静岡県西部に位置する、浜松市と湖西市にまたがる湖「浜名湖」。今切口で外洋の遠州灘とつながり、太平洋の海水が流入する巨大な汽水湖である。

とは言え、塩分濃度の高さから汽水とは呼べるものではなく、海水と言っても過言ではない。著名なシーバスアングラーでもその難攻さにしばしば手を焼く、この特異なフィールドの楽しみ方を今回は紹介したいと思う。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小林卓)

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浜名湖のターゲット

浜名湖のルアーゲームのターゲットといえば、シーバスやチヌを思い浮かべる読者も多いはず。確かに昔より人気があり、とくにボートからのトップチヌゲームは発祥の地とされているほどだ。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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浜名湖(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

多彩に狙える

しかし実は、これら2つの魚種以外にもカサゴやセイゴ、アジ、サバやマゴチ・ヒラメなどのフラットフィッシュ、時期によってはメッキやカマス、場合によっては青物まで狙えるフィールドなのだ。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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カサゴ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)
浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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チャリコ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

また近年では黒潮大蛇行や温暖化の影響なのか、太刀魚、キジハタやクエ、真鯛(チャリコ)まで筆者は釣果を得ている。とてもルアーゲームのターゲットが多いフィールドなのだ。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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クエも釣れる(提供:TSURINEWSライター・小林卓)
浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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キジハタは2024年8月にキャッチ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

潮の流れと地形変化が攻略の鍵

海水の流入箇所が今切口しかないため、太平洋での潮位差にて流れが強い箇所が多々ある浜名湖。その流れを読むことがまず1つ目の攻略ポイントとなる。

奥浜名湖

いわゆる「奥浜名湖」と呼ばれるエリアはそこまで流れが強く発生しないものの、潮見表の時間より大幅に遅れて潮の上げ下げが発生する。この時に発生する潮目や流れに対してどのようにルアーアプローチを試みるか。

また、地形はシャローエリアが中心でボトムは牡蠣瀬やサンド、またはそこに自生するウィードをアプローチに考慮するとよい。ウェーディングで釣行する際はエイに注意しつつ、水温変化に気を配ると吉。奥浜名湖のおすすめ釣行時期は2~10月というところである。

中/表浜名湖

対して「中浜名湖」「表浜名湖」は遠州灘に近くなるため、潮の流れが速くなる。こちらも奥浜名湖と同様にボトムは牡蠣瀬やサンド、そしてゴロタが加わってくる。

もちろんウィードも健在だ。

奥浜名湖と決定的に違うのは、シャローエリア中心なのは間違いないが、地形変化が豊富だということだ。場所によってはショアからでも5mほどの水深にアプローチしないといけない。こちらのおすすめ釣行時期は10月~2月というところ。

ベイトに合わせた小型ルアーが活躍

一般的にシーバスタックルといえば、8.6フィート以上のシーバスロットに2500番以上のスピニングリール、PE1.0号にフロロリーダー20lbというのがイメージしやすいだろう。

近年では河川や干潟用に特化した長さのロッドも各メーカーより発売されているが、筆者のメインで使用するタックルは7フィートクラスのライトゲーム用ロッドである。

ベイトが小さい

ベイトのサイズが5~7cmのものが主流であるため、イナッコパターンなどの一部例外を除いて、ルアーもそのサイズ感に合わせていく。

東京湾や名古屋港エリア、他地域のフィールドで使われている、いわゆる「シーバスルアー」と呼ばれる10cm以上のミノーやシンキングペンシル、7cm以上のバイブレーションの出番が極端に少ないのだ。

シャローエリアがメイン

マッチ・ザ・ベイトの観点から使用するルアーの紹介をしたが、もう1つ理由があって、前述した〝シャローエリアが主〟ということも大きな要因。ウェイトがありすぎるとすぐに根がかりを起こしてしまうのだ。

もちろん、ビッグベイトゲームが成立する箇所もあるが、ごくごく一部なため、まずはこのルアーサイズを念頭に置いてタックルをチョイスしていただきたい。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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クロダイ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

ライトゲームロッド流用の理由

端的に言うのであれば、ズバリ感度だ。ここでいう感度に求めるものは、魚の繊細なあたりを見逃さないためということはもちろん、潮の流れ(流れる方向や強さ)やボトムの地形調査に大きく貢献してくれるためである。

そして5~7cmサイズのルアーの扱いやすさが加わり、そしてラインセッティングもそれにあわせた太さとなってくるわけだ。詳細なタックルについては、ぜひともタックルデータを参考にしていただければ幸いである。

