釣って楽しく、食べておいしい人気ターゲットのタチウオ。今回はそんなタチウオのウキ釣りでの狙い方について、仕掛け、釣り方といった基本から、釣果UPのテクニックまで解説していきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 松村)
堤防タチウオ釣りの時期
水温やベイトの接岸状況にもよりますが、基本的なパターンは夏は小型主体に釣れ始め、秋にエサのイワシなどが接岸するとともに本格的にシーズンイン。冬に水温が下がり切るまでは釣れるといったパターンが一般的になります。また、地域差も大きく、春に接岸するタイミングがある地域もあります。

エサとなる小魚の回遊がカギ
タチウオは「幽霊魚」などという異名もある魚で、ハイシーズンの秋でも釣れ盛っていたと思ったら、1日で様相がガラリと変わりいなくなってしまうことも。ベイトとなるイワシなどの小魚の動きにかなり左右される魚のようで、安定してエサとなる小魚の回遊があるタイミングが狙い目となります。
堤防タチウオ釣りの時間
タチウオの群れは、日中は深場に潜み、日が暮れるころからベイトを求めて接岸します。そのため、タチウオは夜釣りで狙うのが基本で、ウキ釣りの場合は夕マヅメから夜にかけて釣りに行くのがオススメです。

マヅメ時も活性が高くいい時間帯ですが、マヅメ時はルアーなど動くものに反応することが多くなり、ウキ釣りでは日が沈みきってからの時間帯のほうが反応が良い場合もあります。また、潮の動きもベイトの回遊や食いの良さに繋がるので、潮の動く時間帯に釣行するよう意識しましょう。
タチウオ釣りの場所
深場から接岸する条件が整った、潮通しがよく水深のある漁港や大型港湾部などが狙い目です。釣り座としては大型港湾部では、外向きはもちろんですが、ベイトを求めて入り込んでくるのか、日暮れとともに内向きで釣れることが多くなります。
釣り人の多くいる場所もオススメ
連日通う人も多いタチウオ釣りでは、必然的に釣れている場所に人が集まる傾向があります。各釣り場にはベイトの溜まりやすい場所があり、そんなポイントはタチウオの実績場としてシーズン中は絶えず人が竿を出してることが多く、初めての場合は人が集まっている場所付近に釣り座を構えてみるのもアリです。
また夜釣りなので、足場がいい場所を優先しましょう。
タックル
続いてタチウオのウキ釣りに使うアイテムを紹介していきます。

ロッド
磯竿なら3号4m前後やシーバスロッドの9ft(2.6m前後)を使用する人が多いです。夜釣りに慣れないうちは、あまり長い磯竿はイト絡みなどトラブルの元になるので注意しましょう。
リール
3000番程度のスピニングリールに、道糸はナイロン3号標準で150mほど巻いておきましょう。
その他アイテム
ほかには夜釣りなので、ライト類は必携。電気ウキ釣りは比較的待つ釣りなので、小さな三脚などがあれば竿を置けます。また、タチウオは歯が鋭いので、素手でつかむと怪我をする可能性があり危険です。フィッシュグリップは持参しましょう。また、同じ理由でハリを外すときにはプライヤーなどを使用しましょう。
タチウオのウキ釣りの仕掛け
小物としては電気ウキ、ウキ止め、ウキペット、オモリ、針周りの仕掛け、ケミホタルなどが必要になります。電気ウキはリチウム電池使用で、オモリ負荷3号をメインに2~5号などを使います。選ぶ際は自重があって飛ばしやすいタイプが便利です。

オモリは中通しか環付き、クッションゴムオモリなどで、電気ウキの浮力に合ったものを用意しましょう。ケミホタルは目がいいタチウオへのアピールになるので、オモリの上部あたりか、ハリス上部あたりの位置につけます。またスナップサルカンの位置に水中ライトを付けるのも効果的です。
市販仕掛けがオススメ
針周りについては自作も可能ですが、針とハリスがセットになった市販品の種類も多く、市販品だけでも多様な変化を付けることができます。具体的にはエサごとに仕掛けが分かれているほか、針数(1~3本)、ハリス素材(ワイヤ、フロロカーボン)、形状(孫針タイプ、水平刺しタイプ)、針の種類(チヌ針、タチウオ針)など、人気魚種だけに仕掛けの進化、展開も豊富です。
仕掛けの選び方
仕掛けの使い分けはタチウオの活性によって使い分けます。たとえばキビナゴ用の仕掛けでいくと、1本針仕掛けはナチュラルにエサを漂わせてアピールできますが、捕食の下手なタチウオはフッキングしにくく、2本針仕掛けのほうがタチウオに警戒心は与えるもののフッキング率は高くなります。活性の高い時は2本針、低い時は1本針といったように使い分けるといいでしょう。

