ネットで新品リールを購入する行為は、現代の釣り人にとってごく当たり前の選択肢となった。実店舗に足を運ばずとも、最新機種や限定モデルを手に入れられる利便性は大きい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
回転と外観の検品
箱を開けたら、最初に行うのが回転と外観の検品である。ハンドルをゆっくり回し、異音がしないか、ゴリ感やシャリ感がないかを確認する。
新品であっても、製造誤差や輸送中の衝撃による不具合が潜んでいる場合はある。静かな室内で回すことで、微細な違和感にも気づきやすい。あわせてボディ、スプール、ベール周りに傷や歪みがないかを目視で確認する。ここで違和感があった場合、使用せずに対応する判断力が重要である。
ライン巻きと下巻き
検品に問題がなければ、次に行うのがライン巻きである。ラインは適正量を守って巻くことが基本であり、これを怠るとライントラブルの原因となる。
スプールに対してラインが多すぎれば放出時に噛みやすくなり、少なすぎれば飛距離や操作性に影響が出る。必要に応じて下巻きを行い、スプールエッジから適切な位置にラインが収まるよう調整する。
一定のテンションをかけ、丁寧に巻くことが、後の快適な釣りを支えるのである。
番手別の注意点
リールの番手によって、チェックすべきポイントには差がある。小型番手、特に1000~2000番クラスでは、回転の軽さや初動の滑らかさが釣りの快適さに直結する。わずかなゴリ感でも、軽量ルアーを扱う際には違和感として表れやすい。
一方、4000番以上の中大型番手では、巻きの軽さよりも剛性感や軸ブレの有無が重要となる。ハンドルを強めに回した際、ボディがヨレる感覚がないかを確認したい。番手が上がるほど、ドラグ性能の安定性も重要度を増すため、負荷をかけた状態での確認が有効である。
スピニング/ベイトの違い
スピニングリールの場合、主に確認すべきはローターの回転バランスとベール周りの仕上がりである。ベールの返りが重すぎたり、左右で感触が違ったりする場合は注意が必要だ。ラインローラーの回転も忘れず確認したい。
一方、ベイトリールではスプールの回転性能が最重要項目となる。指で軽く弾いた際の立ち上がりと、回転の伸びを確認することで、初期不良を見抜きやすい。また、クラッチの切れや戻りの感触、ハンドルを回した際のギア感もチェックポイントである。ベイトは構造上、個体差が出やすいため、購入直後の確認は特に重要である。
ドラグ性能チェック
ラインを巻き終えたら、ドラグ性能のチェックを行う。ドラグを軽く締めた状態でラインを引き出し、滑り出しがスムーズかどうかを確認する。新品リールであっても、初期状態ではドラグの感触が掴めていないことが多い。重要なのは、一定の力で追従し、急激な引きにも破綻なく対応するかである。
実釣中、魚が走った瞬間のドラグ挙動は結果を大きく左右する。事前に感覚を把握しておくことで、余計な不安を減らせる。
実釣での相性確認
最後は実釣での相性確認である。実際に魚を掛け、巻き心地やバランス、ドラグの効き具合を体で理解することが重要だ。カタログスペックや評判が良くても、自分の釣り方や狙う魚と合うかどうかは別問題である。
なお、一人で室内にてハンドルを回し続ける時間も、釣り人にとっては通好みの楽しみである。新品リールの感触を確かめながら、次の釣行を思い描く。その時間も含めて、リールとの関係は始まっているのである。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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