夏は岸の近くを青物が回遊することが多いため、関東エリアや静岡の有名サーフには釣り人がズラリと並ぶ。メタルジグなどのルアーを使った、人気のショアジギングをする人が多いが、よく見ると投げ竿で仕掛けを遠投し、ただ巻きメインで青物を釣っている人達もいる。

それが今回紹介したい弓角を使用したサーフトローリング釣法だ。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター永井航)

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弓角を使ったサーフトローリングとは?

『弓角』とは、日本生まれの疑似餌を指す。主なターゲットは小~中型の青物を中心にスズキやアジ、サバ、カマスなどのフィッシュイーター。メタルジグなどを使ったショアジギングでは食ってこないが、サーフトローリングでは連発なんて状況も実はよくあることだ。

『弓角』使ったサーフトローリング釣法初心者入門 ただ巻きで青物ゲット
弓角(提供:TSURINEWSライター永井航)

釣り方もとても簡単で、投げ竿を使い、トレーラーと呼ばれるオモリの先に弓角を付けて遠投。表層をただ巻きするのが基本だ。

弓角とは

弓角は、三日月型のプラスチックに針が埋め込まれた構造をしている。側面から見ると湾曲しており、湾曲部が水を受けて、弓角の先端を中心にプロペラみたいにクルクルと回る。これが魚を誘惑する弓角のアクションだ。

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色も様々(提供:TSURINEWSライター永井航)

元々は牛の角やクジラの骨等の天然の物で作られていたが、現在では安価なプラスチック製の物が主流。色は赤やピンク、オレンジ、青、緑、白、透明等色々なものがあるが、基本的にはピンク、青、白、もしくは透明があれば事足りる。大型の弓角もあるのでベイトのサイズに合わせて使い分けよう。

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サイズの違う弓角(提供:TSURINEWSライター永井航)

最適な時期は夏から秋

弓角が最も効果を発揮するのは、小魚が接岸しそれに伴いフィッシュイーターも接岸してくる夏~秋にかけて。特にシラスなどのマイクロベイトをフィッシュイーターが捕食しているタイミングが有効になる。

マヅメ時か日中が有効

弓角を使う時間帯については、夜はメインターゲットの青物が弓角を視認出来ないので、ショアジギングと同じく光量のある時間が中心。青物が多くのエサを捕食するとされている、朝マヅメが特にオススメの時間帯だ。

サーフトローリングのタックル

続いてサーフトローリングに向いたタックルを紹介する。

ロッドとリール

405~425㎝の投げ竿が標準的で錘負荷が25~33号程度の投げ竿が扱いやすく一般的だ。シロギス専用リールでも良いがドラグ付きリールの方が安心。カゴ釣り用の大型スピニングリールに、PEライン1.5号程度が飛距離と強度のバランスが取れて良いだろう。ナイロンライン等を使う場合は4~5号程度に力糸を付ける。

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仕掛け&タックル図(作図:TSURINEWS編集部)

また、ルアータックルでサーフトローリングをすることもできる。ショアジキングなどのセッティングのままで、ジグから弓角仕掛けに変えるだけで問題ない。筆者は、シーバスタックルやショアジキングタックルなどでサーフトローリングを楽しんでいる。

サーフトローリングの仕掛け

弓角の仕掛けは、弓角自体の重量がとても軽いため、単体では飛距離が出ない。そこでトレーラーと呼ばれるオモリを着けて遠投するのが特徴。

サーフトローリングのトレーラー

トレーラーといっても一般的なジェット天秤を使う人がほとんど。浮き上がりが早く、アーム部がある程度太いので強度面でも最も安定しているからだろう。また、マウスや金魚と呼ばれる専用のトレーラーもあるがシルエットが大きいため飛距離が出にくい。

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専用トレーラーとジェット天秤(提供:TSURINEWSライター永井航)

ただ、疑似ナブラを作る水飛沫をあげやすい利点があるため、ひとつくらいは持っていて損はない。専用トレーラーはフローティングとシンキングの2種類があるので、状況に応じて使い分ける。

サーフトローリングのハリス

ハリスはトレーラーの先端(オモリのない方)と弓角に取り付ける。ハリスの太さは対象魚に合わせて4~7号位を使い分けると良いだろう。長さは1.5~3m。短すぎるとミチイトとハリスが絡まりやすくなるため注意が必要。また、短いと魚が弓角を追いきれなかったり、トレーラーが見えて警戒したりというケースも考えられる。

弓角の結び方

弓角へのハリスの結び方は少し特殊で、ハリスを弓角の穴の内側から外側に通し、八の字結びなどでコブを作り抜けないようにする。不安な場合や糸の太さによって何回か八の字結びを行い、コブを大きくすると安心だろう。

釣り方の基本はただ巻き

アクションの基本はただ巻きで、その日の状況や魚種によって巻く早さを調整する。長いハリスがあるため、フォールやジャークといったアクションをするとコントロールが難しい上に弓角が回転しないケースも考えられる。

表層でのアクションが有効

特に弓角は表層ただ巻きで最も力を発揮する。トレーラーで波しぶきを立ててアピールすることも可能で、海面にナブラが出ている状況には強い。表層でアタリがなければトレーラーを沈めて中層や底層も探ってみるといいだろう。

アワセ方は巻き合わせ

魚がヒットした場合、そのまま巻き続けることで巻き合わせになるため特にアワセは必要ない。不安な時や魚種によって軽くアワセを入れれば問題ないはずだ。カマスやタチウオ、サゴシといった歯の鋭い魚がいるときは度々ハリスのチェックを忘れずに。

弓角仕掛けのメリット

ジグの場合、飛ばすためにはより重量のあるジグを使うことになるが、サーフトローリングはトレーラーの重量次第なので弓角の本体には影響がない。

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まさにマッチ・ザ・ベイト(提供:TSURINEWSライター永井航)

つまりジグより遠距離を探れるのに、マイクロベイトを食べる魚に対して、マッチザベイトとなる小さいシルエットのルアーを使えるのが大きな利点だ。

弓角仕掛けのデメリット

弓角がジグに劣る所は青物に有効とされる縦の動きを演出しにくいところだろう。ベイトが大きい時もジグに軍配があがる。また、ハリスの長さもデメリットになる点だ。大型青物がヒットすると、ハリス分の遊びがあるためテンションが抜けやすく、やり取りがしにくい。

そして弓角の強度面の問題で大型青物とやりあうのはオススメできない。とはいえ、マイクロベイトを食べている青物に対してはこのデメリットを遥かに凌駕するメリットを持っている。

弓角は持っておいて損はなし!

弓角は本体も安価で、釣り人なら馴染みの深いジェット天秤を使うなど入手難度も操作も容易い。ジグで釣れない場面で1人勝ちすることも非常に多いため、次回の釣行からは弓角をタックルケースに忍ばせることをオススメしたい。

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小魚を捕食するナブラが出れば必ず役に立つ(提供:TSURINEWSライター永井航)

私の地元では早朝にサーフトローリングを楽しんだ後、そのまま仕掛けを変えてシロギス釣りを楽しむ人もいる。それくらい簡単な仕掛けだ。弓角は構造が非常に簡単なため自作も可能だ。機会があればそちらにも挑戦してみると面白いだろう。

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<永井航/TSURINEWSライター>

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