かつては誰でも春が来れば腹いっぱい食べられた風物詩の魚が、ここ数年は超の付く高級魚になり続けています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
イカナゴ漁は今年も一部解禁
瀬戸内海東部、大阪湾や明石海峡周辺で古くから人気の高い食用魚イカナゴ。毎年春に新子が大量に発生し、それを甘しょっぱく煮た「くぎ煮」は地域のソウルフードです。
そんなイカナゴ新子の漁が、今年も3月に実施されました。しかし東播地域では3/17に解禁した漁が翌3/18にはもう終了し、漁獲量も25t弱に終わりました。これは10年前の1/6程度です。
さらに大阪湾においては、今年は「新子を漁獲できる水準にない」ということで漁の実施が見送られました。昨年、一昨年も見送られているのでこれで3年連続です。
いまや大トロより高い
このような状況なので、いまやイカナゴ新子やくぎ煮の価格はかなりの高値となっています。
地元メディアによると、新子は解禁直後、1kgあたり5,000~7,000円という価格で販売されていたそうです。本マグロの大トロですら養殖物はキロ6,000円程度ですから、それよりも高いと言えます。
またくぎ煮も100g程度の小パックで1,000円、大パックは3,000円ほどとなっており、「日常的な惣菜」というよりも「贅沢な嗜好品」という状況です。
資源回復はありうるのか
いったいなぜ、イカナゴはここまで減ってしまったのでしょうか。これについては、多くのメディアでここ数年、「下水の浄水技術が高くなった結果、瀬戸内海に注ぐ川が綺麗になりすぎた」という言説が取り上げられています。
確かに河川由来の栄養塩は海中生物にとって重要な栄養源ですが、高度成長期以前の今よりもずっと河川が綺麗だった頃には今よりもっと大量のイカナゴが棲息していたわけで、これだけで説明できるほど単純な話ではないでしょう。耳触りの良い説なので受け入れやすいですが、それ以外の要因についても考えなくてはいけません。
今年の2月に広島大学のグループが発表した論文によると、イカナゴの減少は
(1)瀬戸内海沿岸地域の環境破壊によって海水中の栄養塩が減りすぎたこと
(2)海水温の上昇によってイカナゴが暮らしにくい環境になったこと
(3)ヒラメやブリ、サワラなどのイカナゴを捕食する魚が増えたこと
などの要因が複合的に合わさって起きているとのことです。とくに2016年に捕食者が急激に増えたことにより、2017年からの大きな減少に繋がったと見られるそうです。
この論文の内容を踏まえれば、今後数年でイカナゴ資源が大きく回復するということは考えにくいです。今後も引き続き漁期の単純や休漁処置が必要となるのは間違いないでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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