春は三寒四温。寒い日が3日続けば暖かい日が4日続く……という意味だが、3月10日の予報は北西の風3mと微妙な予報。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・水野武司)
レンタルボートでタイラバ
お誘いがあったのは数日前。定年退職を過ぎてヒマだけはある私は考える間もなく快諾。場所は三重県・紀北町三浦で、レンタルボートの釣りらしい。お世話になるのはフィッシング光栄。ここに通い慣れている桑原さんが、キャプテンを務めてくれる。
ところがである。現地に到着すると、びっくりするほど寒い。しかも北寄りの風がビュービュー吹きつけている。出られるの?と思ったが、受付ではフィッシング光栄の佐々木省吾さんが「ちょっと風強いですが頑張ってください」と笑顔で出迎えてくれた。
服装に迷う季節だが、迷わず真冬仕様の完全防寒を選択。しっかり着込んでボートにタックルを積み込んでいく。今回はテンビン吹き流しのエサ釣りと、タイラバの二刀流。
幻の魚シロアマダイ
幻の魚といわれているシロアマダイだが、近年は釣果が急上昇。数が増えたのか、元々たくさんいて狙わなかっただけなのか分からないが、釣り人垂涎のターゲットであることは変わらない。
釣り方はテンビン吹き流しのエサ釣りかタイラバが一般的だが、アタリの数が多いのは圧倒的にエサ釣り。だがタイラバに食ってくるシロアマダイはサイズが良いらしい。どちらを選ぶかは好みだが、今回はエサ釣りメインに、状況次第でタイラバにも挑戦する。
シロアマダイはアカアマダイに比べて浅場に生息している。浅い所ではイカダからでも釣れる場合があるが、アカ、シロ混在するポイントもあるようだ。絶対条件としては底質が砂泥であることが挙げられる。
3種類のエサを使用
やる気満々の桑原さんは省吾さんのポイント説明を受けた後、いざポイントへ鼻息荒く出船。今回あくまで本命はシロアマダイだが、くるもの拒まずの五目釣り。この釣りではゲストも豪華。イトヨリやハタ類、キダイなど、いずれも釣り人にとっては大歓迎の魚ばかりだ。
用意したエサは3種類。
今回は浅場から深場まで駆け回る予定だったが、この風でどこまで行けるか。まずは浅場から攻めていく。水深40mラインから流していく。私はタチウオテンヤロッドに片テンビンをセットし、オモリは風があるので60号をセット。ボートのミヨシからパラシュートアンカーを流して、スピードを抑えながら流していく。
荒れる海に苦戦
だが時間がたつほど風は強さを増していく。白波が出始め、ボートは想定外のスピードで流されていく。60号のオモリでは底をトレースできないため、80号にチェンジ。桑原さんによれば、ナギであれば40号でも十分らしい。
そう、シロアマダイは底べったりでエサを流すことが絶対条件。積極的にエサを追い回す魚ではないため、いかに底にタイトにエサを流していくかが大事なのだ。
にもかかわらず、80号のオモリでもミチイトは斜めになびき、オモリが底から浮き上がってしまう。この状況が続けば沖の深場なぞ、とてもやれそうにない。
乗っ込みマダイ登場
ボートの揺れも大きいため、ここはいったん島影に避難。だが白波こそないが、ボートはかなりのスピードで流されてしまう。ここはいったんテンビンフカセを諦め、タイラバにチェンジ。タイラバであれば、問題なくやれる状況だ。
でも私はタイラバが大の苦手。ただ巻くというのがどうにも眠気を誘ってしまうのだ。巻き始めて5分で眠気が襲ってきたが、その眠気を吹き飛ばしてくれたのは桑原さん。「きた!」と声を上げると同時に、軽快なドラグ音が聞こえてきた。
フルソリッドのロッドが大きく曲がり、激しくたたかれている。
シオもキャッチ
これを見て私の眠気もどこへやら。ひたすら巻き続けるが、なんでか私にはアタリがない。一方桑原さんはタイラバで2度目のヒット。回収速巻きで食ってきたのは、なんとシオ。秋にたくさんいるイメージだが、春でも釣れるのね。
しかし寒い。風は強弱つけながら間断なく吹きつけてくる。移動時にしこたま潮をかぶって、濡れたとこが冷たい。それでも水は温かく感じるので、海は確実に春が近づいているのだろう。
だが私にはアタリはなく、再び眠気が……。ここで一層風が強くなってきたので、いったん港に戻って休憩とした。陸に上がると沖の風がウソみたいに穏やかだ。日差しも暖かく、これまた眠気を誘う。ウトウトしていると桑原さんに「もう1回出ましょか」と声を掛けられて目が覚めた。
気づくと風はやんでいる。沖の白波も見えなくなっている。これぞ千載一遇!「今のうちに沖の深場をやりましょう」と言う桑原さんの言葉にうなずき、一気に沖へ走る。湾から出ると、前半の荒れ模様から一転、穏やかな海が広がっている。
40cm超えイトヨリヒット
着いたポイントは水深60m。パラシュートを入れる必要もないほど、海は穏やかだ。桑原さんによれば、ここで釣れるシロアマダイは型がそろうらしい。
吹き流し2本バリにオキアミとホタルイカを刺し、底まで落とす。
ここでゆっくり大きくサオを持ち上げると、グーンと重みが乗って待望の生命反応。この際、魚は何でもいい、バレないでくれ~と祈りつつ巻き上げてくると、ゆらりと水中に白い影2つ。シロアマダイか!と期待してハリスを手繰ると、上がってきたのは20cmぐらいの見たことない魚と鮮やかな体色のイトヨリ。イトヨリは40cmを超える良型だ。
小さい方は桑原さんによるとタマガシラという魚らしい。桑原さんも食べたことがないので、おいしいかどうか分からないけど、2匹とも大事に大事にクーラーに仕舞い込んだ。
ゲストもにぎやか
桑原さんの方はというと、またまたタイラバでヒット。エサの方がアタリ多いはずじゃないの……と思いながら見ていると、浮いてきたのはでっかいホウボウ。本命は姿を見せないけど、にぎやかすぎる釣果だ。
さらに今度は桑原さんの吹き流し仕掛けに強烈なアタリ。ぐいぐいサオを絞り込んだのは、2匹目となるシオ。すごいな、三浦の海。
ところがところがだ、ここでまたもや強烈な風が吹きだした。あっという間に海面に白うさぎが飛び跳ね、慌てて岸寄りの浅場へ移動する。だがどうにも浅場は反応が薄い。というか、朝みたいにパラシュートを入れてもボートがあっという間に流され、再び釣りにならなくなってしまった。
シロアマとの再戦を誓う
となればタイラバだ……と思ったが、老人の心はすでに折れており片付けや魚を絞めることを考えれば良い時間だろうということで、ここで終了のゴングとなった。
たられば禁物だけれど、風がなかったら……、深場でやれる時間が長かったら……と考えると悔いは残る。でもこれも釣り。
今回深場でのアタリが多く浅場は薄い感じがしたが、これは今後水温が上がってくれば浅場の方が活性が上がってくるはず……と桑原さん。春らしい穏やかな日であれば、パラシュートなしでもゆっくり楽しめるだろう。
今回は予報大ハズレの天候に悩まされたけど、三浦沖のポテンシャルを実感。次はシロアマダイ釣るぞ!桑原さん、また誘ってね。
<週刊つりニュース中部版APC・水野武司/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2026年3月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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