友人と千葉県南房総へアカハタ狙いにでかけた。当日は、テンヤやワームの他に、話題の『オモック』でも挑戦。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・内山 由紀子)
アカハタシーズンについて
南房総でのアカハタはGW明けの水温が上がってきた6~7月からスタートし、10月くらいまでがシーズンとなる。
通常水温は2か月遅れなので、10月が一番水温が高く活性が良い時期になる。sかし近年は、地球温暖化によって水温が1年を通してかなり高くなっているためか、昨シーズンは6月~年明けの1月までと例年よりも長期間アカハタ釣りが楽しめた。
今シーズンもスタートが少し遅れているため、9月後半からサイズが上がり今が最盛期を迎えている模様だ。
今シーズンの特徴
今年は台風がとても多く水温が1日で1~2度変わることがある。また雨により真水が海に流れ込んでいるため、アカハタが根から出てこず、ふわふわと浮かせた誘いよりは底をネチネチと誘う方が釣れる傾向がある。
アカハタ以外の根魚もほぼ根に張り付いた状態で、着底時にガツガツガツというアタリが出る。仕掛けを浮かせて誘いを入れると根魚以外のゲストが釣れることも多い。今回は話題の『オモック』でいろいろな魚を狙ってみた。
オモックについて
昨今話題の『オモック』の概要から説明したい。
オモックとは
『オモック』とは、ずばり名前の通り「オモリ+フック」という仕掛けのことだ。もともとは沖縄の漁師さんが使っていたというハタ類に効果がある仕掛けで、錘にフックがついているだけのものを指す。
餌もワームも付けないシンプルなもので、村田基さんが取り上げたことで注目を集めている釣り方のひとつだ。沖縄ではブラクリのように生餌を付けるケースもあるようで、フックにワームをちょん掛けして使ってみるのもおすすめだ。
オモックはコスパ最強
基本はナツメ錘と針金と針があれば簡単にオモックを作ることができる。針金は100円ショップでも購入可能だし、錘と針も数百円で複数個入っているため、1つあたりの単価は100円もいかないため経済的だ。
またオモックにブレードを付けるなど、オリジナルの仕掛けを作ることも可能だ。先にも述べたが、オモックの一つあたりの単価が低いため、ロストがつきもの根魚には打って付けだ。安くたくさん作れるのはありがたいし、材料だけあれば現場でも簡単に作ることも、アレンジすることも可能だ。
オモックの作り方

材料
・ナツメ錘
・針金
・フック(アシストフック・トレブルフックなど)
準備するもの
・ドライバー
針金を15~20㎝くらいに切り、ナツメ錘に通す。片側を細めのドライバーなどに巻き付けてねじって輪にする。反対側も抜けないように錘に沿って折り曲げるだけ。
また両側を輪にしてフックを上下に付けることも可能だ。作業はたったのこれだけ。慣れれば3分以内で作れてしまうほど簡単だ。
当日の状況
8月末、船宿はいつもアカハタでお世話になっている千葉県南房総乙浜の有希丸さん。朝から曇り空でたまに雨が降り、真夏なのに肌寒く、レインを着てちょうどよい気温だった。
港内も潮の流れが速く、テクニカルな釣りになりそうな予感だ。当日は、アカハタ釣りが初めての2名を入れた女性3名、男性1名の合計4名でアカハタ釣りに挑戦した。
当日の作戦(オモック以外の釣り方など)
朝はテンヤでお土産を確保し、何匹か釣れたらオモックやジグヘッド、タイラバなどを楽しむつもりでみんな様々なものを仕込んできた。
友人は、オモックならぬエサック(ナツメ錘にフックを付けたフロロを通し遊動テンヤ風にしたもの)を作ってきた。餌もエビ以外にサバやタチウオ、コノシロなどを各々準備していた。

1投目から本命アカハタ
ポイントに到着し、一投目で本命のアカハタを釣ることができた。残念ながらサイズが小さいためリリース。幸先がよいと思われたが、2,3度着底をすると流されてラインを回収しないと釣りにならないくらい潮が速かった。

そこで遊動テンヤの代わりにタイラバにエビを付けたエビラバに変更。着底後少し巻いては落とすを繰り返すと、エビはなくなるがなかなか魚が乗らない。
また気を抜くとすぐ根掛かりをするのと、アタリが小さくなかなか乗せられないゲーム性の高いアカハタ釣りに、みんな真剣になっていた。
ヒラメと思いきやサメ!
再度テンヤに戻したところ、着底でドンと大きなアタリが。乙浜港周辺はいろいろなゲストが釣れる。竿先がぐいっと曲がり、アカハタというよりは、ヒラメのようなずっと叩くような引きをしている。
タモを準備してもらい、お腹が白い魚が見えたのでヒラメが上向きになって上がってきたと思っていたが、何やら形がおかしい。
上がってきたのはサカタザメ。サメと名前がつくがエイの仲間で、かなり珍しい魚でなかなか狙って釣れるものではらしい。

根に潜られた時の対応
魚のアタリにアワセた瞬間、「え?根掛かりした?」と心配になったが、魚が乗ったことは友達も確認していたので、あきらめず根から出てくるのを待つことにした。10m以上もラインが放出し、ラインが止まった瞬間にリールを巻き、上がってきたのは37㎝のアカハタだった。
このようにサイズが大きい根魚が掛かったときによくあることだが、魚かと思ったら根掛かり?というシーンだ。これは根掛かりではなく、実は魚が付いていて根に潜られているため起きるしまう。
根に潜られたときは、先ずは巻かない!
魚がかかったはずなのにリールが巻けず、ドラグ音が鳴りラインが放出されていくと、心配になり、無理にまいてしまいたくなるがこれはNG。
無理に巻くとラインブレイクの原因になる。
魚の魚信を見逃すな!
ラインがどんどん放出されるのでとても不安になるかもしれないが、魚が付いていれば必ずブルブルと魚の重みを感じる瞬間がある。
先ずは、ひたすら待つ。根魚との根競べだ。巻こうとすると魚も根から出ないよう必死になる。
ラインが止まるか、あるいはリールが負けるようになるなど、魚が気を抜く瞬間が必ずある。その一瞬、スルッと巻けるタイミングがあり、その時にすかさず根から引きはがすにかかる。
根から引きはがした魚は大型のアカハタやキジハタなど嬉しい魚の場合が多い。
当日の釣果アップのポイント
当日は、水温が高くアカハタが根から出てこようとしなかった。そのため底を取らないと釣りにならないので、あえて重めの錘を使用して底を取ることを意識した。水深20~30mだが、25号の六角錘にロックフィッシュ用のフラットフックをセット。ワームは魚型ではなくエビや虫型のものを使用した。
根掛かりを防ぐために針はワームから出さないようにし、錘で底をトントンと叩きワームをふわふわと漂わせるイメージで誘ったところ、40㎝超えのアカハタを2匹、うち1匹は45㎝というサイズを釣ることができた。

アカハタを釣ってバケツに泳がせておくと食べた蟹やエビを未消化のまま吐き出すことが多い。それをテンヤ等の針に付けて落とすと高確率で良型のアカハタが釣れるので、おすすめだ
最終釣果
潮が速く根掛かりに悩まされた難しい1日だったが、アカハタ釣りが初めての友人も全員アカハタをお土産にすることができた。それ以外に、カワハギ、イサキ、サカタザメ、エソ、クロムツの子供などゲストも顔を見せ、楽しい釣りとなった。
この日はワームに反応が薄く、餌のほうが釣果がよかったため、タチウオの切り身を付けて本命のアカハタを狙った。
<内山 由紀子/TSURINEWS・WEBライター>