待ちに待った秋の到来だ。酷暑が過ぎ去り、朝晩の気温が落ち着いてくるこの季節、海の中でも大きな変化が起き始める。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
ベイトが入って魚たちが動き出す
秋のシーバスは「ベイトフィッシュパターン」が基本となる。夏の間はメタルバイブでリアクションを狙って釣ることが多かったシーバスだが、秋になると活性が底上げされ、それぞれの場所ごとに明確にベイトに着いて回遊するようになる。
港湾部や河口域、サーフでは小型のイワシ、サッパ、コノシロなどが接岸し、それを追ってシーバスが回ってくる。
この時期のルアー選びとしては、マッチ・ザ・ベイトのミノーやシンキングペンシルの出番だ。ベイトに合わせた大きさ・カラーで的確にアピールし、魚を寄せる釣り方が有効である。
ただし、水温がまだ高めの序盤戦では、メタルバイブレーションや小型のメタルジグにも反応する。足元でのリアクションバイトを狙う場面では、ボトム付近をタイトに探れるルアーも忘れずに揃えておきたい。

メタルジグで青物狙い
同じく秋に本格化するのが青物の回遊である。イナダ、サワラ、ワカシ、時にはカンパチの幼魚が堤防や磯に接岸するチャンスが増える。これらをオカッパリから狙う場合、最重要なのがメタルジグだ。
20g~50gのジグを中心に、飛距離とフォールスピードを意識して選びたい。表層を速巻きで誘うことで青物特有の高速バイトを得られるが、反応が渋いときには定番のジャーキングでの誘いも効果的だ。
加えて、この時期おすすめしたいのが「ジグサビキ」。ジグの上に小型のサビキをセットするこの仕掛けは、ベイトが小さいときに非常に強い。サビキで小型回遊魚を狙いつつ、下のジグで中~大型の青物を一発狙うという“二段構え”の釣りができる。タックルボックスに1セット入れておく価値は高い。

アオリイカも本格化
忘れてはならないのが、秋のエギングである。春の大型狙いとは異なり、秋は新子(その年に孵化した個体)が数釣れるシーズン。9月からスタートしたイカも、10月に入ると徐々にサイズアップし、引きも楽しめるようになる。
この時期におすすめなのは、2.5号~3号サイズのエギ。新子に合わせて小さめからスタートし、日を追うごとに3号へと切り替えていくのが基本となる。カラーローテーションも重要で、朝夕のマズメにはアピール系、日中や澄潮ではナチュラル系を使い分けると釣果に差が出る。

また、根掛かり対策としてシャロータイプのエギも1~2本持っておくと安心だ。
シーバス、回遊魚、アオリイカに照準を
釣り物を決め、釣具店を見て回るときには、次のようなアイテムに注目しておこう。
・シーバス用:フローティングミノー、シンペン、メタルバイブ
・青物用:20g~40gのメタルジグ、ジグサビキ仕掛け
・エギング用:2.5号~3号のエギ、シャロータイプ含む数色
もちろん、釣り場によっても差はあるが、基本的にはこれらを軸に秋のオカッパリを組み立てていけば間違いない。釣り物が一斉に動き出すこの時期、選ぶ道具ひとつで結果は大きく変わる。釣具店での買い物も、ただの準備ではなく、リアルで本格的な「釣りの一部」として楽しんでいただきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>