25年10月5日(日)。本栖湖で初の、レイクトラウトを対象とした大会が開催された。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・黒犬ちこり)
岸釣りタックルと釣果
沖合の深い場所にルアーを投げ込みたいので、筆者は飛距離を稼げるサーフタックルを選択した。
・ロッド:EARLY 109MMH for Surf(ヤマガブランクス)
・リール:19ストラディック 4000XG(シマノ)
・ライン:PEライン1号200m 8本編
・リーダー:ナイロン16lb 1.5m
・ルアー:30g~40gのメタルジグ
このタックルのおかげで岸から80mほどキャストでき、ボトムまでカウント50程の深場を攻めることができた。しかし釣果には結びつかず。結果的には6時間の競技中、釣果どころかアタリすらなく終了してしまった。
大会当日の状況
当日は日中汗ばむほどの陽気で水温も20℃以上と高め。風波が立つタイミングもあったが穏やかな時間が多かった。釣りをしやすい環境だったと言えるだろう。

全国から170名以上が参加
参加者は地元のロコアングラーから、遠くは岡山まで。全国から170名以上が集まっていた。中には「普段は釣りをしないけど参加してみた。」という地元の方もいらっしゃった。
釣り方は3種類
5時20分より開会式と諸注意伝達。その後、岸釣り(陸っぱり)、ボート、ホビー(足漕ぎカヤック)の発着場に各々向かい競技開始となる。競技時間は6時~12時まで。釣果は無くとも静かな本栖湖で釣りと向き合う、満足いく一時を過ごすことができた。

足漕ぎカヤックが気になる
競技中に特に気になったのが足漕ぎカヤックのホビー。人力とは思えない機動力で湖を動き回っており、岸からは届かない所を攻めていて非常に羨ましかった。
釣り人同士の交流も
競技終了後はメイン会場にて検量となる。参加者のみならず観光客も集まっており、持ち込まれる魚を見ては「大きいね」などと感想が飛び交っていた。アングラー同士の情報交換も活発で、色々な方のお話から当日のパターンや1級ポイントが分かってくるのは釣り大会の醍醐味と言えるだろう。

レイクトラウト料理に舌鼓
キッチンカーも出店しており、地場産品とレイクトラウトの料理を提供していた。筆者は富士河口湖町にある『IL BACCO bis』の『レイクトラウトのラザーニャとあけぼの大豆のフォカッチャプレート』を頂いたのだが絶品。
ラザーニャの中のレイクトラウトは濃い味でホワイトソースに負けていないのに癖が無く、美味しく頂くことができた。

厳しい大会結果に
すべての持ち込みが終了した2時半に表彰式・閉会式が行われた。
・岸釣り:4匹(2人)
・ボート&カヤック:15匹(11人)
結果は計19匹という厳しい結果。特に岸釣りは100人以上の参加者がいたものの、釣ったのはわずか2人のみという厳しさであった。

大型サイズもキャッチ
サイズは大型が多く、筆者が聞いた限りでは、80cm超・6kgというサイズが上がっていた。目算ではあるが『大きいものは15歳程度の個体ではないか』という。
釣れたレイクトラウトは山梨県水産技術センターの方で体長・体重を測り、研究に役立てるとの事だった。
岸釣り優勝者に話を聞く
岸から釣れた4匹のうち、3匹を釣り上げ見事優勝された吉田さんにお話を伺うことができた。

仲間で情報共有
栃木からお越しの吉田さんは、レイクトラウトの本場中禅寺湖で慣らしたベテランアングラー。いつも一緒に釣行されるグループで参加されており、優勝の秘訣は「グループ内で情報共有しながら釣りをしたのが良かった」との事。
ヒットルアーと釣り方
ルアーは『シーレーベル グラマー』のキャンディ/裏金カラー、それと『パズデザイン 海晴30g』が好反応。これら80m程キャストして底まで落とし、そのままトントンと底を誘ってきて釣れたと教えて下さった。
本栖湖レイクトラウトについて
地元アングラーや関係者の方々から、本栖湖レイクトラウトについて色々と教わることができた。以下はそのまとめである。
・水温12℃以上では生存が難しく、水温が低くなるにつれて浅場に移動
・岸から釣るには、水温の下がる秋以降が本番
・基本的に棚は底
・小型は群れていることが多く、大型は単独行動する傾向あり
・回遊性はそれほど高くないようだがはっきりとわかっていない
・徐々にスレてきていて、数年前ほどイージーには釣れない
・湖で生活環が完結するので根絶は困難と考えられている

イベントとしては大成功
当日は早朝の暗いうちから多くのスタッフが交通整備・運営に携わっておられた。会場や臨時駐車場の設営も完了しており、聞けば前日に雨の中で設営されたとの事。『イベントを成功させたい、楽しんでもらいたい。』という思いを感じることができた。
そのおかげで、釣りとしては厳しい展開であったが、地域振興のイベントとしては大いに賑わったのではないかと思う。
現状を知る良い機会に
段本栖湖に来ない釣り人や、釣り人以外にも現状を知ってもらえるよいきっかけになったのではないだろうか。とても難しい問題で筆者は答えを出せずにいるのだが、こういったイベントを通じて、多くの人に現状を知ってもらうことが解決につながることを祈っている。
<黒犬ちこり/TSURINEWSライター>