「エギ」と呼ばれる専用ルアーを使ってイカを狙うエギング。エギングではイカの王様とも評されるアオリイカがメインターゲットとなり、秋イカは大型の期待はできないものの、そのかわり数釣りはかなり期待できるのが特徴です。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥)
秋エギングの特徴
秋エギングの最大の特徴は、当年春ごろに生まれた成長過程の子イカが主なターゲットになるということ。この時期の新子アオリイカは、サイズはあまり期待できないものの、まだ警戒心が薄く好奇心旺盛なのでエギをよく追ってくるのが特徴です。そのため初心者にも比較的数釣りがしやすい時期となります。

秋エギングの開幕時期はいつから?
新子狙いの秋エギングの開幕は春ごろに生まれた新子が一定サイズに大きくなり、積極的にエサを追いかけだす8月後半から9月ごろが目安となります。一方、秋シーズンの終わりは沿岸部の水温が下がって深場に移る個体が多くなる時期なので、寒い地域と温暖な地域で差があり、11月はじめに釣りにくくなる地域もあれば、冬まで狙える地域もあります。
また、基本的に1年サイクルで寿命を終えるアオリイカの成長は早く、秋が深まるに連れて大型個体も増えていきますが、比例して警戒心も高まりエギングの難易度も上がっていくのもこの時期の特徴です。
昼と夜どちらが狙いやすい?
アオリイカは夜行性で、月夜ほどの一定の明るさを好み活発になるとされています。そのためエギングでは朝夕のマズメ時や夜に狙うほうが釣果は得やすくなりますが、秋は昼間でも比較的アオリイカを狙いやすい時期です。なぜなら、新子のアオリイカは日中に隠れているポイントが港内の障害物などとなり狙いがつけやすく、警戒心が薄いため障害物から出てきてエギを追いやすいためです。
また、朝夕のマズメはアオリイカが活発になるタイミングですが、秋シーズンは捕食者である青物などが回ってきやすく、釣れないタイミングもあるので注意しましょう。
秋のエギングタックル
続いて秋のエギングに向いたロッドやリールを紹介します。
秋に最適なエギングロッド
ロッドは各社からさまざまな専用ロッドが発売されており、1万円以下のエントリーモデルも数多くあります。
秋エギングのロッドの目安としては、長さは7ft後半で3.5号までのエギが扱えるもの。硬さ表記がL~MLクラスなどの柔らかめのロッドが小型エギも扱いやすく適しています。
ただ、秋エギングは少し硬めのロッドでも十分対応できるので、春イカも視野に入れるなら、8ft半ばの長さで4号までのエギが扱える、Mクラスなどのロッドを選ぶといいでしょう。

秋に最適なリール
リールは2500番前後のスピニングリール。値段はピンキリですが、予算に応じた価格帯のもので十分楽しむことができます。
そのリールに巻くPEラインは0.6~0.8号を150m以上。PEに直結するリーダーはフロロカーボンラインの2~2.5号を繋ぎます。リーダーの長さは約1.5mを目安にしましょう。
エギの選択
エギはシャローまたはスロータイプと呼ばれる沈降速度が遅いもの、ディープタイプと呼ばれる沈降速度が速いもの、ラトルが内蔵されていて音が鳴るタイプなどさまざまですが、初心者の場合はスタンダードなタイプのエギからそろえることをオススメします。
スタンダードタイプのエギはさまざまな状況に対応することができ、エギのサイズも豊富なのでイカのサイズに合わせて使い分けることもできます。
秋は小型のイカが多いのでスタンダードタイプの2.5~3.5号をある程度そろえて、その応用としてシャローやディープタイプなど、他のタイプのエギを状況によって使い分けていくのがベストです。また、新子のイカはダート系のキビキビとした動きに好反応を見せることが多いので、ダートアクションが得意なエギも揃えておくといいでしょう。

エギのカラーは幅を持たせて用意
エギのカラーは下地・布の組み合わせを含めると非常に豊富。これをサイズ別にそろえていくとなると膨大な数になってしまいます。
持参するエギの本数が少ないうちはなるべく似通ったカラーでそろえずに、明るい色と暗い色、下地も虹・金・赤・夜光など、幅を持たせるように違いをはっきりだしてそろえておけばさまざまな状況に対応できます。
定番の虹・金下地のピンクまたはオレンジをベースに、渋い状況で有効なシルエットがはっきりとでる赤下地やブラウン・グリーン系、イワシなどのナチュラル系、マヅメやナイトゲームで威力を発揮するケイムラ・夜光系のカラーをバランスよくそろえるのがおすすめです。
その他にもエギの交換がスムーズに行えるスナップ類、良型を取り込む際に必要となるギャフまたはタモ、目の保護にもなり海中がより見やすくなる偏光サングラスなどもそろえることで、より快適に楽しむことができます。ライフジャケットや磯靴の着用も心がけ安全面にも配慮しましょう。
秋イカのポイントを探す
秋イカは天敵となる青物などの中・大型魚から身を守るために障害物に身を潜めていることが多いです。
潮の流れが緩いワンドや漁港内にあるイケス・係留船・スロープなどの障害物周りに身を潜めるように浮いているアオリイカの姿を確認できることも少なくありません。

また、シモリ根やブレイクラインなどの地形変化がある場所や、藻が密集しているような場所も秋イカの代表的なポイントのひとつ。ほかにも青物が入って来られないようなシャローエリアのゴロタ場なども好ポイントとなります。
また釣り場を訪れた際はそこにスミ跡があるか確認することも大事。その中でもスミ跡が集中している個所があれば狙いめとなります。特に初めて訪れる釣り場であれば貴重な情報源にもなるのでチェックは忘れないようにしましょう。

秋エギングの誘い方
エギングはキャストしてエギをフォール(沈める)させた後、数回ジャーク(ロッドを上下に激しくシャクること)してエギをアクションさせてアオリイカを誘い、再びエギをフォールさせてアオリイカに抱く間を与えるというのが基本的な一連の動作となります。
まずキャストしてエギを任意の水深までフォールさせます。エギングの場合、このときボトムまで沈めることが基本とされていますが、秋イカの場合は浮いていることも多いので、必ずしもボトムまで沈める必要はありません。
そして、ジャークでアオリイカにエギの存在をアピールさせます。
エギをアクションさせた後は、エギを最低でも5秒以上はカーブフォール(ラインを張った状態でフォールさせること)させてアオリイカからのアタリを待ちましょう。
アタリとアワセ
ここでアタリがなければ再びジャーク→カーブフォールの動作を繰り返していきますが、アタリがあれば張り気味になっているラインが「ふっ……」といきなり弛んだり、反対に「ス~……」と持っていかれながら伸びていくなど何かしら反応が表れるのでアワセをいれます。
アワセ方は、サイズの小さいイカの場合は身が軟らかく強くアワセてしまうと身切れしてしまうこともあるので、軽くシャクる程度のアワセで十分。また、イカとエギの姿を確認しながら釣る「サイトフィッシング」では、イカがしっかりとエギに抱き着いているのを確認してアワセを行いましょう。

ラン&ガンスタイルが有効
以上がエギングの基本的な一連の動作になりますが、秋エギングは基本的に障害物などに身を寄せている居着きの個体を狙うので、1個所で粘るよりも移動を繰り返すラン&ガンスタイルの方が釣果を伸ばしやすいのが特徴です。
とにかくアオリイカが居そうなポイントをチェックしていき、数投して何も反応がなければ即移動。釣果は足で稼ぐ……が、秋エギング攻略のカギとなります。

<週刊つりニュース西部版APC・岩室拓弥/TSURINEWS編集部>
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