皆さんこんにちは。海底地形がみられる釣りドコの運営をしているタカピーです。
(アイキャッチ画像提供:釣りドコ・タカピー)
磯にはどんな魚がいる?
まずは企画の説明から。海底地形は測量すれば分かるけど、そこにいる魚は分からない。しかも日本には四季があって、いつ、どの場所にどんな魚がいるかは、釣れた魚で判断するしかなく、釣れない魚の情報を得るのはほぼ不可能……。
そこで!分からないなら潜って見ればいいじゃん!ということを思いつき、数年前に家族で海水浴をした時にたくさん魚を目撃した南伊豆の磯にターゲットを絞ってモニタリングすることにしました。
潜ってモニタリング
この潜水調査は2025年の9月から始まり、秋(9~11月)、冬(12~2月)、春(3~5月)、夏(6~8月)と四季を通じて海の様子を撮影して、主に地形と魚の関係にスポットを当てて解説をしていきたいと思っています。
南伊豆でモニタリング
モニタリングサイトは伊豆半島の南端にある弓ヶ浜近くの姑岩(しゅうとめいわ)。夏に海水浴客で賑わう弓ヶ浜の東にある逢ヶ浜(おうがはま)のすぐ沖側にあり、シュノーケリングを楽しむ人も多いスポットです。
姑岩はそこまで磯釣り師に人気という訳ではないのですが、渡船で渡ることができてイシダイやメジナが釣れることで知られています。姑岩の大きさは南北120m、東西40mの細長い形で、表面は石がゴツゴツしていて底の薄い靴だと痛いくらいの荒々しい地形。
釣りドコで海底地形を確認
釣りドコの海底地形図を見てみると、雀岩との間には水深8mほどの溝状の深みがあって西側は急深な形状、南~東にかけてはハエ根が張り出した地形で、周辺には根が点在しているのが分かります。
9~11月の調査結果
それでは早速結論から。9月、10月は種数・個体数とも非常に多かったのですが、11月から激減!体感では8割減といった感じでしょうか。まとめるとこんな感じ。
正直11月の落ち込みっぷりにはびっくりしました。
9月の海の中の様子
それでは各月の様子を詳しく解説します。まずは9月から。
浅瀬の様子
浅瀬はスズメダイ、アイゴ、ニザダイなど小型の種を中心に個体数が多くとっても賑やか。シュノーケリングのベストシーズン。
浅瀬の代表格クロダイ。複数で行動していることが多く、こっちをチラチラ見ながら遠巻きに行動している。
こちらも浅瀬の代表格のボラ。数匹~数十匹の群れで行動していることが多く、表層のプランクトン?をパクパクやっている。警戒心はあまりなく、同じ場所を行ったり来たりしている。
波打ち際のサラシにはナミノハナの群れがびっしり。波に揉まれながらせわしなく泳いでいてよく疲れないものだと感心。
浅い沈み根の周辺には小メジナ、イスズミ、イサキの混群をよく見かける。フカセ師にとってはやっかいなエサ取り。
浅場の根周りにはハタンポ(の仲間)がまとわりつくように泳いでいる。「食べると美味しい」とか、「泳がせの餌にすると最高に釣れる」、「いや釣れない」とかいう噂を聞きますがどちらも未調査。
ちょっと見づらいアカカマスの群れ。水深2m未満のところに25~30cmくらいの個体が200匹くらいて、まとまったり別れたりしながら浅瀬に留まっている。表層を泳いでいるトウゴロウイワシを襲うのかと思っていたけどそんなそぶりは見せず。
夏が旬のタカベ。タカピーには塩焼きの群れが泳いでいるようにしか見えず。そこまで浅瀬ではなく水深5mよりも深いエリアの根際で口をパクつかせながら忙しそうに泳いでいる。伊豆の夏にはタカベが必要だ。
番外編。単独で泳ぐイサキにシマアジがまとわりついて一緒に泳ぐ行動を目撃。イサキはかなり迷惑な様子だったもののシマアジはずっと寄り添い、たまに体をこすりつけるように泳ぐ始末。
深場・根周りの様子
9月は深場も魚が多く、小メジナ、イスズミ、オジサン、ニザダイ、ブダイの仲間なんかが優勢。潜って着底すると色んな魚が興味津々で見に来るので楽しい季節。
ちょっとした深場の根周りにはヒラスズキ、イシガキダイなどがウロチョロ。特に何をするでもなくフラフラと泳いでいて、少なくともやる気は感じられない。ヒラスズキは以前暑い時期に泳いだ時も根周りの影になった部分にいたので日陰でちょっと涼んでいるのかも?いつもサラシの中にいる訳ないよね。そりゃそうよね。
