紀州釣りにおいてダンゴの作成は最重要な作業であり、釣果を左右するもっとも大事な部分である。難しそうに思えるかもしれないが、まずは超オーソドックスからスタートしよう。

そこから自分のオリジナル紀州釣りダンゴを作成し、徐々に進化させて最高の釣果を出せればまさにオンリーワンの世界!紀州釣りに病み付きになるのは間違いない!

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部)

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ダンゴの材料

先ずは、ダンゴに必要不可欠な5つの材料を紹介。

素糠(ぬか)

紀州釣りの代表的なダンゴレシピ2選 必要不可欠な5つの材料も紹介
素糠(提供:WEBライター・秦厚治朗)

ダンゴの50%以上の割合を占める中心的な存在で、1番の武器はやはり濁らせる成分になる。無料コイン精米機でキープもできるし、今は少なくなったが米屋でも安価で販売してくれるし、釣りエサ店では常備している店も多い。

簡単に手に入れることができるが、一番の問題点は素糠の質の統一が難しいという点。鮮度のいい物は油気があり、水分少なめのダンゴを作成しても油分で握りやすいが、鮮度が悪ければ油分が無く、余分な水分を補給しないと握りづらい。余分な水分をダンゴ材に補給することによりダンゴに芯が残り、ボラを釣る原因にも繋がる。

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素糠に砂を混ぜた状態(提供:WEBライター・秦厚治朗)

海砂、川砂、硅砂、紀州釣り名人プロデュースの砂などなど。糠に続き重要なポジションのダンゴ材だ。すべての砂において理由と理屈があり、マニアックな部分でもあるから面白いし魅力的でもある。

初めての人ならホームセンターで販売している10kg200円程度で十分であり、のめり込んでから砂にこだわってみれば楽しみも倍増する!

押し麦

スーパーや釣りエサ店で安価に販売している。ダンゴ材に適量を混ぜ合わせるだけで釣り場ポイントの底に溜まり、チヌを居着かせることができる。効果は絶大で、必ず常備して置きたい。

代用に缶詰のコーンも効果絶大であるが、欠点として余分な水分が出るため、ダンゴの質に影響を若干与えてしまう。

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押し麦は常備しておこう(提供:WEBライター・秦厚治朗)

アミエビ

集魚としては最高最大の威力を発揮する。少量を入れるだけでも粘り気が出てダンゴが握りやすくなり、集魚効果以外にもダンゴ材のまとまりが良くなって繋ぎの役目にもなる。

サナギ&集魚材

サナギは粗挽きと細挽きの2タイプあり、粗挽きはバラけやすく細挽きはまとまりやすい。が、アミエビなどの高集魚力の物と同時に投入すると、あまり効果が得られない。また、集魚材は集魚重視ではなく、ダンゴ材のまとまりやバラけ具合を調整するために使用するのが主だ。

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参考例:サナギ(出典:pixabay)

ダンゴを作る道具

必要不可欠な道具は2つだけ。

・バッカン

混ぜ合わせやすいと15年くらい前から大人気の紀州釣り専用丸バッカンから、フカセ釣りで通常使用する長さ35~40cmの四角バッカンなどでも十分OKだ!ちなみに私は癖で四角のほうがダンゴ材を混ぜやすいので、フカセ釣り用40cmセミハードバッカンを使用している。

・ボール

糠や砂などを計量するボール。ステンレスでも100円均一のプラスチック製でもOK。私は25Lのボールを使用している。

ダンゴを作る前に

あらかじめ釣行前に釣りエサ店でミキサーを使用し、一日の使用分を混ぜて釣行する人も多いが、私はいつも25Lボール使用の体積比3対1(ボール摺り切りに入れた糠3杯と砂1杯)で1回分を作りスタートする。手返しにもよるが、この1回分で約1時間半から2時間持続する。この1回分が無くなり、次の2杯目を作るころに初アタリもしくは初チヌが掛かる!

