秋の小物釣りシーズンが到来。神奈川県小田原市の早川港では、サビキ仕掛けに多彩な魚がヒットしている。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版青砥一生)
早川港でサビキ釣り
9月7日(日)、神奈川の早川港へサビキ釣りに出かけた。前週まで雨が降らず、猛暑もあって期待していなかったが、前日は台風の影響で大雨。水温が下がり、魚の活性がよくなっていると予想。4時ごろが満潮の大潮だったので、早い時間のほうが有利だろうと、4時30分に現地へ。
まだ夜明け前だが、市場裏の駐車場には10台ほど車が停まっており、先端の釣り場には先釣者の姿。暗いなか、水面ではパシャパシャと小魚が跳ねていて、期待させる展開。

釣具屋でエサと仕掛けを購入
状況を確認したところで、小田原FBCでコマセと仕掛けを購入。「イワシにメッキ、ショゴ、ダツなど、いろいろな魚が入っています。時間帯がよければ、ジンタをたくさん釣ってくる人もいました。アイゴが多いから気をつけて」と店主。
昨年のこの時期には、トウゴロウイワシが多く入っていて、それを捕食するダツやヤガラがいた。今年も狙えそうだ。

釣行開始
日曜で魚市場は休みなので、市場側で竿を出す。まず、アミ姫(ポータブルコマセ)を軽く撒いて潮の流れと魚の反応を見る。
コマセが散らばっていくと同時に、大小の魚影が寄ってくる。表層には小さいアイゴが群れをなして泳いでいる。中層にはアオリイカの新子も見える。

マダイの幼魚がヒット
ノベ竿にトリックサビキ仕掛けをつないで投入。オモリが底に着いて、底すれすれで待つと、いきなり小気味いい引き。
平たい魚体で、「コノシロにしてはよく走るな」と思って抜き上げると、なんとチャリコ。サイズが小さいし、サビキ仕掛けでハリを飲んでいなかったため、「大きくなってまた会おう」と素早くリリース。

ヒイラギが連発
仕掛けを数回入れ替えていると、今度はブルブルとした軽めのアタリ。抜き上げるとヒイラギだ。素揚げにすると、ほどよい塩味とカリッとした食感でとても美味しい。港町ならスーパーにも出回るが、ほかの地域ではあまり見かけない。数回ヒットし、最高5点掛けで、うれしい土産になった。

アイゴもヒット
表層で魚が群れているので狙ってみると、ヒットしたのはアイゴ。背ビレに気をつけてハリを外した。

ウルメイワシを手中
さらに底を狙っていると、ひときわ鋭い引きが訪れた。左右によく走る細長い魚影。「サバか?」と、ていねいに抜き上げると、20cmのウルメイワシ。もう1尾も掛かったが、取り込みでバレてしまう。

50cmのボラがヒット
こまめにコマセを撒いたりタナを探っていると、今度は小さいアタリのあと急激に走る引き。「何だろう……」。ボワーッと見えたのは50cmほどのボラ。なんとか引きには耐えられるが、さすがにノベ竿では抜き上げられず、タモの用意もない。
数分ファイトを楽しんだところで、バレてくれたので、ある意味助かった。このほか、なぜか同じサビキ仕掛けにピンギスも掛かった。

イワシを釣って納竿
9時になると、港の大部分に日が差し込み、場所によってはかなり暑そう。私がいた市場側は日陰になっていて多少涼しい。潮が引いてくると、魚の動きが緩慢になってきたので、新港側のスロープ横に移動。
干潮近くなって、岸壁沿いは岩が露出している。
さっそくサビキ仕掛けを投入すると、コマセに反応してイワシが寄ってきてヒット。10時、同魚を数尾釣ったところで納竿した。

最終釣果
今回釣れた魚は、チャリコにヒイラギ、アイゴ、ウルメ、トウゴロウイワシ、ピンギス、そしてボラと7種類。気温、水温ともまだ高い状況だが、海況に変化があり、魚が入ってきている証拠。これからますます釣りやすくなって、秋の小物釣りが楽しめそうだ。
魚種多彩に狙えるので、仕掛けは大小サビキや、泳がせなど各種あったほうがいいだろう。とくにボラがヒットすると切られることがあるので、予備は必ず持参。また、小型ルアーやジグヘッドなどライトゲームでも十分楽しめそうだ。

<週刊つりニュース関東版青砥一生/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年9月26日号に掲載された記事を再編集したものになります。