筆者の参考タックル

・ロッド:ヤマガブランクス ブルーカレント73 All Range TZ/NANO PROFESSOR
・リール:ダイワ 21ルビアスエアリティLT2500S
・ライン①:ヤマトヨテグス ファメル PEレジンシェラー8 0.6号 12lb
・ライン②:ヤマトヨテグス ファメル PEレジンシェラー 0.8号 12lb
・リーダー①:ヤマトヨテグス ファメル フロロショックリーダー 8lb
・リーダー②:ヤマトヨテグス ファメル 耐摩耗ショックリーダー 12lb

ルアーについて

・ワーム:ヤリエ アジ爆ワーム1.2インチ、1.8インチ、2インチ
・ジグヘッド:ヤリエ メバリー速掛けジグヘッド 0.5~1.5g
・ルアー:DUO スピアヘッドリュウキバイブ、DUO テトラワークスビビ、DUO メタルガレージ プレートバイブ50-10g、サムルアーズ プロップドロップミニ

ファイトへの不安は?

シーバスやチヌなどのターゲットはショアから狙える大型魚として、ド派手でエキサイティングなファイトの光景が目に浮かぶであろう。

そんなターゲットに対して、メインラインPE 0.6~0.8号+リーダー 6~12lbで耐えることは可能なのか。ましてロッドはライトゲーム用ともあり、不安を覚える読者が大半であると思う。

走らせて獲る

この不安に関して簡単ではあるがアドバイスすると「走らせるときはしっかり走らせ、巻くときは巻く」ということだ。言葉や文章では当たり前と捉えられるだろう。

これは派手に暴れる魚に対して、ドラグを締めて強引に寄せるということではないという意味。なんなら魚がヒットするまでは緩いドラグ設定にしておき、ファイト中に様子を見ながらゆっくりと締めていくのが理想。

バイトが小さい

なぜこのような設定であるかというと、魚のバイトにやる気があって大きく出ればよいが、小さいバイトが多発する傾向があるからだ。あたりを感知してからロッドを大きくアワセを入れると間違いなく反応スピードで負けてしまい、ヒットに持ち込めない。

そこであえて緩いドラグ設定にすることにより、向こうアワセか巻きアワセで対応してからゆっくりとドラグを絞める。そうすることによってミスバイトにて生じる外がかりも徐々に刺さってフックアップとなり、バラしリスク軽減になるのだ。ファイト中は魚が走りそうならドラグを出しながら巻き上げを行い、魚の体力を奪っていく。

走らせるには走らせるが、方向と距離の計算をして主導権は決して渡さずに落ち着いてやり取りをする。ロッドは立ててしまうと高確率でエラ洗いにてバラしてしまうため、立てずにロッドは寝かすこと。注意するポイントを要所で押さえれば、しっかりと魚を獲ることができるのだ。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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シーバス(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

ワンタックルで楽しもう!

ライトゲーム用ロッドを使用することで、チヌ・シーバス以外のターゲットも視野に入り、より浜名湖の釣りが充実する。

筆者は表浜名湖で釣りをする際は、タックルを変えずに潮のタイミングを待っている時はカサゴやセイゴゲームを楽しんでいる。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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ワームにヒットしたカサゴ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

実はこの時、彼らの反応(バイトの深さや好みのルアーやワームのカラー等)はシーバスの反応とリンクすることが大いにある。

カサゴが簡単に釣れればシーバスも高活性であり、バイト発生から送り込みをしないとヒットに持ち込めない時はシーバスもシブくて難しい状況。お手軽に狙えるカサゴやセイゴであるが、大切なパロメーターになるのだ。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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セイゴ(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

読者の中でこれから浜名湖に挑戦してみようと思われる方は、ただ潮待ちをするのではなく、思う存分浜名湖を楽しんで味わってもらいたい。

浜名湖でルアー釣りを楽しむなら「ライトゲームタックル」が圧倒的にオススメな理由
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プラグで仕留めたシーバス(提供:TSURINEWSライター・小林卓)

ルールを守って安全釣行を

また最後になるが、冒頭で説明した「今切口」は大変危険なエリアであり、立ち入り禁止区域に指定されている。

残念なことに未だ多くの釣り人が釣りをしてしまっており、ほぼ毎年といっても過言ではなく、水難事故でお亡くなりになられている方がいる。決して立入禁止エリアにて釣りをせずに立ち入らないよう、切にお願いをしたい。

<小林卓/TSURINEWSライター>

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