かつて我が国の代表的なイカであったスルメイカ。しかし最近はそうとは言えなくなってきています
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
「イカといえばスルメ」は過去の話
我が国で「真イカ」といえば何を指すか、その回答は地方によって大きく異なるのですが、大半の地域では「スルメイカ」を指すことが多いです。実際、スルメイカはかつて年間40万トン以上も漁獲され、日本を代表する水産物でした。
しかし1996年をピークにその水揚げは右肩下がりとなっており、2023年には1.96万トンまで落ち危機的状況に。今年は昨年と比べ1.8倍程度の水揚げがあり「豊漁」というニュースが出ていますが、過去の数値をちょっとでも調べる頭があればそのようなことを言うはずもありません。
このような状況のため、これまではスルメイカで作るのが当たり前だった「するめ」などのイカ製品が、次々と別のイカを原材料とするようになっています。そしてその殆どが「海外のイカ」を使うものになっています。
安価で美味しい「海外のイカ」
筆者は先日、突然イカの刺身を食べたくなり、スーパーの刺身コーナーに向かいました。すると狙い通り「いかそうめん」風の刺し身が売られているのを見つけ、手に取ったところ、その名前にちょっと驚くことになりました。
商品の見た目はどう見てもスルメイカのそれだったのですが、商品名は「アルゼンチンマツイカの刺身」。調べてみるとアルゼンチンマツイカはスルメイカと同じツツイカ目アカイカ科に属し、見た目や食味があまり変わらないのだそうです。
このアルゼンチンマツイカのような海外産のイカはスルメイカと比べると資源量も豊富なことが多く、加えてイカ類は冷凍によって味が落ちることがないため長距離の輸送に向いており、スルメイカの代替品として輸入されることが多くなっているようです。
唯一無二の味わいは守れるか
しかし、代替品があるから今後も日本のイカ食は安泰………かというと決してそんな事はありません。スルメイカから作られる加工品が我が国の食文化にもたらしている影響は非常に大きいからです。
特に、スルメイカでしか食べられない「肝」を使った加工品は、他のイカで作ると味が変わるといいます。近年では上記のアルゼンチンマツイカでも盛んに作られていますが、新鮮なスルメイカで作られたものとはやはり品質が違うといいます。
「安価で手軽なイカ」でなくなってしまっても、日本食において欠かせない地位にあるスルメイカ。今後も持続的に漁を行うために必要な処置はなにか、今一度漁業政策を見直す必要はあると考えます。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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