また針の加工も意外と食いに関わってくる部分で、発光タイプやケイムラ加工などアピール力のある針を選ぶと釣果に繋がります。
オススメのエサ
タチウオのウキ釣りに使用する代表的なエサを紹介します。
キビナゴ
キビナゴはタチウオ釣りが盛んな関西方面では定番のエサです。針周りの仕掛けについても、キビナゴ使用を前提とした商品も多く、それぞれパッケージにハリの刺し方などが図を交え解説されています。

アジやイワシなどの他の小魚も使えますが、タチウオのサイズによっては、エサのサイズが大きいとハリ掛かりしにくくなるので注意が必要です。
付け方は仕掛けによっても異なり、1本針なら下アゴから針を通すちょん掛けや目から針を通し、背中に刺す通し掛け。縦型2本針なら口と腹か背に刺します。

水平2本針なら頭の後ろと背中に付けましょう。

魚の切り身
匂いでアピールできるサンマの切り身が定番ですが、コノシロやサバの切り身なども使われます。キビナゴと比べると入手のしやすさやエサ持ちの良さ、大きさをある程度自由に変えられるといったメリットがあります。特に小型主体の際は切り身エサのほうが捕食しやすいので向いているでしょう。付け方は縫い刺しが基本です。
活きエサの泳がせ
現場でイワシや豆アジなどをサビキ仕掛けで釣って泳がせる方法も有効です。その場で捕食しているエサとなるので食いもよく、サイズのいいタチウオが釣れる確率も高まる印象です。死にエサ同様、エサが大きすぎるとハリ掛かりしにくいので注意しましょう。
タチウオの釣り方
アイテムが揃ったら釣り方を解説していきます。釣り場には足下や周辺の状況を把握するために、明るいうちに着いておくのが無難です。日が暮れ、薄暗くなってきたら、釣りのスタートです。
タナの設定方法
タチウオは釣れ出すといきなり浅いタナで釣れることが多いので、最初からタナを深くする必要はなく、一般的には2~3ヒロ(3m~4m程度)で始めるといいです。アタリがなければ、50cm~1mと大まかな刻みでウキ下をかえてタナを探ります。グループ釣行なら、人によってウキ下をかえることで当たりダナを探り、アタリがあった人に合わせていくのも手です。
誘いの入れ方
潮通しのいいポイントが多いため、潮が流れだすとウキと仕掛けが流される速度も速くなります。そんなときは放っておかずに、自分のラインが適度に張っているか、ウキがどこにあるのかを把握して、流されすぎたら潮上へ投げ返します。
特に潮が手前へ押してくるときは、いつの間にか竿先からウキまでのラインが大きくたるんで、トラブルの元になるので注意しましょう。
ラインの張りを確認するのと、エサを動かして誘いを入れる目的で、時々エサを持ち上げるようにラインを引っ張ります。エサ、集魚ライトの上下でタチウオにアピールしましょう。また、数mゆっくりと巻いてきて止めるを繰り返すような、横への誘いを組み合わせるのも有効です。
アタリの出方
理想的なアタリは最初にコツンと小さくウキが反応して、その後ストンと水面下50cmほどまで持って入って止まる形。こんな場合は少しラインテンションをかけると、そのまま明かりが見えなくなるくらいまで沈んでいくので、沈んだところでアワせます。
その他のパターンでは、ウキをほんの数cm沈めてジッと居食いをしている場合や、いきなり海中深くまで沈めるパターン、ときにはエサをくわえて水面を跳ね回ることもあり、アタリの出方は様々です。
アワセのコツ
そんな風に色々なアタリが出るタチウオですが、共通していえるのは「早アワセは禁物」ということです。タチウオはどう猛な見た目の割に食いが遅いので、派手にウキが動き回るときはグッと我慢します。ウキの動きが落ち着いて、ゆっくりと沈みだして見えなくなるタイミングでアワせましょう。
また、少しテンションを掛けてやることで食い込みが加速することもありますが、引っ張りすぎるとスッポ抜けるので注意。このエサを食わせる、エサを取られる……の駆け引きも電気ウキ釣りの醍醐味です。
取り込み時の注意
アワセはとにかく大きく強くが基本。掛かればガツンと強烈な重みと、最初は動かない引きが味わえます。竿で溜めて、スッと軽くなったところで一気に巻き上げにかかります。
あまり躊躇すると、抵抗を強められてバラシの原因になるので、とにかく早めに上げてしまいましょう。
タチウオは首を折るか、キッチンバサミなどを用いて頭部の後方で背骨をカットしてしめると、暴れないので安心です。
タチウオは美味しい魚
タチウオは刺し身、塩焼き、煮付け、天ぷらなど、魚の料理法全てが合う美味しい魚です。私が最も気に入っているのが、皮を付けた刺し身をバーナーで炙った、「タチウオの炙り」。
甘い脂のほんのり乗った身と、バーナーで付けた香ばしい焼き目のハーモニーが素晴らしいです。釣趣も食味もいいタチウオ釣りにぜひ挑戦してみて下さい。
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<松村/TSURINEWS編集部>
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