山あいの清流で自然と向き合いながら魚を狙う渓流釣りは、非日常を味わえる奥深い釣りだ。本記事では、日本の伝統的なエサ釣りを中心に、基礎から実践までを丁寧に解説する。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

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渓流釣りとは

渓流釣りとは、主に山間部の川でアマゴ、ヤマメ、イワナと呼ばれる渓流魚を狙う釣りだ。都会の喧騒を離れ、大自然のなかで釣りをするのはとても癒やされる。

【自然と向き合う渓流釣り入門】日本の伝統エサ釣りを基礎から解説
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渓魚との再会はもうすぐ(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

周りを見渡せば木々が生い茂り、鳥のさえずりが心地良い。目の前には透き通った清らかな流れ。自然と一体になって釣りができる。釣り方はエサ釣り、ルアー、フライ、毛バリ釣りなどあるが、今回は日本の伝統的な釣りスタイルのエサ釣りを紹介したい。

渓流釣りができる川

渓流釣りができる川は主に山間部の川になる。都会に近づくほど、渓流魚が生息できる川が少なくなる傾向にある。渓流魚はきれいな水の川を好む。渓流魚が狙える川には、必ずと言って良いほど漁協(漁業協同組合の略)が存在する。

漁協はその川を管理し資源確保などを行うなどの役割を持っており、渓流魚の放流なども行っている。そのため入漁券と呼ばれる釣り券を購入する必要がある。入漁券は漁協、最寄りの釣具店で購入できる。近年ではフィッシュパスやつりチケと呼ばれるアプリで購入できる漁協もある。

渓流ザオの選び方

サオは、渓流ザオと呼ばれる山間部の川幅に適した軽くて操作性が良いノベザオがお勧め。リールザオなどと違ってイトを通すガイドがなく、伸ばしたサオの先端、穂先と呼ばれる個所にイトを直結するやり方。サオの長さは場所にもよるが、3~6mが一般的。

【自然と向き合う渓流釣り入門】日本の伝統エサ釣りを基礎から解説
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渓流釣りのタックル(作図:週刊つりニュース西部版・松森渉)

川の流れは均一ではないので、長さを調整できるズーム式が好ましい。初心者の人は5m前後のズーム式を選択すると良いと思う。

渓流仕掛けの基本構成

仕掛けは、一番上が天上イト、次に水中イト、ハリス、ハリ、そしてオモリとなる。基本的に天上イトは太めが良い。理由は渓流では木々が生い茂り、イトは絡みやすい。イトが細いと木に引っ掛かりすぐに切れてしまうからだ。

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イト(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

水中イトは釣れる渓流魚のサイズにもよるが、フロロカーボンラインの0.2~0.3号が一般的。イトが細いほど流れにナジみやすく、アタリも取りやすい。しかし切れる可能性も高いので熟練者向け。イトが太すぎるとトラブルは減るが、渓流魚に見切られやすくアタリも取りにくい。

狙う魚のサイズ、活性に応じてイトの号数を調整すると良い。

ハリスは水中イトとハリをつなぐ短いイトのことで、この部分だけ細くして警戒心を薄める役割がある。

【自然と向き合う渓流釣り入門】日本の伝統エサ釣りを基礎から解説
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ハリ(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

面倒ならハリスなしで、水中イトをハリに直結で結んでも良い。ハリスなしの仕掛けを「通し仕掛け」と呼ぶ。ハリは使うエサによって使い分けると良い。カワムシならカワムシ専用バリ4~6号。ミミズならミミズ専用の6~8号。他にイクラ、ブドウムシとあるがイクラはカワムシ用、ブドウムシはミミズ用のハリで対応できる。

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きじ鈎(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

オモリの役割と調整

オモリは仕掛けを狙った流れまで飛ばす役割と、エサを沈める役割がある。渓流魚は基本川底付近にいることがほとんどなので、エサを沈める必要がある。

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ガン玉(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

号数はいろいろあるが、ガン玉Bを起点に重くしたり軽くしたりする。根掛かりするようなら軽くする。エサが早く流れ過ぎるようなら重くする。ガン玉にゴムがかませてあるゴム張り式オモリだと、脱着がしやすく便利だ。

渓流釣りのエサ

渓流のエサはカワムシ、ミミズ、イクラ、ブドウムシがある。カワムシは種類がありキンパク、ヒラタ、オニチョロ、クロカワなどだ。水生昆虫なので、時期がくると羽化していなくなる。

基本春はカワムシ、イクラ。夏と秋はミミズ、ブドウムシといった具合だ。ミミズ、イクラ、ブドウムシは釣具店やネットでも手に入る。カワムシは時期的なエサ。渓流釣りが盛んな地域では釣具店で手に入るが、ほとんどの場合は自身で採取することになる。

