二十四節季「処暑(暑さも収まるころの意、今年は8月23日)」が過ぎても暑さは一向に退く気配を見せない。野の草花に露置くころと言われる「白露」を翌日に控えた9月6日、2カ月半ぶりに愛知県常滑市の海釣り施設・りんくう常滑釣り護岸へキスを狙って出かけた。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・大田豊明)

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りんくう釣り護岸でちょい投げ釣り

気象観測データの記録を塗り替える酷暑が続いている。伊勢湾の表面水温は高いところで30度超えも珍しくない。海水温が高くなると海水の上下循環運動が停滞し、海中は貧酸素状態になる。場合によっては「青潮」も発生する。

産卵のために浅い砂浜へやってくるキスも、顔を見せるのは早朝の数時間だけ。あとは水温と酸素量の安定した水深のある深場へ移動するようだ。船からのキスは釣れるが、砂浜からの投げのキスは釣りにくいという現象も起こっている。

旧暦7月15日の満月の大潮という、投げ釣りには最高の潮回りを選んだ。キスは多産系で、産卵期のメスは2日に1度浅い砂浜に来て産卵すると言われ、6月~10月の1シーズンで1匹のメスが産卵する数は100万粒とも聞く。

ファミリーとレジャー釣行

駒ケ根市の小松原忍さんの車に乗せてもらい、りんくうに到着したのは午前8時前。今日のメンバーは一宮市の小島識名さんファミリー4人、清須市の石黒伸さんと合わせて7人だ。小島家の小学生いさとさん、ときあさんに会うのも久しぶり。夏休みを挟んでたくましく成長していた。

最高気温33度の予報の下、熱中症に注意しながらポイントを選ぶ。

今日の満潮は午前4時40分、干潮は11時10分で、引きの潮を釣ることになる。前日降った雨の影響はまだ少なく、海の濁りも気にならなかった。

午前8時すぎ、それぞれが思い思いの場所から投げ釣りでキスを狙う。私のタックルは、サオがダイワキャスティズム並継オモリ負荷27号×3.85m。リールはシマノサーフリーダー30、ミチイトがゴーセンPEライン0.8号200m、その先にチカライトPEライン1~6号を結んでいる。オモリは海草固定テンビン23号を使用する。

仕掛けは、ミキイトはフロロカーボンライン2号、ハリスはホンテロン1号、ハリはささめアスリートキス6号×4本。エサは海の濁りを考えてアオイソメをチョイスした。

本命&良型コノシロ登場

約100m沖へ投入し、ゆっくりさびいてキスを誘う。70m前後でキスとは違う小刻みなアタリが出る。マダイだ。秋のこのころからマダイの小型魚が頻繁にアタってくる。少し離れた小松原さんは、今日最初の良型キスを4匹掛けた。

「ファミリーで思い出づくり!」ちょい投げ釣りで良型キス連発【愛知・りんくう常滑釣り護岸】
「ファミリーで思い出づくり!」ちょい投げ釣りで良型キス連発【愛知・りんくう常滑釣り護岸】
キス4連でヒット(提供:週刊つりニュース中部版APC・大田豊明)

釣れる魚種は良型のキス、小型のハゼ、小さなマダイの3種で、アタリは頻繁にあるもののキスの群れは小さく、1つの群れが通り過ぎるとしばらくは釣れなかった。

午前11時すぎに潮止まりを迎え、アタリも遠のいた。この時間を利用して小島パパにイトとイトの結び方、投げ釣り4本バリ仕掛け作り、仕掛け巻きの取り扱いなど即席の釣り教室を開いた。

潮が動きだした昼すぎ、小島ときあさんが重そうにリールを巻いている。浮いてきたのはセイゴと思われる良型の魚。手前の石積み護岸があるので小松原さんが助けに入った。護岸に上がったのは、ここでは初めての大きなコノシロとキス。コノシロはりんくうで初めて見たが、こんなに大きい魚体も珍しい。メジャーで計測するとジャスト30cmあった。

良い潮を狙おう

その後、暑さが増して午後2時に納竿とした。実質4時間の投げ釣りだったが、久しぶりの好釣果だと言えよう。特に本命のキスは型ぞろいで大いに満足した。

「ファミリーで思い出づくり!」ちょい投げ釣りで良型キス連発【愛知・りんくう常滑釣り護岸】
「ファミリーで思い出づくり!」ちょい投げ釣りで良型キス連発【愛知・りんくう常滑釣り護岸】
良型ダブルヒット(提供:週刊つりニュース中部版APC・大田豊明)

これから海水温が落ち着けばさらに釣果は増すだろう。釣りには「一に潮、二にエサ、三に腕」という言い伝えがある。特に投げ釣りは大潮か次の中潮を選んで釣行すると結果が期待できる。今年は暑さが続いているので、10月まで釣れ続くと予想する。潮を見て、天候を見て出かけよう。

<週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年10月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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