでルアーで探って行く。前回のラインブレイクからルアータックルも見直した。
タックル
・ロッド:モンスターキス社ディアモンスターMX-8+
・リール:ダイワ、タトゥーラHD
・ライン:PE4号
・リーダー:フロロ10号
・ルアー:5インチクラスのシャッドテールワームのテキサスリグを使用。

大型魚のチェイス
ロックフィッシュ狙いでは最強クラスのタックルで、これで獲れなくても後悔はしないタックルだ。使用するワームが大きい為、小型の乗らないアタリが続く。
時折フッキングする小型を釣りながら迎えた夕マヅメ、足元まで来て回収したルアーの後ろから巨大な魚影が水面まで来て反転していった。はっきりとは確認できなかったが、茶色い影から恐らくクエと思われる。
すかさずルアーを入れ直すがバイトは無くこの日の釣行を終えた。これで3回目のニアミスである。油断があったとはいえ不運続きにさすがに嫌気もさしてきた。
時期的に日没も早くなり平日釣行が時合ギリギリになってくる。だが釣りに行かなければ魚は釣れないと思いダメ元で釣行を繰り返していた。

8月27日はエサで挑戦
この日も仕事後の短時間釣行である。少しでも確率を上げるため新しく準備したタックルは少し沖へ入れ、足元狙いのタックルも用意して狙っていく。足元狙いにはダイワの古い船竿80号2.4mにリールはアンバサダー10000CL、ラインはナイロン30号、ハリスはナイロン100lbを使用した。
43cmクエ浮上!
開始してすぐ、その予備で足元に入れた竿にアタリが来たが合わせると根に入られている、動く感触はあった為ラインをはったり緩めたりで粘っていると10分程して根から出て来た。
たまに釣れるガシラかと思っていたが予想に反して重量感がある。少し期待しつつ水面に浮上したのはそこそこ良いサイズのクエであった。

ネットで掬いキャッチ成功、計測すると43cm。

ハリスは根に擦れてボロボロになっていた。

クエとしてはまだまだ小型だが漁港から釣るには十分なサイズである。
2ヶ月間諦めずに狙い続けた念願の魚、バラシが続いた事もあり喜びは大きい。そして釣りライターとしてもリベンジできて少しホッとした気持ちもあった。

漁港クエ釣りのコツ5選
漁港から狙うクエのコツを4つ紹介しよう。
場所、ポイント
クエの生息数が多い場所を探す事が最も重要である。中でも付き場となるブレイクや根周り、水深や地形の変化等、根気強く探していってほしい。
時合い
朝マヅメや夕マヅメの時間帯なのか、干満の潮位によるのか、時期や場所による為時合探しも大事である。今回は日が暮れる夕マヅメにアタリは集中し、日が落ちてからはウツボばかりであった。
釣り方
ルアー釣りは広い範囲を効率良く探れるが見切られている印象である。何度か5インチのワームを丸飲みにしたようなバイトはあったが直ぐに吐き出されフッキングしなかった。
活性が高い魚に当たればヒットに持ち込めるのだろう。エサ釣りは広く探れない為上述した場所と時合が重要である。居る場所で時合にエサを入れておけるかが勝負だ。ぶっ込み釣りはラインを太くでき、獲れる確率が上がるのもメリットだ。
タックルについて
本格的な堤防クエタックルを用意したが、結局キャッチできたタックルは有り合わせのタックルであった。高価なタックルでなくても漁港からクエは狙って獲れたのだが……これはあくまで和歌山県南部の漁港での話である。
九州では漁港から大型が狙える場所もある為狙えるサイズに合わせたタックルを用意する必要がある。
釣り場のコミュニケーション
最後に漁港からクエ狙いの最大のキモを教えると、それは地元の釣り人とのコミュニケーションである。今回取り入れた遠近投げ分けの二刀流は地元の釣り人のやり方を真似たものである。
この釣り場でのクエの実績サイズを聞いた上で手持ちのタックルから選び用意した方にヒットした。
後日会ってもお互い情報交換し釣れた場所や時間帯、使用したエサ等、お互いに参考にしていく。現地の情報を知る為にも地元の釣り人とのコミュニケーションが大切である。どの釣りでもそうだが、駐車や騒音、ゴミ等マナーを守って楽しい釣りを心掛けてほしい。

<稲垣順也/TSURINEWSライター>
使わぬ釣具が高値に変わる!フィッシングコレクト

公式HPで見る