河川の雑魚代表「オイカワ・カワムツ・ウグイ」は似たもの同士？
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似たような存在で、雑魚としてごちゃ混ぜにされてしまう「オイカワ・カワムツ・ウグイ」。地域によっては厳然と区別して扱うところもあります。

（アイキャッチ画像提供：PhotoAC）

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オイカワ・カワムツ・ウグイ

河川の中流域に棲息し、川遊びの好対象となっているオイカワ、カワムツそしてウグイ。本来はオイカワが東日本を中心に、カワムツが西日本を中心に棲息していたのですが、現在では3種とも全国の広い範囲で見られます。

河川の雑魚代表「オイカワ・カワムツ・ウグイ」は似たもの同士？
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カワムツ（提供：PhotoAC）

オイカワとカワムツは大きくても20cmを少し上回る程度の小魚です。ウグイは海に降る個体は40cmを超えますが、河川で一生を過ごす個体はやはり20cm程度まで。

棲息域や大きさに加え、食性もほとんど変わらないため、釣りをしていると混ざって釣れてくることもしばしば。子供でも簡単に顔を見られる「馴染みの雑魚」がこれらの魚なのです。

「ハエ」「ハヤ」「イダ」「アカソ」

これらの小魚は全国的に馴染みがあるせいか、地方名も多くなっています。とくによく使われているのが「ハヤ」「ハエ」です。

オイカワとカワムツは全国的にはハヤ、ハエと呼ばれることの方がむしろ多く、この手の小魚を区別せずに呼べる便利な名称となっています。

河川の雑魚代表「オイカワ・カワムツ・ウグイ」は似たもの同士？
河川の雑魚代表「オイカワ・カワムツ・ウグイ」は似たもの同士？
ウグイ（提供：PhotoAC）

ウグイも同じくハヤと呼ばれることが多いですが、繁殖期になると体色が真っ赤になることや、単体で大群をなす様子が他のハヤ類と違うことから「アカソ」や「イダ」など単体の地方名をもつ地域もあります。

美味しいのはどれ？

これらの魚は（中流域においては）いずれもさほど大きくならないことから、コイやウナギ、アユのような重要食用魚とは扱われて来ませんでした。しかし手軽に採れる魚であることから、惣菜魚とする地域は少なくなかったようです。

面白いのは、それぞれの地域で「好んで食べられる種」が変わることです。例えばオイカワは東日本の広い範囲で、冬に獲れるものを「寒バヤ」と呼び珍重する文化があります。

西日本ではカワムツがこのポジションに来ることもある一方で、高知県では「ハエ（カワムツ）なんて誰も食わんき」と言います。

河川の雑魚代表「オイカワ・カワムツ・ウグイ」は似たもの同士？
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調理されたウグイ（提供：PhotoAC）

そんな高知県ではむしろ「イダ」つまりウグイの方が食べられているそうです。ハエを食べずにイダを食べる理由について聞いてみたところ「イダは鱗が小さいきね」という返答がありましたが、関東の人間からすると正直、違いがわかりません。

個人的にはオイカワ、カワムツ、ウグイいずれも鮮度さえ良ければ味は良い魚だと思います。特に冬は美味しいので、これからの時期は狙ってでも食べたいものです。

＜脇本 哲朗／サカナ研究所＞

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