新型iPhone 17が発売された。毎年恒例の進化と発表会に心躍らせるユーザーも多いだろう。

筆者も購入し、趣味である釣りに持ち出して、その実用性を確かめてみた。結論から言えば、画面の見やすさは確かに進化していた。しかし、写真性能や基本機能に関してはほとんど進展が見られず、買い替えを積極的に勧められる内容ではなかった。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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目新しさには欠ける?

まず、iPhone 17のスペックはA19チップを搭載し、わずかながら処理性能が向上している。だが、日常的な操作やアプリの起動においては、前モデルであるiPhone 16との体感的な差はほとんどない。

また、バッテリー駆動時間もわずかに延びたものの、大きく変わった印象は受けなかった。

「iPhone17」を持って釣りに出掛けてみた 釣りのために買い替える必要はないかも?
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新型に買い替え(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

一方で、画面性能については確かに改善されている。屋外、特に日差しの強い海辺での使用時にも、画面が見やすくなっていた。

新たに採用された「Super Retina Ultra Display」により、コントラストと輝度が向上し、偏光グラス越しでも表示が読み取りやすいのはありがたい。

カメラ性能は据え置き

iPhoneの買い替えを考えるうえで重要な判断材料となるのがカメラ性能だ。とりわけ釣りにおいては、釣果を記録するために写真撮影の質は大切である。

しかし残念ながら、iPhone 17のカメラは、前モデルとほぼ同等の性能にとどまっていた。特に昼間の屋外撮影では、差を見つけるのが難しいほどである。

夜釣りでの低照度撮影も試してみたが、ノイズ処理やシャッターの応答速度などに大きな進化は見られなかった。

AIによる自動補正も従来通りで、劇的な変化は感じられなかった。

「iPhone17」を持って釣りに出掛けてみた 釣りのために買い替える必要はないかも?
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新型ではじめて撮った魚(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

得られる情報も変わらず

釣りにスマートフォンを使う場合、潮汐情報、天候、ポイントの記録、魚種の判別などが主な用途である。これらはすべてアプリに依存する部分であり、本体性能が直接的に影響するわけではない。iPhone 17でも従来通りにアプリはスムーズに動作したが、特筆すべき新機能はなかった。

衛星通信や位置情報の精度も向上したとの触れ込みだったが、釣り場での利用においてその差異を実感することはなかった。つまり、釣り用途に限定するなら、iPhone 17で得られる情報量は旧モデルと変わらない。

水没・破損に要注意

今回の釣行では、筆者は不注意からガラスフィルムを割ってしまった。端末本体は無事だったが、ヒヤリとする瞬間であった。iPhone 17も引き続きIP68の防水防塵性能を備えているものの、水に落とせば一発で故障というリスクは依然として残っている。特に海水への落下は塩分の影響で内部腐食を招きやすく、修理費用も高額になる。

そのため、防水性能を過信して高額なiPhoneを釣りに持ち出すことは推奨できない。むしろ、防水性に特化したアクションカメラや、耐衝撃・防水仕様のスマートフォンをサブ機として使う方が理にかなっている。

「iPhone17」を持って釣りに出掛けてみた 釣りのために買い替える必要はないかも?
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急いで買い替える必要はないか(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

総評:買い替え慎重に

iPhone 17は確かに洗練され、完成度も高い製品ではある。しかし、釣りという実地の使用環境においては、旧モデルから乗り換えるほどの決定的な利点は見当たらなかった。

カメラ性能は据え置き、基本性能の進化も微小。画面の視認性が唯一の明確な向上点ではあるが、それだけのために買い替えるかどうかは悩ましいところだ。

釣行中の端末損傷リスクも考慮すれば、旧機種を引き続き使い続ける判断も十分に合理的である。iPhone 17の購入を検討している釣り愛好家には、まず自身の用途を見極めたうえで、冷静に判断することをおすすめしたい。

最後に。筆者が買い替えを決定した理由は、アップルインテリジェンスというAIの機能を試したかったことと、もうひとつ、今回から物理SIMが廃されたことにある。このへんもなるべく付いていくようにしないと、すぐに頭が古くなってしまう。

携帯電話に負けない知性を維持するため、これからも釣り具同様、新しい製品には敏感でありたいと思う。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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