ルアーを投げたこともなければ、ロッドもリールも触ったこともない人に釣りを教えることに。あなたならどう教える?今回は釣り仲間が増えるかもしれない、そんな機会に巡り合ったら個人的にぜひとも大事にしていただきたい内容を紹介したいと思う。

読者の皆様にも初めて魚を釣った時の気持ちを思い出してもらえたら幸いである。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小林卓)

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釣りデビューにエリアトラウト

エリアトラウト、いわゆる「管理釣り場」と言われるルアー・フライの釣り堀は釣りを教えるのにベストなジャンルだ。フックもシングルバーブレス(かえしのない針)が主であり、もしもの時のリスクも軽減される。

子供たちと釣行

今回は筆者の長男(ルアー経験者)と甥っ子(ルアー完全未経験者)を連れて、茨城県の高萩ふれあいの里フィッシングエリアにお邪魔した。訪ねた時は8月であるが、これからの時期、各地の管理釣り場がオープンになるため、参考にしていただけたら嬉しい限りである。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
高萩ふれあいの里フィッシングエリア(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

ルールの説明はとても大事!

タックル準備をして、チケットを購入。準備は説明を交えつつ、こちらで行った。いきなりの未経験にラインのむずび方は難易度が高いため、数回の釣行経験を重ねてから徐々に覚えてもらう方が望ましい。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
受付でルール確認(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

ルールの説明はしっかりと行おう。これはお邪魔した管理釣り場へ迷惑をかけないようにするのはもちろん、他アングラーへの配慮もある。実は釣りを教えていくうえで、一番大切なことなのだ。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
ニジマスが放流されているポンド(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

使用タックル

タックルデータその1
ロッド:フエルコ FF500-5S
リール:ダイワ 18カルディアLT2000S-H
ライン:ヤマトヨテグス ファメル トラウトサイトver. 3lb
リーダー:ヤマトヨテグス ファメル フロロショックリーダー 4lb
ルアー:ヤリエ TクランカップJr. フローティング

タックルデータその2
ロッド:ヤリエ フォルゴーレ FG-623UL
リール:ダイワ 19バリスティックLT2000SS-P
ライン:ヤマトヨテグス ファメル フロロフラッシュレイズ 2lb
リーダー:ヤマトヨテグス ファメル フロロショックリーダー 4lb
ルアー:ヤリエ TクランカップJr. フローティング

ロッドに触ってもらう

キャストする前に、ロッドを振ってもらおう。ルアーの重さでロッドがしなる感触を掴んでもらうのが目的だ。

しなりが掴めたら、スピニングリールの構造の説明をしてラインを指から話すタイミングをレクチャー。

投げる時は8割の力で

ここで大事なのは「キャストは全力ではなく、8割程度の力で投げる」ということ。力んで遠くにキャストしようとするより、精度が出やすくなる。

使いたいルアーを選んでもらう

数あるルアーを見せて、好きなものを選んでもらう。ここで大切なのは「これが釣れるよ!」と言って誘導するのではなく、本人が興味を持ったルアーを選んでもらうこと。どんな動きをするのか、魚は追ってくるのか、ここではまだ釣果を求めなくて良い。自由にルアーを選んでもらおう。

トラブルは当たり前

甥っ子はホントに釣りがはじめてなため、ルアー交換やトラブルは当然、筆者が対応。はじめてのキャストからリールを巻き、ルアーを操作する。巻きスピードやロッド操作でルアーがどのようにアクションするのか、はじめての人からすればこれだけでも新鮮で楽しいものなのだ。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
トラブルを乗り越えて釣りを覚える(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

魚の反応を観察

フィールドにもよるが、エリアトラウトはサイトでの釣りが可能。魚が泳いでいる近くにてルアーを動かすと反応するのか? 最初にルアーを動かしてもらったことを思い出してもらいながら、魚を狙ってもらう

教える側も実釣開始

この時に筆者も横で釣りをして、反応が良いルアーやカラー、レンジをある程度把握しておく。どうしたら釣れるのか? という質問があった時に備えるためだ。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
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どんなルアーが効果的か知っておく(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

基本は見守る

この日は全体的にタフコンディションで慣れたアングラーでも苦戦を強いられる状況であったが、序盤でレンジやカラーをある程度把握することができた筆者。答えは見つけているが、安易に教えることを筆者は良しと考えていない。

色々と自分で試して考え、そしてヒットに繋がることでその魚に価値が生まれるからだ。甥っ子から質問(ルアーアクションやレンジなど)があれば答えるが、見守りに徹した。

試行錯誤させよう

クランクベイトの巻きスピードを速くしたり、遅くしたり。カラーは派手なものから地味なものを。筆者の釣果を横で見て、質問して、試行錯誤する甥っ子。この試行錯誤こそ難解なパズルを解いていくようなルアーフィッシングの楽しさの醍醐味である。

様々な組み合わせから「表層直下のレンジでスローリトリーブ、カラーはクリア系などの地味カラー」という正解に気付きはじめる。

人生初ヒットのサポートは万全に

歓喜の瞬間はすぐそこまで。ついにヒットにつなげた甥っ子。人生初のヒットなため、バラしは絶対に避けたい。すぐにサポートが入り、長男がネットを構える。

落ち着いてリールを巻くようにアドバイスをしつつ見守り、最後の最後でまさかのフックアウト。しかし同時に長男がランディングネットでキャッチするというファインプレー! 絵にかいたようなドラマチックな甥っ子にとってのファーストキャッチとなった。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
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甥っ子がニジマスをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

釣りは体験の積み重ね

釣りは体験の積み重ねであり、前述したように、特にルアーフィッシングは考えて魚を釣ることが醍醐味だ。自分で考えてトライ&エラーを繰り返し、ゴールにたどり着く。

釣果も大切な経験であるが、釣れなくても良い。次に釣れるようにどうすれば良いかを考えて、チャレンジしたいという気持ちを育むように釣りを教えることが大切なのだ。

楽しさを伝えよう!

釣りを教える際に釣果をもたらしたいのか、釣りの楽しさを味わってもらいたいのか、今一度振り返ろう。この記事の読者の中にも、ルアーを投げて動かしているだけで楽しかったことがあるはずだ。

釣れた魚はレギュレーションの範囲内で持ち帰り、その日の夕食を彩った。

「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
「口の出し過ぎに要注意!」未経験者にルアー釣りを教える際の極意とは?
持ち帰ったニジマス(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

<小林卓/TSURINEWSライター>

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