コロダイは1匹か2匹で泳いでいるのをたまに見かけるような感じ。写真はないもものハマフエフキはコロダイよりやや多い様子。やはり根周りをウロウロしているが、何もない砂地でも泳いでいるので割と広く動いているらしい。
根周りではやや小さな群れでイサキがいるものの、浅瀬よりも大型の傾向。あまり活発に泳いでいる訳ではなく根の周辺でゆったりしている。
定点カメラで時折映るシマアジの小さな群れ。サイズも小さいが磯際をスクーリングしているのでタイミングが合えば釣れるのかも知れないけど狙って釣るのは根気がいりそう。
10月の海の中の様子
続けて10月の様子を詳しく紹介。9月からの変化にご注目。
浅瀬の様子
9月に引き続き海の中はかなり賑やか。とにかくトウゴロウイワシが多く、カマスも引き続き浅瀬で群れている。あと今月から浅場にムツの群れが入ってきた。
アカカマスは相変わらず水深2mくらいの場所に溜まっている。先月よりサイズが大きく40cm以上の個体も混じる。何をするでもなくただゆっくり泳ぎ回っている。
水深1~2mくらいの水面近くにはトウゴロウイワシの群れがびっしり。捕食者が周りにいるのかと思って見渡してもやる気のないアカカマスがいるくらいで特段何かに襲われそうな状況ではない。
海面に浮かんでいると群れに囲まれ、そのうち頭にコツコツと何かが当たる感触がしたので、顔を出してみるとトウゴロウイワシがジャンプしまくっている。特に捕食者はいないが、タカピーがいることでパニックになっているのか?トウゴロウイワシが降ってきて結構楽しいので、しばらくトウゴロウイワシの雨に打たれる。
アカカマスと同じような場所でムツの群れを確認。この時期になると浅瀬に入ってくると聞いたことがあってなるほどと納得。
根周りからちょっと離れた浅瀬の砂地でソゲ(小型のヒラメ)を発見。こういった場所で狩りをして大きくなるんだなぁ。
番外編。ふと浅瀬の岩の隙間を見るとマツカサウオが。よく見ると奥にはゴンズイの群れ。ゴンズイは集合フェロモンで集まって泳ぐとか。久々にマツカサウオを見たけどやっぱりかわいい。
深場・根周りの様子
深場や根周りにはイナダやイサキの群れが居ついていてカゴ投げ釣りやればすぐ釣れそう。時折コショウダイやマダイ、ハマフエフキやイシダイなんかも顔を出す賑やかな雰囲気で、根がオーバーハングしたところにはこれまでに見たこともないヌシが潜んでいた……!
根から少し離れた砂地ではコショウダイがお散歩中(奥はクロダイ)。底荒れして濁りがきついけどクロダイなんかはこういう環境が好きなのかも知れない。
水面を移動しているとすぐ近くをイナダの群れが通り過ぎる。
潜っていてもイナダはよく寄ってくる。タカピーの動きが遅いので襲われる心配はないと高を括っている様子。カンパチなんかも泳いでいるとすぐ近くをグルグル泳ぐ性質がある。実はこの群れの奥にマダイも写っている。
根に潜っている時に通り過ぎたブリ。一匹狼感がかっこいい。近寄ってくるかなと思ったら泳ぎ去るだけだったので意外に警戒心が強い様子。
で、根に潜っているとまたイナダの群れがまたやってきた。この群れは水深は5mくらいのところを群れで回遊している様子。なのでカゴ投げ釣りの棚は5mでお願いします。
場所を移動していたらマダイを発見。サイズが同じくらいなのできっとイナダの群れの近くにいた個体だと思われる。マダイはベイトを追っていろんな場所に出現するので予想もしない場所で釣れることも。
今度は根周りでコショウダイに遭遇。結局出会ったのはこの1匹で、9月より個体数が減っていると思われる。
これはオーバーハングした根に設置した定点カメラの映像。大きな群れを形成している個体よりもやや大型。少し大型の個体は昼間こうして根の影で小さな群れになって休んでいるのかも知れない。
根から少し離れた砂地でイシダイを発見。イシダイは水面では見えなくても潜って着底すると岩陰から出てくることが多い。普段は隠れていて興味を惹かれるものがあると見回りに出てくるってことは、イシダイって縄張り意識が強いのかも。
砂地の近くにある平根では30cm未満の小型のイサキが大きな群れを形成。ウリ坊と呼ばれる由来となった縦縞もはっきりしていてよく目立つ。
海底でじっとしていると、興味があるのか警戒心が薄いのか、割と近くに寄ってくる。平根に集まっている理由はよくわからないけどずっと平根周辺で群れを形成していた。
イサキの群れを撮影していたらデコっぱちの大型コブダイが!警戒心が強く画角に収まったのはこの一瞬だけ(左上)。いつかちゃんと映像に収めたいけどこいつは警戒心が異常に強い……。
