エリアトラウトを中心に、ソルトフィッシングでも多用される『スプーンルアー』。名前の通り、ティースプーンが起源という説も。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
スプーンルアーの起源
ルアーの起源には、釣りをする人であれば誰しもが一度は耳にしたことがある有名なお話に以下のようなものがある。
むかしむかし、アメリカで釣りをしていた男が誤ってボートからランチの時に使うスプーンを落としてしまった。どうやってお昼を食べようか、頭を悩ませながら、ひらひらと落ちていくスプーンを見ていると、そのスプーンにトラウトが食いつくところを目撃した。
その後、家に帰りスプーンの柄を切り落として針を付けてトローリングしてみると、面白いようにトラウトが釣れたそうだ。これがトラウトスプーンの始まりである(諸説あり)。と、そんなわけで今回は本当にスプーンで作ったトラウトスプーンでトラウトは釣れるのか検証をしてみた。
スプーン自作のメリット&デメリット
自作は正義!とDIYマニアの方は思うかもしれないが、やはり自作には長所と短所がある。
メリット
今回の方法で作ったスプーンが管理釣り場で通用すれば、もう釣具屋で「こんなにちっちゃいやつが500円かよ」と思うこともなくなるはずだ。なんせ、塗料や工具を除けばスプーン代は100円均一で5本セットを100円で買える。すなわち、1個20円でスプーンを手に入れることができるのだ。
デメリット
初期投資費用が思った以上に高い。塗料、ヤスリ、工具etc.凝り出すと止まらなくなる。
筆者は工具類は持っていたので消耗品である塗料とヤスリを買ったのだが、塗料(ラッカー)1本が1000円程で、数を揃えると出費がかさむ。ラッカーは安いものもあるが、質があまり良くないのでなるべく高くても良いものを買うようにしたい。
作成方法
ここからは実際に筆者が作成した際の手順を紹介していく。
加工編
1.スプーンの柄を切り落とす

人力で折り曲げてもとれるが、サンダー等の機械を使ったほうが素早く切り落とすことができる。機械を使う場合は、バリが飛んでくることがあるので保護メガネを付けよう。
2.前後に穴を開ける
フックとサルカンを付けるための穴。ドリルの刃は素材に適したものを使おう。大きさは2mm程がおすすめだ。

3.切断面のバリをとる
ヤスリを使って切断面を滑らかにしよう。この作業を行わないと使用時に手を切ったりと危ないだけでなく、ラインブレイクの原因にもなるので念入りに行おう。仕上げに番手の大きい耐水紙やすりで削るととても滑らかになる。
塗装編
1.表面を軽く削る
塗料を付着しやすくさせるためにヤスリで軽く削ろう。
2.下地剤を塗る

これを塗ると塗料の持ちが良くなる。
3.塗料を塗る

3回ほど乾いて塗ってを繰り返すと綺麗に仕上がる。
以上の項目をクリアすると完成!
自作スプーン実釣レポート
12月某日、北関東某管理釣り場にて本当にティースプーンで釣ることが出来るのか実験してみた。今回は、前記事「『こんにゃくワーム』の作り方 スーパーの食材でブラックバスを釣る!」の様なボウズにならないように2人がかりで挑んだ。
釣り場について管理人の許可を得ると早速タックルの準備をした。管理釣り場は個々でルールが決まっているため、自作ルアーを使用する際は必ず事前に許可を取るようにしたい。
スプーンが大き過ぎる?

用意したスプーンはティースプーンとアイススプーン。この時、衝撃の事実に気づいてしまった。スプーンが大き過ぎる。市販品の2g程のスプーンと比べると4倍の大きさがある。
この釣り場にいるニジマスのアベレージは30cm程なので果たしてここのニジマスはビッグスプーンを食べることができるのだろうか。しかし実際に投げてみると魚の反応はとてもいい。複数匹の魚がスプーンを追いかけてきて頻繁にアタリもある。しかし、ニジマスの口に針が掛からない。
奇跡の背掛かりでニジマスキャッチ!
諦めかけながら3時間程投げていると奇跡は起きた。1匹のニジマスがスプーンにタックルし、それが背に掛かったのだ。

寂しい結果ではあるが、まだまだ改善の余地が多くあるので楽しみだ。今回のヒットルアーはティースプーンではなくアイススプーンだった。釣りの楽しみは魚を釣るだけでには留まらず、道具を作ったり、新たな釣り場を探したりと視点を変えれば沢山ある。様々な角度から釣りの楽しさを見つけてもらいたい。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>