一日使用分を最初から一度に混ぜておくと段取りが良いように思われるが、タイムリーに訪れるフィールドの変化に対応するためには面倒でも、その都度その状況に応じてダンゴを作成したほうが良い。

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道具と材料を揃えたら作成開始(提供:WEBライター・秦厚治朗)

ダンゴレシピ:プレーンタイプ

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糠+砂+押し麦(提供:WEBライター・秦厚治朗)

プレーンタイプのレシピの手順は以下の通り

1.水、素糖の順に入れる

体積比3対1の場合、先に糠を25Lボール摺り切り3杯入れ、糠の次に砂を25Lボール摺り切り1杯入れる。砂は重いため、糠より先にバッカンに入れると混ぜ合わせづらいので注意が必要。

2.押し麦またはコーンを入れる

最後に普通のコップ1杯程度の押し麦、またはコーンを入れ、上記の割合でコップ1杯程度の海水を砂に充分ふくまして良く混ぜ合わせるだけだ。

注意点

ただ、糠の鮮度により若干の水分調整が必要になる。初めに水を入れ過ぎると修正不能状態になるので、海水を足す場合は少しずつが鉄則だ。糠の鮮度が良いと油分があり握りやすいが、油分がない場合は海中でダンゴが崩壊する時、きれいに崩壊せず、釣りバリにダンゴ材の芯残りができてボラに捕食されやすい。

また、集魚が無いように思われる糠と砂のみのプレーンタイプのダンゴでも、底に溜まった押し麦やコーンで居着いたチヌにスイッチが入ると爆釣も珍しくはない!

ダンゴレシピ:集魚&ソフトタッチタイプ

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糠+砂+押し麦+アミエビ(提供:WEBライター・秦厚治朗)

集魚&ソフトタッチのレシピの手順は以下の通り。

1.プレーンと同じ手順

体積比で3対1。25Lボール摺り切り糠3杯に砂1杯を入れ、普通のコップ1杯程度の押し麦またはコーンを投入。

2.最後にアミエビを混ぜる

そしてコップ0.5杯程度のアミエビを砂によく摺り潰して混ぜ合わせてから、糠全体とさらに混ぜ合わせる。

糠の鮮度が良ければアミエビの粘り気と水分でいい感じに仕上がるが、水分が不足と思えばコップで0.5杯程度の海水を注入し様子をうかがう。

注意点

プレーンタイプのダンゴでも述べたが、水分の入れ過ぎは厳禁!芯残りのダンゴと化し、ボラに捕食されるだけだ。集魚が強いアミエビはエサ取りも集めるので嫌う人も多いが、ある程度のチヌが寄ればチヌのほうが強いので、さほど影響も無く、アミエビを入れることでソフトタッチダンゴに仕上がり握りやすい。

ダンゴが完成したら

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ダンゴの割れ時間を調整しよう(提供:WEBライター・秦厚治朗)

ダンゴが完成したら、ウキ下をトントンより若干浅くしてダンゴの崩壊時間を計測してみよう!

注意点はダンゴの大きさ、握り加減、握る回数を意識してハリにエサを刺さず、ダンゴを海中に投入すること。

そして、着水から海底までのあらまし時間と、海底到達後にダンゴが崩壊する時間計測(これが特に重要)をしよう!ダンゴが割れればウキが海面に浮上するので一目瞭然だ。とりあえず海底でダンゴが1分で割れるように大きさ、握り加減を調整してみよう。また、ダンゴの割れが遅い場合、原因のほとんどが水分の多さによるので調整しよう。

小魚のエサ取りやボラまたは本命のチヌが寄れば必ずダンゴの割れ時間が早くなり、エサ取り無しの時、1分もつダンゴでも30秒ほどで崩壊するので、釣り開始時は最低でも1分もつダンゴが必須と思われる。また、釣行中、不安になったらウキ下を詰め、今現在のダンゴ崩壊時間の確認も必須だ。

<秦厚治朗/TSURINEWS・WEBライター>

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