ライトショアジギング(LSJ)を朝マヅメに行う際、単にメタルジグを遠投して巻くだけでは釣果を伸ばすことは難しい。朝マヅメは魚の活性が最も高まるゴールデンタイムであり、この短時間でいかに効率的に立ち回るかが釣果を左右する。

この記事では、超実践的な朝マヅメの立ち回り例を紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)

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ジグを放るだけでは釣れない

まず知っておくべきは、「とりあえずジグを投げて巻いておけば釣れる」という考え方では、朝マヅメのポテンシャルを活かしきれないということだ。魚の動きや水中の変化に応じて、攻め方を変える必要がある。

時間帯によって水中の様子は大きく変わる。魚の活性やレンジ(泳層)も刻一刻と変化するため、それに合わせて釣り方を調整することが求められる。

朝一番は表層の青物を狙う

朝マヅメが始まって空がうっすらと明るくなり始めるタイミング──この時間帯は表層に青物が浮いてくるチャンスだ。まだ人の気配が少なく、プレッシャーのかかっていない魚たちが岸近くのベイトを追い回していることも多い。

ここではメタルジグの早巻きが有効だ。着水後すぐに巻き始め、表層~中層をテンポよく引いてくる。ショアジギング専用のペンシルジグやスリムタイプのジグなど、飛距離が出て、素早く巻けるルアーが活躍する。

この時間帯は1匹との出会いが大物につながる可能性も高い。ブリ、ワラサ、サゴシ、カンパチといったフィッシュイーターがヒットすることもあるため、ドラグ調整やフックの強度には注意したい。

「青物狙いLSJは朝マヅメが超重要!」日中にかけて釣り方はどう変わってくる?
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まずは表層の魚をチェック(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

光量が増してきたら

太陽が顔を出し、海面の様子がはっきり見えるようになってきたら、魚の活性も変化してくる。表層にいた魚が沈み、ボトム付近で捕食行動を取る魚も増えてくる時間帯だ。

ここからはボトムからの誘い上げに切り替える。

ジグをしっかり着底させ、そこからジャークで中層~表層まで探るようなアクションを加えるのが基本である。ワンピッチジャーク、リフト&フォールなど、状況に合わせた誘いで、沈んだ魚を中層へと引き上げるイメージで動かしていく。

このタイミングでは、根魚や底物、または中層でベイトを追っている青物が反応してくることもある。タナを意識しながら、しっかりと層を刻んでいくことが釣果につながる。

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根魚も現れるかも(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

完全に明るくなったら

太陽が完全に昇りきり、海全体が明るくなってくると、朝マヅメのゴールデンタイムも終盤に入る。青物の回遊も落ち着き、表層・中層ともに反応が乏しくなってくることが多い。

この時間帯は、ジグサビキで小物を狙う戦術にシフトするのが効果的だ。

ジグサビキとは、小型のメタルジグの上に数本のサビキ針がついた仕掛けで、アジ・サバ・イワシなどの小型回遊魚を一度に複数匹狙える優れものだ。

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ジグサビキでフィニッシュ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

潮が効いているタイミングであれば、群れが回ってくる可能性も高く、短時間で数釣りが楽しめる。ときには思わぬ大物(サバの大群や良型アジなど)が混じることもあり、朝マヅメの締めとしては最適だ。

また、ジグサビキで釣った小魚をエサにして泳がせ釣りに移行するという方法もある。朝マヅメ後の展開にもつながる、有効な一手である。

朝マヅメはただジグを投げて巻いているだけでは、十分な成果を得られない。

時間帯による魚の動きを予測し、それに応じてアプローチを変えることが、釣果アップの鍵となる。

朝マヅメの立ち回り方

朝マヅメの基本的な立ち回りは以下の通りだ。

1)薄暗い時間帯:表層の青物を早巻きで狙う
2)光量が増したら:ボトムから誘い上げて沈んだ魚を狙う
3)完全に明るくなったら:ジグサビキで小型回遊魚にシフト

この流れを意識して釣りを展開すれば、限られた時間の中でも充実した釣果を得ることが可能となる。朝の静けさの中、戦略的に攻めるライトショアジギング──その醍醐味を、ぜひ味わってほしい。

<井上海生/TSURINEWSライター>

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