ライトショアジギング(LSJ)では、ルアーの種類や動かし方にばかり注目が集まりがちだが、実はアシストフックの「ティンセル」にも釣果を左右するだけの役割がある。単なる飾りに見えるティンセルだが、その素材や状態によって魚の反応は大きく変わる。

ここではティンセルの秘密について迫ろう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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ティンセルの素材と特徴

まず、ティンセルに使われる主な素材には、ホログラムフィルム、フラッシャー繊維(ナイロンやポリエステル系)、夜光素材、そして時には天然の毛(フェザー)などがある。

中でも、ホログラム系ティンセルは光を反射する性能に優れ、水中でキラキラと輝いて小魚の鱗のように見えるため、非常に高い集魚効果を発揮する。

ショアジギで【フックにティンセルをつける意味】 ヨレヨレのまま使用はダメ?
ショアジギで【フックにティンセルをつける意味】 ヨレヨレのまま使用はダメ?
ティンセルをチェックしてみよう(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

ナイロン製のフラッシャーは柔らかく、水中でよりナチュラルな動きを演出できるのが特徴。一方で耐久性はやや劣る。夜光素材はマズメ時や深場、濁りの強い場面で効果的で、ジグが目立ちにくい場面でも存在感を発揮してくれる。

これらの素材は単独で使われる場合もあれば、複数を束ねてバランスよく組み合わせることで、視覚的にも動き的にもアピール力の高いフックに仕上げられている。

アシストフックの造作

市販のアシストフックを見てみると、ティンセルが付いているものと付いていないものがある。シンプルな金属フックだけのものは、プレッシャーが高い場所やスレた魚を相手にする際に効果を発揮することもあるが、多くの場合、ティンセル付きの方が集魚効果は高く、初心者から上級者まで幅広く支持されている。

特に青物やその他回遊魚狙いでは、フラッシングによるリアクションバイトを誘発しやすいため、ティンセルの有無がそのまま釣果の差に直結する。

ショアジギで【フックにティンセルをつける意味】 ヨレヨレのまま使用はダメ?
ショアジギで【フックにティンセルをつける意味】 ヨレヨレのまま使用はダメ?
魚はティンセルが大好き(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

ティンセルには明確な集魚効果がある

ティンセルのキラメキは、小魚の鱗の反射や弱ったベイトの動きを模倣している。特にスローなフォール中やジグのヒラ打ち時に、フック周りでティンセルがひらひらと揺れ、ただの金属の塊であるジグに“生命感”を与えてくれるのだ。

また、ベイトサイズが小さい状況下でも、ティンセルの細かなアピールが魚の興味を引き、ジグ本体では食わなかったターゲットに口を使わせることがある。これがティンセル付きアシストフックの最大の強みと言える。

ジグサビキでもティンセルは命

ジグサビキ仕掛けを見ても、ティンセルの重要性がよくわかる。サビキ部分に使われるティンセルやケイムラ繊維は、海中での視認性とアピール力を高め、ただのフックに比べて圧倒的にバイト数を増やしてくれる。

万が一、ティンセルがちぎれたり摩耗してしまった場合、応急処置としてワームを刺すことも可能だ。ただしワームでは光の反射や繊細な動きの再現が難しく、ティンセル本来の性能を完全にカバーするのは難しい。やはりベストな状態に保つことが望ましい。

ショアジギで【フックにティンセルをつける意味】 ヨレヨレのまま使用はダメ?
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ジグサビキもティンセルやハゲ皮がほしい(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

ティンセルが枯れたら交換推奨

ティンセルは魚の歯や岩との接触、紫外線などで徐々に劣化していく。色褪せ、ちぎれ、縮れが見られるようになったら、それは“枯れた”状態だ。こうなると集魚効果は大きく低下し、むしろフックの存在感だけが目立ってしまい、魚に警戒心を与える原因にもなり得る。

アシストフック自体の針先も、数回の釣行で鈍ってしまうことがある。フックポイントやティンセルの状態を確認し、少しでも違和感があれば、ためらわずに交換しよう。釣具としては比較的安価な部類であり、ケチって大物を逃すリスクは負うべきではない。

アシストフックのティンセルは、見た目以上に釣果へ貢献するパーツである。素材の違い、水中での演出、劣化への対処――これらを理解し、適切にメンテナンスすることで、LSJにおける「あと一匹」に近づくことができるだろう。

細部に神は宿る。ティンセルにも魂を込めたい。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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