加太でマダイが好調と聞いて9月20日に現地を訪れた。良型マダイとゲストのメジロをキャッチしたのでレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・田中耕二)
畑中丸でマダイ釣り
9月になっても猛暑日が続いていたが、朝晩は少し過ごしやすくなってきた。紅葉鯛には少し早いが、加太が好調とのことで産卵から回復した絶品マダイを狙って加太港の畑中丸を予約した。

残り物には福来る?
当日は、南風が強く他のエリアでは船止めが聞かれたが、なんの問題もなく出船できるとのこと。悪天候にも強いのが魅力だ。午前5時過ぎ、3人を乗せて河岸払い。釣座は予約順に好きな場所を選ぶので、私は残った左舷ミヨシに釣座をとった。残り物には何とやら……に期待!
高仕掛けで狙う加太のマダイ
加太といえば、マダイが有名でブランド化している。当地では、このマダイを狙うのに高仕掛けという独特の疑似餌釣りを行う。全長15mもある胴付き仕掛けで、6~8本ある針にはビニールをチョン掛けする。

畑中丸ではオリジナルの仕掛けを1セット提供してくれるので、ロッドとリールのみを持参すればよい。もちろん持ち帰り用のクーラーは忘れずに。

仕掛けの接続に要注意
タイラバロッドにPE2号を巻いたリールをセットしスナップを接続。後はポイントについてからオモリを投入し、仕掛けをほどいて最後にスナップで接続すればOKだ。この春に来た時は要領が分からずに船の上で仕掛けをほどいて往生したのですよね~。
水深40mポイントで釣り開始
船は港を出て北上。友が島を越えて淡路島との海峡まで進む。潮筋には鏡ができており、素人が見ても潮が流れているのが分かる。これは期待できそうだ。船長の合図でスタート。
船長からボトムから3mまでを狙うように指示があった。カウンターを見ていると23mで着底。高仕掛けが15mあるので、水深は40mもないということだ。上潮にラインがとられてトモに流されていたので、3mほど早巻きして再び着底。

1投目1巻目でマダイヒット!
さあマダイのお好みのスピードは如何に?と巻きだすとグーと重くなる。あれっ根掛りかと思ったが、カツンカツンと生命感を感じる。まさかの1投目の1巻目でヒット。
アワセてはダメ
この釣りはアワセてはだめだ。これは出船前にくどいほど船長に教え込まれる。我慢して巻き続けているとグーと穂先が入ってドラグが滑った。
ドラグは緩めのまま
カツンカツンと首を振るたびに弱めのドラグ設定なのでラインがでる。ドラグを締めたくなるがグッと我慢してやり取りを楽しみ、ハリスを手繰り寄せる。
40cm級マダイ登場
その途中にも何度もカツカツと首を振られる度にバレるのではとドキドキしつつ浮かせてみればピンクの魚体。船長の差し出すタモに導いてキャッチ。40cmほどの食べごろマダイをあっさりと仕留めた。
まさかのマダイ連発!
畑中丸では、魚の処理は船長任せ。針を外してエア抜きして生簀に放り込まれるまで、写真を撮る隙もない。このまま(仕掛けを)下してと言われたので、投下して着底。巻きだすとカツンカツン……。嘘やろ!?ほとんど巻くこともないままに2匹目がヒット。ドキドキタイムを経て同サイズをキャッチ。

