11月17日(日)、「静岡県水産技術試験所 富士養鱒場」の管理釣り場へテンカラ釣りに出かけた。朝イチは低活性に苦戦するも、虫が飛び始めるとライズも発生し、無事に45cmを手中にできた。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)

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富士養鱒場の概要

クリアウォーター&水温低下でスレたトラウトをテンカラ釣りで攻略
静岡県富士宮市の猪之頭地区にある(提供:WEBライター・杉本隼一)

11月17日(日)、静岡県富士宮市の猪之頭地区にある「静岡県水産技術試験所 富士養鱒場」の管理釣り場へ釣行した。ここは富士山の麓、標高約700mにある隠れ家的施設だ。富士川の支流である芝川の源流部を利用しているのが特徴で、富士山からの地下水が湧いているため、水質は抜群だ。

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釣り場の様子(提供:WEBライター・杉本隼一)

管理釣り場

夏季には釣ったニジマスでバーベキューが楽しめる。また、釣りをしなくても養殖されている大きなニジマスの見学や餌やりを体験できるため、子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる施設になっている。

駐車場から釣り場に行く道中でもニジマス達が泳ぐ養殖池を見学でき、中にはメラニン色素が欠乏した白い「アルビノニジマス」も泳いでいる。もちろん、養殖池では、釣りは厳禁。

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アルビノが泳ぐ池(提供:WEBライター・杉本隼一)

当日のサカナの活性

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昔ながらの受付(提供:WEBライター・杉本隼一)

当日は、穏やかな秋晴れで最高の釣り日和。釣り場の小屋で受付を済ませ、ルアー&フライ可の下流へと向かう。水質がよく非常に透明度が高い。

【釣り場概要】

・入園料:大人300円、子供(中学生以下)100円
・釣り場料金:1人1800円(1kgまでの料金。以降100g超過ごとに130円)
・営業時間:9時~16時
・その他ルール:釣った魚のリリースは禁止。貸竿・エサ有。ルアー、
        テンカラ、フライは 下流側2段のみ釣り可能。


        フックはバーブレス限定。ワーム不可。

ポイントに到着すると、ちらほら大きな魚影が視認できた。しかし、水温低下やクリアウォーターの影響か動きが鈍くかなり、神経質になっている印象だ。

テンカラとは

クリアウォーター&水温低下でスレたトラウトをテンカラ釣りで攻略
毛鉤の一例(提供:WEBライター・杉本隼一)

今回は、「テンカラ」と呼ばれる釣り方で、魚との繊細な駆け引きを楽しむことにした。テンカラ釣りは、主に渓流魚を狙った日本の伝統釣法で「和製フライフィッシング」とも表現できる。

本来は、漁の一種であり、リズム良く探っていく事から手返しが良いということがメリットだ。3m前後のテンカラ竿に比重のあるテーパーラインやレベルラインを使用し、毛鉤をラインの重さを利用してポイントへ打つ。

後は流して打ち返して・・・を繰り返しながら広範囲を探っていく。活性の良いときは、水面を割って魚が毛鉤に食いついてきて、視覚的にも面白い釣りだ。また、スレて食いが渋い魚にもナチュラルにアピールして口を使わせる事ができることも魅力のひとつだ。

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当日のタックル(作図:TSURINEWS編集部)

ライズを狙って45cmをキャッチ

魚が潜んでいそうな岩の裏や流れ込みの反転流等を重点的に探るが想像以上に渋いのか反応が得られない。釣り開始から、しばらくはアタリが得られない厳しい状況で苦戦を強いられた。

しばらくすると、急に虫が飛び始める。

すると張り出した木の陰になっている場所で大きなライズが発生。そこに上流から毛鉤を流し込むと水中で陰が動き、ラインがススッと引き込まれる。

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ライズを狙い撃ち(提供:WEBライター・杉本隼一)

バシッとアワせるとかなりの重量感とともに今までの鈍い動きが嘘のように猛烈に暴れる。無理をすれば切られるリスクもあるので竿をしっかりと立て、弾力を活かしてゆっくり寄せてくる。何度も強い抵抗を見せてやっとのことでネットインできたのは、45cm程のグッドサイズのニジマスだ。

再びアタリが途絶える

虫が落ち着くと同時に魚も落ち着いてしまった。ハリスを細くしたり、毛鉤を変えたりとあらゆる事を試すも反応無くお手上げ状態になってしまった。このまま粘っても厳しそうだ。

ラスト1投を流していくと勢いよく小型の塩焼きサイズが飛びついてきた。ギュンギュンと竿を曲げて楽しませてくれた価値ある1匹。厳しい状況下で手にしたため、サイズは小さくともいつも以上に嬉しさがこみ上げた。

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小さくても価値ある1匹(提供:WEBライター・杉本隼一)

下処理もしてくれる管理釣り場

昼前に納竿して、スカリで活かしておいた魚を受付に持って行く。するとスタッフの方が1匹ずつ丁寧に内蔵とエラを取り除いてくれる。

小型の魚は塩で処理してくれる。今回は水温低下とクリアウォーターの影響か、かなり厳しい釣りとなったが何とか大型と塩焼きサイズを1匹ずつ手にする事ができた。

またテンカラでの繊細かつ豪快な釣りが堪能でき、非常に楽しい釣行となった。澄んだ空気や沢山の自然に包まれ、爽快な気分で釣り場を後にした。

クリアウォーター&水温低下でスレたトラウトをテンカラ釣りで攻略
下処理をしてもらった(提供:WEBライター・杉本隼一)

<杉本 隼一/TSURINEWS・WEBライター>

▼この釣り場について
静岡県水産技術研究所 富士養鱒場
場所:静岡県富士宮市猪之頭

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