神奈川県の観光地・箱根にある芦ノ湖で、今シーズンもワカサギ釣りが本格化。7月から釣れ始め、秋にかけてはサイズもアップ。

湖北の湖尻湾や箱根湾、元箱根湾などで数釣りが楽しめる。湖の周囲には温泉や食事処も点在し、釣りのあとは黒たまごや自然薯料理、湯葉丼などご当地グルメも堪能できる。秋の芦ノ湖は、釣りと観光を同時に楽しめる人気スポットだ。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

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釣り場としての芦ノ湖

日本における一大観光地と言えば、神奈川県の箱根ではないだろうか。首都圏から安近短の場所に位置し、温泉あり、史跡・名所あり、美術館・博物館あり、山の幸・海の幸の飲食店もある。正月には箱根駅伝が開催され、知名度は抜群の土地柄だ。この箱根町の中央に位置するのが芦ノ湖である。

日本におけるブラックバス釣り発祥の地であり、関東でトラウトゲームと言えば、日光の中禅寺湖と双璧を成す。ニジマス、ブラウントラウト、サクラマス、イワナ、ヒメマスと生息するマス類は多く、ウグイやナマズ、ウナギなどもいる。

「深場が狙い目!」芦ノ湖ワカサギ釣りガイド【神奈川】温泉&グルメも楽しめる人気フィールド
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コベリの浜沖の様子(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

芦ノ湖のワカサギ

その弱肉強食のピラミッドの底辺に位置するのがワカサギだ。だが「公魚」と書かれるように、芦ノ湖では、刺し網漁が始まる10月1日の初漁のワカサギは、箱根神社に奉納され、宮内庁に献上される。

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芦ノ湖のワカサギ(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

ワカサギのシーズン

同湖のワカサギ釣りは、例年なら7月上旬から始まる。同湖のワカサギの産卵期は2~5月で、1カ月ほどの期間を経て釣れるようになる。6月下旬から7月上旬に釣れるワカサギは二歳魚、三歳魚が多く平均8~12mcと大きく、8月に入ると当歳魚が交じるようになる。

釣れる場所は例年決まっており、湖北の湖尻湾から始まり、湖央の箱根園、お盆を過ぎると箱根湾、犬の墓、白浜、9月下旬から10月上旬には元箱根湾でも釣れるようになる。

そのほか、立石湾、コベリの浜沖などでも釣れる。いずれも砂地底の釣り場だ。

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芦ノ湖釣り場略図(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

シーズン初期は小型中心

6月下旬ごろから釣れ始めるので、同湖は夏ワカサギが魅力の1つだが、今年は釣れ始めたのは7月下旬からで、型も4~6gと2gにも満たない個体が多かった。二歳魚、三歳魚の良型、大型は1割以下の釣況だ。それでも、竿頭は700~800尾と数は出ている。

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芦ノ湖のワカサギ釣りは湖尻から始まる(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

秋になるとサイズアップ

9月に入りワカサギも育ってきており、私が釣行した9月上旬には1尾当たり2㌘を超えてきた。それでも、例年の平均6gにはほど遠いのが今年の釣況だ。

また、朝の釣果に対して、時間の経過とともに徐々に釣れなくなり、午後の釣果が著しくないのも今年の傾向。8月下旬に釣行した際には午前400尾に対して、午後は80尾だった。

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昨秋の3時間での釣果(304尾)(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

肉食魚の活性で釣果が変わる

ブラックバスやマスなどのフッシュイーターが多い同湖では、それらの活性も釣れるかどうかの大きな要因となる。

ワカサギ釣りをしながらムーチングをする人がいるが、マス類が寄るとワカサギの群れを散らすことになる。特に、9月下旬から10月上旬のインレット付近ではヒメマスが掛かりやすい。トラブルの元となるので止めたほうがいい。

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元箱根湾内の様子(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

ワカサギ釣りのエサや仕掛け

芦ノ湖のワカサギ釣りの盛期は9月から12月で、7月から9月までは空バリで釣れるが、それ以降はサシや赤虫などのエサを使用する。

ハリは釣れるワカサギに合わせて、袖バリの1.5~3号の7本仕掛けから10本仕掛けが取り回しがしやすい。枝スは釣れている時は1.5cm、食い渋る時は2.5cmを使用し、枝スの間隔は群れの大きさにより10、12、15cmを使い分ける。

芦ノ湖はタナが深い

ボート店では引き船してくれることが多いが、自分で釣り場を探すなら魚探を見ながら群れを探すことになる。初期の7~8月は水深10~15m、9~10月は15~20m、11月以降は20~25mと季節が進むにつれて群れが深場へと移動する。

また、「ディープワカサギ」と呼ばれる水深25m前後の深場を中心に、大型専門で狙う人もいる。例年なら、10~13cmと型がいいのが特徴だ。

このように、芦ノ湖ではワカサギのタナが深い。このため、ほかの仕掛けと絡まないようにオモリは3~5号を使用する。そのため、タックルもそれに見合ったものを用意しよう。

マス類が食ってくることが多いので、電動リールよりは1.5m程度のリール竿がおすすめだ。

「深場が狙い目!」芦ノ湖ワカサギ釣りガイド【神奈川】温泉&グルメも楽しめる人気フィールド
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条件が良ければ多点掛けも(提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

芦ノ湖は周辺施設も充実

芦ノ湖では、温泉、史跡・名勝、食事など アフターフィッシングも充実している。ワカサギ釣りのあとは温泉に入り、食事をして帰路に就くのもいい。芦ノ湖周辺には多くの露天風呂、岩風呂がある。日帰り入浴できるところも多いので、寄り道してはどうだろうか。

入浴後は食事だ。

箱根といえば大涌谷の黒たまごだが、しっかりと食事がしたいなら自然薯、餃子センター、湯葉丼がおすすめ。

自然薯は俗に言うとろろご飯で、仙石原、強羅、湯本に10軒ほどの店がある、店によって味付けが異なるが、風味の強い天然の自然薯は美味い。

餃子センターは強羅にある。定番の焼き餃子から変わり種の手羽先餃子まで20種以上の餃子が迎えてくれる。

湯葉丼は、湯本にある豆腐料理の専門店・湯葉丼 直吉。湯葉丼、湯葉刺し、姫とうふ、豆乳がセットの湯葉丼ご膳がお勧めで、疲れた体にあっさりした味がいい。

<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年10月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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