船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？ 画像（4枚）

国各地で釣り人を魅了するシマアジ。その理由は、極上の美味だけにあらず。

釣りあげることが難しい点もまた大きな理由です。今回は、シマアジ釣りの醍醐味である“ファイト”において、覚えておきたい要点を整理していきます。

（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・川添法臣）

船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定...の画像はこちら >>

“口切れ”というシマアジ釣りの宿命

シマアジ釣りの最大の難関ともいえる「口切れ」。シマアジの口には、漏斗状に伸びる“口吻”と呼ばれる部位があります。薄い膜が蛇腹状に畳まれていて、これを伸ばしてエサを海水ごと吸い込む、という仕組みになっています。

この薄膜部分にハリが掛かると、ファイト中にハリ穴が徐々に広がり、最後にはハリが外れてしまう。これが「口切れ」です。

つまり、ハリ掛かりの場所が悪ければ、長時間のファイトはリスクだらけ。本来は上アゴの硬い部分、さらにその中央にあるハリ先の入るスリットに掛けたいわけですが、これは運ではなく“イメージ”と“積み重ね”で確率を上げていくしかありません。シマアジ釣りが「人生修業」となる終わりのない課題です。

船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
シマアジは口切れしやすい（提供：TSURINEWSライター・川添法臣）

ドラグ設定という戦略

シマアジの活性によっては、ハリスを細くしないと釣果に結びつかない場面があります。太ハリスは海中で潮の抵抗を受け、ハリが吸い込まれにくくなるためです。

しかし、細いハリスでパワーのあるシマアジと戦うのは、すでに“無理ゲー”の領域。そこで必要になるのが、リールに搭載された「ドラグ」という機能です。

ほとんどの両軸リールには、ある一定の力が道糸に掛かると、スプールから糸が引き出される機能「ドラグ」があります。

ドラグチェッカーで数値を測る方法もありますが、同じ数値でも、徐々に掛かる4kgと、急激に掛かる4kgは意味が違う。あくまでドラグ値は目安であり、リールの性能・竿の調子・ラインの状態──それら全てが絡み合って適正が決まります。

船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
ドラグチェッカー（提供：TSURINEWSライター・川添法臣）

思ったより強め設定で良い

ひとつ言えるのは、シマアジ釣りでは、従来のイメージより“強め”に設定したほうが結果が出るということ。

ゆるいドラグで「ジージー」引き出されるのは簡単ですが、強く締めたドラグで“ここぞ”の瞬間だけジワッと糸を出せるのは、高性能ドラグを備えたリールだけ。頼れるドラグを求めれば、それなりの投資が必要なのもまた事実です。

大原では、ハリ掛かりしてから道糸5m引き出されたらピンチ。10m引き出されたら根や海藻に接触してフックアウトしてしまいます。

さらに、強引に寄せれば“口切れ”“ハリス切れ”“ハリを伸ばされる”……。「二律背反」という言葉の意味を突きつけられる、まさに“面白いことになっている”釣りです。だからこそ、通いたくなる魅力があるのだと思います。

船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
船シマアジ釣りの超難題「口切れ」対策の秘訣　強めのドラグ設定が重要？
伸ばされたハリ（提供：TSURINEWSライター・川添法臣）

さて次回は「大原沖シマアジ“備忘録”」を公開。

これまでのカテゴリーに書き切れなかった実釣からの覚え書きを公開予定です。

＜川添法臣／TSURINEWSライター＞

編集部おすすめ