釣り人の間で何年、いや何十年も終わらない議論がある。「ロッドとリール、どちらが大事か?」という問いだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣りの二大主役ロッド&リール
まず機能面から整理したい。ロッドは投げる、操作する、感じるための道具である。ルアーを正確に送り込み、アクションを与え、わずかな違和感を手元に伝える。この点においてロッドの性能差は確かに存在する。
ロッドは3万円台まで?
特に3万円台までの価格帯は顕著だ。ブランクスの細さ、肉厚の均一さ、軽量化の完成度、ガイド数や配置の最適化、チタンフレームの採用など、上位機種になるほどスペックの積み重ねが明確になる。感度や持ち重りの軽減は誰が使っても体感でき、この価格帯までは投資の意味が非常にわかりやすい。
しかし、それ以上のロッドになると話は変わる。もちろん性能は向上しているが、その差は繊細で、使い手の技量や釣りのスタイルに依存する部分が大きくなる。「違いが分かる人には分かる」領域であり、万人にとって劇的な変化とは言い難い。
リールはハイエンドを買う価値あり?
一方、リールはどうか。リールは糸を出し、回収し、魚の力を受け止める装置である。極端な話、リールだけでも穴釣りは成立する。糸を垂らし、アタリがあれば巻き、引きはドラグでいなす。ロッドがなくても釣りは成立するが、リールがなければ成立しない釣りは多い。この事実は軽視できない。
特にハイエンドリールで顕著なのがドラグ性能の差だ。滑り出しの初動、負荷が変化した際の追従性、連続ファイト後の安定性。これらは魚とのやり取りに直結し、ラインブレイクの確率を確実に下げる。ドラグが信頼できるというだけで、ファイト中の余計な緊張は消え、釣りに集中できる。
さらに重要なのが、リールがラインメンディングの中心である点だ。巻き取りの均一さ、スプール径による回収量の違い、糸フケの処理能力、フォール中の微妙なテンションコントロール。これらはロッドの性能だけでは補えない部分であり、リールの完成度がそのまま釣りの精度に影響する。
価格面ではロッドは天井知らず
まずロッドとリールの、もともとの価格についてはどうだろうか?
ロッドに関しては、価格面では天井知らずのものともある。よほど専門性が高いロッドであれば20万円近くするものもあり、さらにロッドビルディングの世界に足を踏み入れれば、ほとんど軽自動車張りの価格がしてもおかしくない。
対してリールについては、汎用リールならば、まあ10万円が高止まりである。それ以上高いモデルがない。むろんこちらも専門性の高い沖釣りのリールなどになると倍以上に跳ね上がるが、それでもロッドほど高くはならない。
よって、価格面で天井知らずの世界を持つのは、ロッドであることも忘れてはいけない。もっとも、一般的なユーザーがそこまで高価すぎるロッドを使う必要がないのは、いうまでもないことだが。
とりあえず頂点を買ってみる?
では最終的にどうすべきか。ひとつの答えが「とりあえず頂点を買ってみる」である。ロッドもリールも最高峰クラスを使ってみる。そうすれば、道具のせいにはできなくなる。ミスも釣果も、すべて自分の責任として返ってくる。その環境で釣りを続けたとき、自分にとって何が本当に重要なのかが、はっきりと見えてくるはずだ。
ロッドとリールは両輪である。しかし主役はどちらかと問われれば、私は迷わずリールと答える。この議論が終わらないこと自体が、釣りという趣味の奥深さを物語っているのである。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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