3投目はダブル!
流石にポイントを外れたので、流し直した3投目。着底して巻きだすとカツカツ……。
78cmメジロが浮上!
3流目はカツカツだけで針掛りはしなかったが、他の2人はマダイをキャッチしていた。4流目、着底から少し巻き上げるとグーと穂先が入る。んっ!?アタリかと思ったが、カツカツとしたマダイの手応えはないままにドラグ音が響きラインを取られた。こりゃ青物だ。
止まってからファイト開始。素直に15mまで浮かせられたが、嫌がって走る。これの繰り返しで浮いてこない。徐々にドラグを締めながら応戦。船長に確認すると幹糸は4号だが、枝スは3号にグレ針6号とのこと。
無理はできないが、同船者が仕掛けを上げてくれたので引きを楽しむ余裕もあった。ハリスを持ってからも締めこんでドキドキさせてくれたのは78cmメジロ。良く肥えて旨そう!
アタリ止まった理由は?
こりゃどれだけ釣れるのだろうと要らぬ心配をしたのが海の神様に知られたのか?ピタッとアタリが止まった。他の2人はポツポツと当たってマダイやハマチ、サワラが上がったが、私にはアタリがない。
回収した仕掛けを見るとメジロとのファイトで仕掛けがヨレヨレである。おそらく枝スが潮に乗ってないので食ってこないのだろう。ハリスを伸ばしてヨレを取ってやると当たったが、針掛りしなかった。マダイらしきアタリをバラしたままで潮が変わってポイント移動を余儀なくされた。
潮待ちでのんびりタイム
次に行ったポイントは水深50m程だったが、何のアタリもない。そのままランガン。船長によると潮待ちなので、のんびりタイムだそうだ。小腹がすいたのでアンパンをかじってコーヒーを嗜む午前8時。

アタリに差も
食わないとやることがないので、ピンクのビニールをブルーにしたりホワイトにしたり……。私にはアタリは無かったが、忘れたころにトモの常連さんはマダイをキャッチしていた。流れ方なのか、巻きスピードなのか?ビニールを巻くだけのシンプルな釣りなだけに何かしらのコツがあるのだろう。
アジにサバがヒット
友が島に近づいたり離れたり、前後左右とポイントをランガンしているとボトムに反応あり。船長によるとアジらしく、春と違ってこの時期は小さいとのこと。背中合わせのアングラーが20cmほどのマアジに続きマルアジもキャッチ。私にもプルプルと食ってきたが、残り5mでフックオフ……。口切れである。
30cm級マルアジ手中
直ぐに落とし直すとキューと乗ってきた。少し強い引きだが、マダイの引きではない。ドラグを緩めジリジリとラインを出しながら仕留めたのは30cmほどのマルアジ。背中合わせのアングラーは、サバまで仕留めたので、マダイ、ハマチ、サワラとで六目釣り。これがビニールで釣れるのだから、不思議な釣りだ。
時合い到来
加太の釣りは、まだ2回目。正直、潮など全くわからない。もちろんポイントも不明だが、その辺りは加太の海、潮を知り尽くす船長にお任せ。
船長が、ぼちぼちなんやけど機嫌悪いなーとか言っているとトモでロッドが曲がる。節のあるマダイの引きだ。
背中合わせのアングラーもマダイも仕留めた。なんかパターンがあるのだろうけど、分からん!
デッドスローでマダイヒット
できる工夫といえば、巻くスピードとタナを変えることぐらいだろうか。少し早く巻いたり、ことさらゆっくり巻いたり……。デッドスローで巻いていた時にコツコツと来たのを我慢して巻き続けると穂先を持ち込む。少し巻きスピードを上げてしっかりと針掛りさせて42cmをキャッチ。次の流しでもアタリがあって35cmを連発。
潮がなくなれば引き際
これからラストスパートだと思ったが、船長からは次の流しでアタリがなければ帰りましょうと。いやいやまだまだ当たるでしょうと思ったが、ピリッともしない。
船長は、もう少し早く釣れだすと思っていたそうだが、食いだしが遅かった分、昼の時合いは一瞬でした。恐るべし、加太の漁師。私はマダイ6匹とメジロ1匹、マルアジ1匹。十分な釣果に大満足で、当分の晩酌で美味い魚が楽しめそうです。

今後の展望
マダイは通年狙えます。この時期でもほんのりと脂がのったマダイは絶品。水温が落ちるにしたがって、ますます美味しくなります。アジやサバも型の良いのが狙えるようになるそうですよ。加太のブランドマダイを狙って、高仕掛けはいかがでしょうか。
<田中耕二/TSURINEWSライター>