オーバーハングした根を離れて定点撮影したものがこちら。やや濁っているがカメラの前をハマフエフキが通過。コショウダイと同じくハマフエフキも9月より個体数が半減した印象。
で、このオーバーハングした根で出会ったのがこちらの「ヌシ」ことヒゲダイの親分でございます。全長は約80cmで堂々たる風格。気づいた時は海の中で叫んだよね。
このヒゲダイの親分はどっしり構えて近寄っても全く逃げず。この映像も魚から1mちょっとくらいの距離で撮影。ここまで大きくなると敵はほぼいないんでしょうな。とにかくかっこいい。感動。
番外編:これは定点カメラに映った水中撮影中のタカピー。水深は8mくらい。ヒゲダイが居ついていたこのオーバーハングしている根。今後もここをモニタリングしていこうと決めた10月の海。
11月海の中の様子
最後に11月の様子です。魚種が明らかに減ったことがわかります。
浅瀬の様子
浅瀬にはトウゴロウイワシやナミノハナがいるくらいでこれまでにいたアカカマス、ボラ、タカベは完全に姿を消しかなり寂しい雰囲気。ただムツに関しては10月よりも個体数が多くなり、また30cm級の個体も混じるようになった。
浅瀬で群泳するムツ。何をしているのかはわからないけど群れでフワフワと泳いでいる。
別ショットのムツ。群れの中には何かに襲われて傷ついた個体もいた。
で、懲りずにムツ。光が反射すると魚体が美しく輝く。11月の浅瀬はムツしかネタがない(笑)
深場・根周りの様子
浅瀬と同じく11月は急に寂しい海の中。先月いたヌシはどこかへ行ってしまったが例の大型コブダイはチラっと目撃。やっぱりコブダイはいつか間近で撮りたい!
姑岩の根際でイシダイの大型個体を確認。水面で浮いていたらこちらを確認するように浮いてきてまた深場へ戻っていった。やはりイシダイは気になるものがあれば一度見に来るようだ。
ちょっと見にくいけど、これは根周りの定点カメラに写っていたイシダイ。横縞の模様が残っているので根際で見た個体とは別個体。
これも定点カメラの映像。フラっとコロダイが横切る様子が映っていた。やはりコロダイも9月、10月と比較して個体数が少ない。
ちょっと寂しい海の中でひときわ目を引いたのがこちらのテングダイ(ペア?)。近づくと大きい方の手前の個体が小さい奥側の個体をかばうように泳いでいたので大型の方がオスなのかなと妄想。
逃げないので割と近くで撮影できた。このヒレの鮮やかな黄色は海の中でめちゃくちゃ目立つ!
11月は姑岩にごっとり君が瀬渡しで入ってキビナゴを撒いていたので匂いに釣られてウツボがニョロニョロ。水面から見ると視界に5匹くらい入るのでこんなにいたのかとびっくり。口を開けて威嚇している感じだけどゆっくりカメラを近づけると噛むことはなくウネウネとバックするかわいいやつ。
釣りドコと重ねてみる
9月から11月の海の様子、いかがだったでしょうか。一般的に海釣りは秋がベストシーズンと言いますが、まさにそれを目の当たりにした感じがしました。釣りドコで公開中の海底地形図に結果を重ねるとこんな感じ。こちらが9月の結果。魚が多くてとっても楽しい時期。でも姑岩の東側はかなり魚が少なかった。
で、こちらが10月の結果。9月と同じく潮当たりの良い磯の先端部分に魚が集中していた。
最後に11月。本当に魚が少なかった。唯一の救いは大型のムツ。
過去の水温を見ると、近隣の下田では11月中旬の水温(30年平均値)は19.9℃。潜ったときの水温は18.4℃だったので、平年よりも1.5℃低いことになります。もしかしたら水温が急に下がって多くの魚が深場へ落ちてしまったのかも知れません。
水温以外の要因もあると思いますが、いずれにしても10月の海と11月の海には大きな違いがあったことは発見でした。
書いた人:タカピー
釣りドコを運営しつつ会社の仕事もしている海大好き人間。大学時代に南の島で魚類生態学を3年間研究し、潜水しながら魚の行動を追っていると見せかけ、ほとんどの時間を素潜りでの魚突きに費やしていた。海底地形図を見ると魚が見えてしまうというデビルアイを持っている。
好き:写真・料理・ドローン・素潜り・オオクワガタ 嫌い:パクチー
<タカピー/釣りドコ>
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