つい4~5年前までは幻の魚と言われていたシロアマダイ。あまりに個体数が少ないため、釣りのメインターゲットにはなりえないと思われていたが、ここ数年で状況は一変。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・編集部)
アマダイの種類
主に釣りで釣れるアマダイは3種。最もポピュラーなアカアマダイは、70m以深の中深場の砂泥底に生息している。若狭湾で捕れるアカアマダイは、若狭グジと呼ばれ京都では高級魚として扱われている。
アカアマダイと混生しているのがキアマダイ。その名の通り、顔の側面が黄色でぱっと見はアカアマダイと区別がつきにくい。こちらも個体数が少なく、狙って釣れるターゲットとはいいにくい。
そして今回のターゲットであるシロアマダイ。全体的に白っぽい魚体で、アカアマダイに比べてやや顔が小さく、すぐに判別できる。
もうひとつ、アカアマダイとの決定的な違いが生息している水深。砂泥地を好むのは同じだが、アカアマダイより圧倒的に浅い水深に多い。場所によっては陸からの投げ釣りで釣れるポイントもあるほど。
また比較的湾内に多く、三重県の的矢湾、五ケ所湾、葛城湾、尾鷲湾などで多くの釣果が上がっている。
シロアマダイはアカアマダイやキアマダイに比べて大型になる傾向が強く、以前本紙の取材で61cmというモンスターサイズが上がったこともあった。また脂分が多く、大型ほど脂の乗りが強い傾向があるようだ。
釣り方
書き出しでも述べたが、数年前までシロアマダイは狙っても決して釣れる魚ではなく、個体数の少なさから幻の魚と呼ばれていた。だが、ここ数年伊勢湾口、三重県の熊野灘沿岸で一気に釣れ始め、1人複数釣果は珍しくなく、船中2ケタなんてこともザラ。
ここ数年で生息数が急増したのか、これまでたくさんいたけど狙わなかっただけなのか定かではないが、釣り人にとってはうれしい事象には違いない。
そんなシロアマダイの釣り方だが、主なものは2通り。ひとつはルアーアングラーに人気のタイラバ。もうひとつはエサ釣り師にはおなじみのテンビン吹き流しだ。
どちらが釣れるのかといえば、迷わずテンビン吹き流しと即答できるほど圧倒的にエサ釣りが強い。ここではこのテンビン吹き流しの釣りについて紹介したい。
タックル
今では愛知県・南知多エリアからもシロアマダイ狙いの船が出ている。ただし、このエリアでは他にも釣り物を多く設定しているため、季節によってはシロアマダイ便がないこともあるのでHPなどで事前に確認しておいてほしい。
他には静岡県・遠州灘、三重県・熊野灘が有名なフィールド。
使うサオは2m前後のやや先調子の船ザオがお勧め。硬さだが、釣行先によって決めるのがベストだ。熊野灘沿岸は比較的浅場が多いので、オモリ負荷50号前後、遠州灘で深場のアカアマダイも狙うのであれば、オモリ負荷80号前後。
リールは小型の電動が使いやすいと思うが、浅場メインの熊野灘であれば手巻きでも十分。ジギングをしている人なら、ライトジギングタックルの流用も可能だ。
ミチイトはPEラインの2号。3号でも良いが、潮切れと感度を考えれば2号までにしておきたい。これに先イトとして、フロロカーボンラインの5~6号を1mほど接続してく。
仕掛け
仕掛けは全長2~2.5mの吹き流し仕掛け。吹き流しとは、一番先にハリ、その途中で1本ないし2本の枝スを出す仕掛けのこと。ボートのキスやハゼ釣り仕掛けを太くしたものを想像すると分かりやすいかもしれない。ハリスの太さやハリの種類、全長はまるで違うが。
まず先イトの先にスナップ付きサルカンを結んでおき、そこに半月型の片テンビンを接続する。アジやイサキ釣りであれば、そのテンビンにまきエサカゴを付けるのだが、アマダイ釣りにまきエサは不要。オモリだけを付ける。
オモリの号数は、攻める水深によって変えていく。浅場であれば40~60号、60m以深を攻めるのであれば60~80号、潮が速い場合は100号を使うこともある。
仕掛けは市販のアマダイ用でも良いし、初めてならそちらがお勧めだ。ただ市販品は高い。慣れてくれば自作してみよう。迷うのが、枝スの出し方だと思う。最も簡単な方法が、親子サルカンを用いたものだ。
全長2mの仕掛けであれば、3号のハリスに伊勢尼10号のハリを結び、その上80cm上をカット。そこに小さめの親子サルカンを介して結び、同じく3号のハリス30cmを結んでおく。
ハリは最も重要なパーツだ。前述の伊勢尼のほかに、ソイバリやチヌバリも使える。アマダイ専用のハリも出ている。迷ったらこちらを使うのもお勧めだ。
