ミンコタを艤装して初の出艇。噂には聞いていたが、想像以上のその効果に感激した。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・藤倉聡)
「ミンコタ」を自艇へ導入
9月上旬、愛艇「Wisteria」への ミンコタ・アイパイロット(以下ミンコタ)艤装が完了したので出艇したかったが、生憎台風の影響もありその日は中止。日を改めて9月21日(日)に釣行を計画した。
ミンコタ・アイパイロットとは
ミンコタとは、米国企業のミンコタが製造しているアイパイロット(GPS技術を利用したトローリングモータ)の通称で、様々な自動航行機能が備わっており、中でも定点保持ができるスポットロック機能の人気が高い。
その他の機能としては、設定した方向に直線的にボートが流れるアドバンスオートパイロット機能やプロペラの回転数を自動調整して対地速度の維持が可能だというクルーズコントロールなどといった、釣り人には嬉しい機能が満載だ。

コマセマダイ釣り
当日は、マリーナスタッフと一緒に沖に出てミンコタの使用方法を教わった後、一旦港に戻りスタッフを降ろしてから再度出艇の予定だったため、近場の我入道沖のヒイチ根周辺でマダイ五目狙いを行うことにした。
コマセ釣りで狙う
もちろんミンコタのスポットロック機能を使用してコマセを効かせて狙ってみたいと思っていたので、今回は一つテンヤではなく片テンビン(プラビシ使用)仕掛けにした。
釣り方はハリスが6mなので、仕掛けを一旦底まで落としたらハリス長の半分(3m)ほど巻き上げ、1回コマセを振り、タナ(底から6m)でもう一振りしてアタリを待つ作戦にした。アタリが無ければ状況次第でタナをハリス長の上下1メートル前後に変更したいと考えた。
エサ・コマセは、ともにオキアミを使用。コマセは2人で3kgを用意した。

当日の天候
9月21日(日)、朝方は予報に反してかなり風が強かったが、次第に落ち着き釣り日和になった。

ミンコタの使用方法を学ぶ
朝、静浦マリーナに到着すると強風のため、一時はボートの下架をキャンセルしたものの、風が少し止んできたので、せめてミンコタの操作方法だけでも教えてもらいたいと思い、やはり下架してもらうことにした。
8時30分、マリーナスタッフを乗せて出航。港の外側は強風とウネリがかなり強くて出航を後悔。スタッフから比較的海が落ち着いていると思われる淡島沖の方面へ向かうことを提案されたのでそちらに向かった。
しばらくするとスタッフの言う通りこちらのエリアは海も落ち着いていていたので、ミンコタのスポットロックの使用方法をレクチャーしてもらう。
モーターを下してリモコンのアンカーマークのボタンを押すだけという至ってシンプルな操作に一安心。すると当然だが、全くボートが流されないことに妻と2人で感激。
再度出艇し釣行へ
レクチャー終了後、一旦帰港しボートを桟橋に係留してタックルの準備を開始した。ウネリはまだ少しあるものの、風が弱まってきたので、9時45分にヒイチ根に向かってボートを走らせた。
早々に重量級ヒット到来!
ヒイチ根のある我入道沖には15分ほどで到着。

水深およそ38mのポイントでエンジンをニュートラルにして、先程教わった通りにスポットロックを開始。いよいよ釣り開始というときに妻はウネリで船酔いに……。しかし彼女の数投目に何かがヒット!
タナを取るのでリールを巻いている時に掛かったようだ。あまりの引きの強さに船酔いで弱っている彼女は「疲れた。もう巻けない」と言ってギブアップ。
「なんだ、根掛りか……」と思った次の瞬間、重量感のある猛烈な強い引きで、ロッドの先端が海中に突き刺さった。
48cm良型イラ!
慎重にやり取りして水中を覗き込むと赤い魚がハリに掛かっていた。はじめはマダイかと思い喜びながら、さらにリールを巻いて浮かんできた魚を改めてみると、頭が大きいので「アマダイだ」と言って妻と2人で大喜び。しかし妻が差し出すタモに収まったのは超良型の「イラ」だった。

計測すると48cmもあり、2人がかりでのファイトになってしまったが何とかバラさずにキャッチできて良かった。
マダイでもアマダイでも無かったが、ミンコタ初使用で大きな魚をキャッチできたことも、凄く嬉しかった。

その後、妻は見るからに脂が乗っていて美味そうなマサバを釣り上げる。

深場に移動でマルアジ
しかし、アタリが続かないので水深45m位のやや深場に移動することにした。ポイントに到着して再びミンコタのモーターを下げ、スポットロックをして釣りを再開。
海は多少のウネリはあるものの落ち着いた状態ではあったが、妻は船酔いが酷くなったようで釣りを休憩。それもそのはず!?筆者がミンコタのリモコンのボタンを色々と押してしまったようで、いつの間にかボートがクルクルと回転して目が回ったからだと思った。
スポットロックを正常な状態に戻して釣りを始めると、筆者は仕掛け着底と同時にフワっとした食い上げのアタリを感じたので、リールを巻き上げると水面にはマルアジが姿を現して、妻の差し出すタモにネットイン。

最終釣果
ややウネリが強くなってきたことに加えて、相変わらず妻は船酔いでグロッキー気味なため、13時に納竿してマリーナへと戻った。船外機の塩抜きを済ませてから、スタッフにミンコタのバッテリーの充電方法などを教えてもらい終了。
当日の釣果
筆者と妻(2人で):イラ1匹(48cm、1.97kg)
筆者:マルアジ1匹(32cm)
妻:マサバ1匹(40cm)
ミンコタの効果に感動
当日は釣りが楽しかったこともさることながら、ミンコタの性能が想像以上に素晴らしかったので妻と2人で感激した。実質およそ3時間の釣りだったが、ミンコタのスポットロックによりボートが流されることなく釣りに集中できたので、実感では倍近い時間釣りを楽しめた気がした。
ストレスが軽減
今まではオマツリなどして仕掛けを解いたりしている間にボートが流されてしまい、いざ釣りを再開しようとすると改めてボートを流し直さないといけないという手間があった(特にシーアンカー使用時は面倒だった)が、ミンコタのお陰でそのようストレスから解放された。
さらに、ラインも船下に流れ込むことなく釣りやすいので、釣りをしているという充実感をたっぷり味わうことができたので、ボート釣りがより楽しく感じられるようになってきた。
釣魚料理に舌鼓
当日、イラは半身を刺し身で食べたが、筆者も妻もあまり好みではなく残念だった(活け締めしなかったのが原因か!?)。
しかし後日味噌漬け(味噌+砂糖+料理酒)にして焼いて食べたら、激うま!風味こそ違うが、まるでスーパーなどで売っている「赤魚の粕漬」のようで酒のツマミにもご飯のおかずにも合い、狙って釣りたくなる程の美味さだった。
さらに、妻が釣ったマサバは味噌煮にしたが、脂が凄く乗っていて絶品だった。まだまだ暑い日が続いているが、秋から冬にかけて脂が乗るというマサバを食べながら、季節が着実に変わりつつあることを実感した。
今後のボートライフ
想像以上のミンコタの性能に妻と超感激!当日はスポットロックの機能しか使用しなかったが、いずれオートパイロットなどの機能を駆使してミンコタを120%使いこなしたいと考えている。また、我入道沖では大物をキャッチして、常に想像を絶する魚がこの地に潜んでいると考えて、これからも挑みたいと感じた。
<藤倉聡/TSURINEWSライター>