アイナメは、真冬でも狙える数少ないターゲットのひとつとして、投げ釣り師に人気がある。特に岩礁帯を中心に潜んでいるので投げ釣りで狙うとなると、根掛かりが付きもの。

今回はそんなアイナメ釣りの基礎知識と根掛かりの対策法、入門者にも手軽に使えるオススメ市販仕掛けなどを紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

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アイナメ(アブラメ、アブラコ)の生態

アイナメ(関西圏ではアブラメ、北海道や東北ではアブラコ)は主に岩礁帯や防波堤のテトラ周辺、そしてナワバリとなる沈み根の多い所に潜んでいる。

「投げ釣りでアイナメを釣ろう」 5つの市販仕掛けを使い分けて攻略する方法
アイナメ(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

食性としてはエビやカニ、ゴカイなどのイソメ類、あるいは小魚といったものを主なエサとした肉食で、その食性を活かしたルアーで狙うスタイルも人気。

生息域は日本各地に生息するが、低水温を好み北海道や東北地方ではサイズ、数ともに期待できる。関東以南では生息数が少ないので、私のような関西エリアのキャスターにとっては憧れの地とも言えるが、釣り場選びと仕掛けを工夫すれば、こちらでもポン級(ビール瓶に例えられる30cm以上のサイズ)を狙うことができる。

アイナメ釣りの時期

寒い地域では年中釣ることもできるターゲット。それ以外では乗っ込みを迎える晩秋から春までがベストシーズンになり、高水温期は適水温の深場に落ちるため狙いづらくなる。

アイナメ釣りの時間帯

基本的に昼行性の魚で朝夕のマズメ時や日中に活発になると言われている。ただ、場所や条件によっては夜に釣れることも多い。また、潮が動く時間を意識して釣行するのも重要になる。

アイナメの釣れる場所

ナワバリ意識が強いアイナメが住みかとする場所は、平坦な砂地ではなくゴツゴツとした岩場や海藻など。そのようなストラクチャーの多い釣り場が基本となる。

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岩場が絡む堤防なども好釣り場(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

堤防の場合なら沈み根やテトラなどが存在する場所。磯なら比較的平坦な場所がないと投げ釣りでは狙いづらいので、砂地が入り混じる釣り場などを選ぼう。

アイナメ釣りのエサ

魚の切り身やスナモグリ、ユムシなどのエサでも釣れるが、メインは虫エサ。匂いの強いイワイソメ(マムシ)や動きのいいアオイソメがよく使われる。

また、エラコと呼ばれる東北や北海道のご当地エサも、アイナメの特餌として知られている。

アオイソメ

アオイソメを使う場合の付け方は房掛けがオススメ。口からハリを刺して、2~5匹付けよう。ボリュームが出せてよく動くので、遠くからでもアピールできる。

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アオイソメの付け方(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

イワイソメ(マムシ)

イワイソメもアイナメに非常に有効で、少し高価ではあるが必ず持参したいエサだ。付け方は匂いでアピールするエサのため1匹がけ。硬い頭の部分を切ってハリを刺し、チモトの2~3cm上までたくし上げ、まっすぐになるように付ける。

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イワイソメ(マムシ)の付け方(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

アイナメの釣り方

まずアイナメを釣る上において、気を付けないといけないのは「根掛かり」。アイナメを狙う場所では、必然的に根掛かりを回避する工夫が欠かせない。

ブラクリ仕掛けなどで、テトラの間を探るスタイルと違い、投げ釣りの場合は仕掛けを回収する際に必ず「引きずる」動作を伴うため、ダイレクトに岩礁帯の中に投げ込むと、仕掛けがいくつあっても足りない。

投げ込むポイント

そこで、投げ込むポイントは沈み根などストラクチャーの際を狙う。ピンポイントでストラクチャー周辺に投入するのは難しいが、何度かキャストしてみて、仕掛けがゆっくり潮の流れに乗ってストラクチャーの近くで止まるような所を探してみよう。

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シモリ(沈み根)の際などに仕掛けを置いて待つ(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

流れが反対になれば、その逆サイドも狙える場合があるので、試してみると良い。カレイ釣りと違い、あまり頻繁に誘いを入れると根掛かりにつながるので注意したい。慣れないうちは事前に実績のあるポイントの情報(航空写真付きの情報誌やネット情報など)を仕入れ、イメージしておくと良いだろう。

そして潮の大きさや満潮、干潮時刻など流れを考えて釣り場を選ぶことも大切だ。

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アイナメのポイント例(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

アタリとアワセ

派手にアタリが出ることが多く、すぐに大きくアワセるのが基本。根に潜られることを防ぐためにも、ドラグは締めておいて素早く対応できるようにしておこう。ただ、やり取り時にあまり遊ばせるとラインブレイクに繋がるので、取り込むまで油断しないように巻いてこよう。