さほど根掛かりのする釣りではないが、ポイントによってフグやエソにハリを取られてしまうこともあるので、仕掛けは1本のサオに対して3組程度で良いが、予備のハリスとハリを持参してハリが切られたらその場で修復できるようにしておくと良い。
エサ
中深場のアカアマダイ狙いで、最も多用されているのがオキアミだ。これはシロアマダイでも変わらず有効なエサとなる。ただしオキアミはエサ取りに弱く、着底した途端に外道が食ってしまう、あるいはエサだけかすめ取られてしまうなんてことも多い。
そんなときのために他に用意したいのが、ホタルイカ、冷凍ウタセエビなど。またアオイソメも特効薬的なエサだ。中でも太めのものを1匹掛けにすると、におい+動きでシロアマダイにアピールできる。
上バリにホタルイカ、下バリにアオイソメという組み合わせや、1つのハリにホタルイカを付け、その先にオキアミを刺すミックス掛けも試すといいだろう。
釣り方
アカにしろシロにしろ、アマダイは砂泥底に生息し、普段はその砂泥に身をうずめて通りかかる甲殻類や小魚を捕食する。底から大きく離れてエサを追うことは少ないように思う。
よって狙うのは底べったり。いかにエサを底ベタに漂わせるかがキモになる。底を取ったらほんのわずかオモリを底から切った状態にし、時折底を取り直してオモリと底の距離を確認する。
またアマダイは砂煙に強く反応するようだ。以前タイラバの水中動画を見たが、シンカーが底に着いて砂煙が上がった瞬間、周りにいたレンコダイ(キダイ)やエソが集まってくる様子が映っていた。エサが暴れているように見えるのかもしれないが、時折オモリで底をたたいて砂煙を上げるのも有効だ。
ただしやりすぎは逆効果。重めのオモリであまりにドンドンたたき過ぎると、かえって警戒心を高めさせてしまうこともあるので、数回の1度底を取り直したときに行うぐらいの頻度で良いと思う。
釣り方
アタリは非常に明確に出るが、早アワセは禁物だ。押さえ込まれたタイミングで軽く聞いて、しっかりとした重みが伝わればゆっくりサオを起こそう。ハリ掛かりを確認したら、一定のスピードで巻き上げる。
アタリはオモリをべったり底に着けてしまうと出にくくなるし、サオ先に出たときにはすでにハリをのまれている状態になっていることが多い。オモリは底に着けっぱなしにするのではなく、30~50cm程度は常に上げることを意識すると、アタリを捉えやすくなる。
シロもアカも、アマダイは水深の半分まできたら激しく抵抗することが多い。大きいほどその抵抗は強いので、暴れ始めたら巻く手を止めてじっと耐えるだけで良い。30cm程度であれば、そのまま抜き上げれば良いし、40cmに絡むサイズなら慌てずタモを入れる。
釣ったシロアマダイは浅場が多いということもありイケスに入れることもあるが、長く入れていると死んでしまうので、すぐに絞めて血抜きをした方が良い。最悪なのは死んでもそのままイケスに放置。どんどん身が傷んでしまうので、せっかくの幻の魚が台無しになってしまう。
素敵なゲスト
この釣りは本命以外のゲストも、おいしい魚が盛りだくさんだ。まずシロアマダイと同じ砂泥に生息するイトヨリ。ド派手な魚体に引く人も多いが、おいしい白身魚。他にハタ類では珍しい砂地メインに生息するアオハタ。キジハタやマハタにやや味は劣るが、それでもハタ類は何にしてもおいしい。
最も数が多く、時にはエサ取り扱いされるのがレンコダイ。標準和名はキダイで、マダイより小型で最大でも40cmまでだが、マダイよりおいしいという人もいるほど。手のひらサイズは干物にすると最高においしい。
もちろんエソやフグなど招かれざるゲストもハリに掛かってくるが、多彩な釣果が見込めるのもこの釣りの魅力といえよう。
アフターフィッシング
シロアマダイはアカアマダイよりも、脂の乗りが良い。特に50cmを超える特大サイズになると、脂ノリノリで包丁がすぐに切れなくなるほど。
お勧めの食べ方としては、やはり刺し身がイチオシ。3枚に下ろして薄く塩を振り、1時間ほどおいて水分をよくふき取ってから刺し身にすると、脂の乗った甘みが口いっぱいに広がる。
他に定番の松笠揚げ、小さめなら塩焼き、煮付けもおいしい。スーパーや鮮魚店でもめったに売っていない幻のシロアマダイ。幻ではなくなりつつあるが、それでも希少であることは間違いない。ぜひ釣ってその味を堪能していただきたい。
<週刊つりニュース中部版・編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2026年4月3日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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