捕り方はカワムシによって違ってくる。キンパク、オニチョロは足で川底の石を転がす。下流に網を構え流れてくるカワムシを捕る。

クロカワムシは川底の石に巣を作るので、巣を崩して捕る。小さなクロカワならキンパクと同様のやり方で捕れる。

ヒラタが一番難しくて、初期のヒラタはキンパク同様のやり方で捕れるが、4月の桜が咲くころには流れが走った瀬の中の石にへばり付いている。これをヘチマやブラシなどで捕る。

渓流釣りのポイント

渓流釣りで一番大事なことがポイント選びだ。渓流釣りのポイント選びの要点は大きく3つある。季節、水位、活性だ。季節ごとに渓流魚の着き場は変わる。雪残る解禁初期は小さな支流、または支流のまた支流など枝川に身を潜めていることが多い。

春先になると、徐々に里川と呼ばれる開けた流れに出てくる。桜が咲くころになると、本流でも釣れだす。夏や秋は本流上流部や、さらに山間部の渓流が主な釣り場となる。

水位変化とポイント

次に水位。雨などの増水によって、渓流魚の着き場は変わる。増水すると川の流れの速い場所にはおらず川の岸際、大岩裏などに逃げ込む。また増水すると川が濁り、警戒心が薄れ釣りやすい状況になることもある。

【自然と向き合う渓流釣り入門】日本の伝統エサ釣りを基礎から解説
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川によってはニジマスも釣れる(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

活性と流れの関係

最後に活性。渓流魚は活性が高いときほど荒くて速い流れにいることが多い。速い流れの方が多くのエサが流れてくるからだ。速い流れで釣れたときは活性が高いと思った方が良い。逆に遅い流れで釣れるときは活性が低いことが多い。

特に水温が低い初期は渓流魚も動きが鈍いので、速い流れにはいないことが多い。釣りに行く前に情報収集をして、大方のポイントに目星を付ける。そして季節、水位、活性のことも考え、ポイントを絞っていく。

渓流釣りは経験が大事。一度釣れたポイントは渓流魚が着くポイント。その経験を積み重ねていけば、渓流魚に出会える機会は増えるだろう。

渓流釣りの釣り方

釣り方は、エサを付ける。仕掛けを振り込む。流す。

アワせるだ。

エサの付け方

エサの付け方はエサによって多少違う。カワムシは尻尾から刺し、胴体の横辺りからハリを出す。クロカワはチョン掛け。ミミズはチョン掛けかミミズ通しで通す。ブドウムシは尻尾から刺し、頭の少し下辺りからハリを出す。イクラは2~3粒ほどハリに掛けるだけ。肝心なのは必ずハリを出すこと。ハリを出した方がハリ掛かりしやすいからだ。

仕掛けの振り込み方

仕掛けの振り込み方だが、慣れない間はアンダースローで振り込んでも良い。オモリの重さがあれば仕掛けは飛ぶ。エサは上流から下流へ流れるので、狙った流れの上流へ仕掛けを落とすことが大事。

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自然と一体になれる(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

仕掛けの流し方

流し方は流れに乗せて流すだけだが、大事なのは仕掛けをブラさず流すこと。そのためにはサオを両手でしっかり支えることが大事。これを両手持ちと言う。流すスピードは、流れよりも少し遅く流すこと。速く流れ過ぎるようであればオモリで調整する。

アワセのタイミング

アワセは渓流魚の活性や釣る時期によって変わってくる。活性が高いときはアワセが遅れてもハリ掛かりはしやすい。場合によってはハリをのみ込んでいる。活性が高いときは、目印にはっきりと反応が出る。活性が低いときは目印に反応が出ないことが多い。

そんなときはイトフケのかすかな反応でアワるしかない。釣る時期によっても、アワセのタイミングは違う。初期は遅アワセ、最盛期は早アワセ。

渓流釣りのマナー

渓流魚は警戒心が強い魚なので、釣り上りが基本。渓流魚は上流を向いて泳いでいるので、下流へ釣り下るとポイントをつぶすことになる。先行者優先。前記でも述べたように渓流魚は警戒心が高い魚なので、狙ったポイントに先行者がいたら最低でも1km以上は間隔を空けたい。釣り人が少ない状況なら、さらに間隔を開けた方が良い。当然追い越しはやめた方が良い。

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渓流釣りを楽しもう(提供:週刊つりニュース西部版・松森渉)

きれいな自然で釣りをするので、当然ゴミは持ち帰ってほしい。釣行する漁協の入漁券は必ず購入し釣りを楽しもう。渓流釣りは危険も伴う。渓流は石が多く、足場も悪い。ウエダーの下にすねガード、ひざガードを装着すると安心だ。携帯電話は必ず携帯しよう。

圏外のポイントへ行く際は、誰かに行く先を告げた方が無難。クマがいるポイントはできるだけ避けたいが、どうしてもならクマ除けの鈴やスプレーを持参したい。漁協が設定した渓流魚の体長制限を守り、小さい魚はリリースしよう。

<週刊つりニュース西部版・松森渉/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2026年1月30日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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