アイナメ釣りのタックル

タックルも根掛かり対策を考えて挑む必要がある。根に潜られる前にアイナメを浮き上がらせるためにもタックルはしっかりしたものを選ぼう。竿はオモリ負荷30号以上の投げ竿4.05~4.25m。リールはドラグ付きの投げ専用スピニングリールに道糸はPEライン5~6号。根掛かりが少ないポイントであればPEライン3~4号でも対応できる。

投げ釣りの仕掛けは2タイプ

仕掛けは大きく分けて「天秤吹き流し」と「胴付き」の2種類になる。仕掛けは自作することも多々あるが、最近はさまざまなこだわりや工夫がされた市販のものも多いので、私自身も後者をよく使っている。

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アイナメタックル&仕掛け図(作図:TSURINEWSライター奥野太郎)

具体的に私が愛用している市販の仕掛けを5つ紹介したい。市販されているタイプはカレイ狙いと兼用が多いのが特徴だ。カレイ用に細いハリスもラインナップされているが、アイナメ釣りの場合は5号を基準に選ぶといい。

オススメの天秤吹き流し仕掛け

吹き流しは一般的な仕掛けで、天秤を介して使う。この仕掛けは遠投にも対応でき、自然にエサを漂わせることができるのが特徴だ。

まずは吹き流しタイプのオススメの仕掛け3つを紹介する。

赤金カレイ2本

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赤金カレイ2本(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

吹き流しの市販仕掛け「赤金カレイ」は、カレイバリを使った定番の2本バリ仕掛けで、エサ付けやキャスト時のバランス、強度においてオールマイティーで扱いやすいので入門にはオススメの仕掛けだ。

港内・湾内カレイアイナメ

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港内・湾内カレイアイナメ(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

「港内・湾内カレイアイナメ」は、同じくカレイバリを使った2本バリ仕掛けだが、エダスにオレンジ色のフロートが付いていてアピール力が増し、さらにエダスの付け根の3方向パイプがカラミ防止につながって、トラブルをより回避できる。

抜投カレイ・アイナメ

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抜投カレイ・アイナメ(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

「抜投カレイ・アイナメ」は文字通り「投げて抜き上げる」といった頼もしい太仕掛けだ。大物にも対応できる作りとなっている。エダスのフロートや3方向パイプの他、カレイバリよりも広角なハリ先形状でしっかりフッキングさせ、スッポ抜けを防ぐ「抜投カレイ」が採用されている。

使用する天秤

これらの市販仕掛けは比較的根掛かりの少ないポイントで、エサのアピールや食い込み重視で狙う場合に遊動式テンビン、あるいは浮き上がりの速いジェットテンビンにセットして使用すると良いだろう。

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根掛かりが多いエリアでの仕掛け図(作図:TSURINEWSライター奥野太郎)

潮が速い状況や根が多く、頻繁に根掛かりを起こす場合は、石鯛用のテンビンと瀬ズレワイヤーを使った仕様にし、ハリスも6~8号で1本針にするといい。針はビッグサーフ13~15号程度を結ぶ。1本針なら作るのも簡単なので、いくつか自作しておこう。

胴付き仕掛け

胴付き仕掛けは、先端(最下部)にオモリをぶら下げることによって、堤防での足元狙いや、シモリの多いポイントでの根掛かり回避に向いている。仕掛けとオモリの間に「捨て糸」を入れることによって、ハリが底から浮く状態を作り、仕掛け(あるいはそれに掛かった魚)を回収する確率が上がる。

ただし、あまり遠投には向かない。

こちらもオススメの市販仕掛けがあるので、ぜひ釣行時にはバッグに忍ばせて試していただきたい。

 胴突カレイアイナメ

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胴突カレイアイナメ(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

「胴突カレイアイナメ」は、アイナメバリのチモトに蓄光塗料が施されており、オーロラビーズとともに夜釣りにおいても集魚力アップに一役かっている。

動体胴突カレイアイナメ

「投げ釣りでアイナメを釣ろう」 5つの市販仕掛けを使い分けて攻略する方法
動体・胴突カレイアイナメ2本(提供:TSURINEWSライター奥野太郎)

「動体胴突カレイアイナメ」はカレイバリの仕掛けで、上バリに赤く着色された天然素材の「ラビットファー」が特徴的な仕掛けだ。水の中では、まるで生き物のように妖艶な誘いを演出し、アイナメのみならずガシラ(カサゴ)やスズキといった嬉しいゲストも期待できる。

これらの市販仕掛けを使って、気軽にアイナメを狙ってみよう。アワセを入れた時の重量感と、グングン頭を振る引きの手応えを味わえばやみつきになるはず。ただし、磯場に釣行する場合は危険が伴う。装備は万全に、無理をせず楽しもう。

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<奥野太郎/TSURINEWSライター>

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