この日は大阪市内の自宅から少し足をのばして、垂水漁港に向かった。筆者にとってはライトゲームの腕を磨いた原点といえる場所だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
垂水漁港へアジング釣行
釣行日は9月29日。なんと3日間続けての釣りとなる。年々体力の低下を儚むようなトシだが、私もまだ釣りに関しては元気といえば元気だ。天候は晴れ、小潮周り。垂水は基本的に潮の流れが速いのでこの程度の潮の動きのほうがラクではある。
しかし、電車で須磨を過ぎて垂水へと向かっていく車窓から眺めると、わっと目に飛び込んできたのは赤潮だった。これは、ちょーっとやばいかも。プランクトン過多で発生する赤潮は、海の魚全体にアゲインストである。どうしよう。
不安を募らせながら、垂水駅で降りて釣り場へ向かった。午後5時くらい。ちょっと曇ってきている。

アンダー10との闘い
垂水にくるのは、確か直近ではタコを釣った8月の中旬以来。あのときはまだまだ暑かったが、多少そのへんの気候的条件はマシになって、釣り場も涼しかった。だが、やはり海は赤潮状態。真っ赤っかというわけではなかったが、港内の隅っこには赤潮が流れ寄せている。釣り人には苦々しい風景だ。
しかし、どうもサビキの人たちを見ると豆サイズのアジは釣れている様子である。魚はいないわけではないらしいので、私もジグ単をセットして釣りスタート。開始数投、確かにアタリはくる。だが、このじゃれつくような感じ、フグだかサバだかも怪しい。

ちょこちょこ掛けては外しを繰り返していたが、なんとか魚をキャッチすることができたのは、19時を回っていた。釣り開始から2時間。正直、結構疲れた。魚のレンジもまばらで、とにかく軽量の極小リグを漂わせるしか手段がない。これはまちがいなく、ハードモードである。
何もかも切り詰めて10尾
途中でカサゴ狙いのアングラーに話しかけられた。「難しいでしょう、アジ。僕も昨日やったんですけどね、ほとんどかからなかった。よく釣ってますね。カサゴもほぼ反応しないですよ。水温も下がり始めているし、そろそろ動いてくれないと困るんですけどね」と、やはりどうも低調な様子である。
実はカサゴの反応の悪さについては、私もこの数年、大阪湾沿岸の各地で肌で感じるところだ。おそらくコロナの時期に増えた釣り人が、小さなサイズまで持ち帰ってしまっているのではないかと思われる。
全面的にそれをやめてくださいとは言えないのだが、なるべく小さな根魚はリリースをしてほしい。根魚は成長速度が遅く、また繁殖力もそんなに強くないのだ。
さて、自分のアジングである。もうワームのサイズは1inchくらいまで切り詰めて、ジグヘッドも0.3gまで落として、少しずつ数を伸ばしていった。ツ抜けしたタイミングで上がり。いやあ、しんどい。

エギングの隅跡多し
アジのサイズは8cmくらい、まさしくアンダー10といったところだ。このサイズも近年になって釣れるようにメーカー各社もいろんな製品を出しているが、これほど辛い思いをして狙う釣り物だろうかという思いはする。それこそカサゴが動いてくれていたら、私だってそっちを優先したいのだが。
しかし、さすが垂水漁港といったところか。
<井上海生/TSURINEWSライター>