男もすなるLSJといふものを女もしてみんとてするなり。――しかし、実際に挑戦しようとすると「専用タックルは重いのでは?」という疑問を持つ女性も多いかもしれない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
女性の支持も高い「LSJ」
ライトショアジギングは、軽量なメタルジグを用いて手軽に青物を狙う釣りであり、近年女性アングラーの参加も増えている。港湾や堤防などアクセスしやすい場所がメインフィールドであるため、気軽に楽しめる点が女性の支持を得ているようだ。

実際、釣り場でよく見かけるのは女性のエギングアングラーだが、同時に、どうもジグをジャーキングしているらしい見かける機会も多くなった。SLSJといったところか。LSJは性別を問わず楽しめる釣りであるのは間違いない。
専用タックルのすすめ
女性にとって気になるのが専用タックルの重さである。LSJ専用ロッドやリールは、一般的なエギングロッドよりもやや重めのものが多い。ロッドで200g、リールで250g、ジグで50g、単純計算して実に片手に300gの釣りである。しかし、操作してみると意外に軽量だったりもする。
専用タックルは、メタルジグのキャストやジャーキングの際に発生する負荷を分散し、操作性とパワーのバランスをとるために設計されている。特にロッドはグリップが脇に挟みやすい長さや硬さに調整されており、腕力に自信がない女性でも扱いやすく工夫されているのだ。

また、専用タックルは耐久性も高く、繰り返しのジャークや重たい魚を掛けた際や、長時間の釣行でも疲れにくい設計となっている。つまり、重さは必ずしもデメリットではなく、疲労軽減や釣果向上に繋がるメリットがある。
流用タックルなら「SLSJ」
一方で、エギングロッドやシーバスロッドなどの流用タックルでLSJを試みる女性もいるが、これは推奨できない。理由は、流用タックルではグリップを脇に挟めず、ジグの重量やジャーク時の負荷に耐えられず、手首や腕に過剰な負担がかかるからだ。
特に繰り返しのジャーキングは、手首に関節にダメージを蓄積させる。場合によっては腱鞘炎などにつながるリスクもあるため、無理に流用するのは避けたい。仮に怪我をしてしまっては元も子もない。
無理に30g~60gのジグを投げるくらいならば、15g前後をメインウェイトとする「スーパーライトショアジギング(SLSJ)」のほうがいいだろう。SLSJは3~20gの軽いジグを扱うため、まさしくエギングタックルやシーバスタックルに流用適性がある。タチウオワインドのロッドを使えば、脇に挟むこともできるし、レングスも8ft前後は女性にとってはかなりラクだ。
最初はエギングタックルでもOK
それでも「まずは試してみたい」「手持ちのタックルで気軽に……」という女性も多いかもしれない。そんな場合、手始めにエギングタックルを流用してみるのは決して悪くない選択である。
エギングロッドはエギをしゃくる設計となっており、同様に5~20g程度のジグであれば、余裕で扱える。

ただし、基本はあくまで専用タックルで始めることを目標にするべきだ。エギングタックルはャスト距離や操作性に限界がある場合も多いからだ。徐々に専用ロッドに切り替えていく計画を立てよう。
女性がライトショアジギングに挑戦する際、専用タックルの重さを気にするのは自然なことだ。しかし、専用タックルは疲労軽減や操作性向上のために設計されており、実際には脇で挟む使い方もできるため、負担は想像より少ない。基本は専用タックル、さらにはSLSJ用の軽量モデルを視野に入れてほしい。
<井上海生/TSURINEWSライター>