茨城県常陸太田市にある粟原の溜池では、ジャミと戯れながら本命を拾う野釣りの王道スタイルが楽しめる。足場がよく手軽に楽しめるのもうれしい限りだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュースAPC・中村直樹)
粟原の溜池の概況
鮎釣りで有名な久慈川の旧河川を利用した市営釣り場。池の中央を走る道路を挟み、東西の2面の池で構成される。
元々足場のいい釣り場だったが東日本大震災後の護岸工事でさらに改良され、場所によっては万力を取り付けるスノコさえあれば入釣が可能。漁協からの定期放流で魚影が濃く、手軽に狙えるとあって連日のように多くの釣り人が並んでいる。

アベレージサイズは8寸級だがまれに40cm超の地ベラも交じる。エサ慣れした魚が多く豊富なジャミもウキを動かすので、一筋縄ではいかない。
現況は夏場に比べてジャミが静かになり短時間でのツ抜けも可能。参考までに9月21日に開催された日研いわき支部の月例会では優勝が15.6kg、2位が14.4kgと好釣果が出ている。

周辺はロケーションがよく『常陸秋そば』の名産地としても有名。ドライブ釣行にもお勧め。
ポイント
中央を走る道路下の土管を通じて水が繋がり魚の往来もある。両池とも数型が狙えポイントの甲乙は付け難い。

東池・エン堤
東日本大震災後に整備されたポイントで、水平護岸で足場がよく釣り座の背後が大駐車場になっている。年間を通して釣り人が並ぶ人気ポイント。そのため多くの魚が居着いておりアタリ出しが早い。水深は平均して1本半。竿は空いていれば9尺前後。並んだら11~13尺。
東池・道路下
北西の風を背負えるので秋~冬に人気のポイント。南寄りの風となる暖期は狙う人が少なく魚も薄い。水深は1本強~1本半。竿は10~15尺。
西池・エン堤
水平護岸で足場がよく、釣り座の背後が駐車場になっている。入釣しやすいがムラがあるので狙う人は少なめ。水深は1本~1本半。竿は8~13尺。
西池・畑前
減水期になると足場が増え北西風を背負えるので秋~冬に人気のポイント。奥の竹ヤブ付近が、同池の最深部になっている。釣り台持参のうえ駐車場から歩くことになるが、魚の着きは抜群で例会優勝者がたびたび出ている。水深は1本強~2本。竿は9~15尺。手前に根掛かりがあるので底釣りなら13尺以上。
西池・道路下
満水時に人気で釣り座の背後に駐車でき足場も良好。逆に減水すると釣り座と水面が離れてしまい釣りづらい。水深は1本強~2本弱。竿は7~13尺。
西池・南岸
釣り座の背後に大駐車場があり、簡易式トイレが併設されている。釣り台持参となり人気は薄いが、好んで入る常連も少なくない。静かに楽しむならここだろう。水深は1本~1本半。竿は11~15尺。
釣り方とエサ
ジャミが多いので本格的な冷え込み前は宙底釣りとも両ダンゴが主体。

道糸1~1.2号。ハリス0.5~0.6号。ハリはダンゴ鈎かバラサ4~6号。下ハリスの長さは40cm以下。ウキは通常よりも番手を上げて上層部に溜まるジャミの層を一気に突破させよう。
宙釣り
タナは50cm~1本強。日並みで変わるので10cm程度ずつエレベーターさせ反応がいいタナを探ろう。エサはジャミに負けないようしっかりと持つタイプ。カクシン、カルネバ、GD、ガッテンなどをベースに、バラケマッハ、凄麩、コウテンなどで開きを調整する。ダンゴが決まらない場合はトロ掛けセットがお勧め。ダンゴタッチの開かないバラケでハリスは上8~10cm下は12~17cm。
底釣り
マブナが多いがジャミが少なく釣りやすい。年間を通して底釣りで攻める常連もいるほど。
<週刊へらニュースAPC・中村直樹/TSURINEWS編>
粟原の溜池この記事は『週刊へらニュース』2025年10月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。