ラ・リーガ2025-26シーズンは早くも第6節を迎える。日本代表である久保建英が所属するレアル・ソシエダは、第5節終了時点で勝ち星なしの2分3敗と、厳しいスタートになった。
次節は、浅野拓磨の所属するマジョルカをホームに迎える。マジョルカはかつて久保がリーガデビューを果たした際の所属チームで、思い入れのある相手だ。
そのマジョルカもここまで勝ち星をあげることができておらず、まだ序盤とはいえ、降格圏内にある2チームによる絶対に負けられない決戦となる。
18歳だった久保が、レアル・マドリードからのレンタルでマジョルカに入団したのは2019-20シーズン。シーズン終盤はコロナ禍によるリーガの中断があり、再開後には無観客開催が行なわれた。翌2020-21シーズンにレンタル先をビジャレアルに変えた久保だったが、2021-22シーズンには再びマジョルカへ加入した。
そのころになるとスペインでのコロナ騒動もピークはすぎていたとはいえ、当時の写真を振り返ると、観客数の規制により空席の目立つ観客席にはマスク姿のサポーターの姿が映っている。
地中海に浮かぶマジョルカ島へは飛行機移動が主になるが、スペイン国内の移動であるにもかかわらず、撮影に向かうたびに入島するための手続きを行なわなければならなかったことも思い出される。
マジョルカ時代の久保の取材の記憶は、コロナ禍と密接にリンクしている。
そんな2022年3月2日、マジョルカの赤い17番のユニフォームを背負った久保は、将来の所属チームとなるレアル・ソシエダと対戦している。残留争いに巻き込まれないための戦いを続けるマジョルカと、ヨーロッパリーグ出場権を得るための戦いをするレアル・ソシエダという、異なる状況に置かれた2チームの戦いだった。
レアル・ソシエダが2-0で勝利した試合後のピッチでのことだった。
【久保にとってターニングポイントとなった瞬間】
翌2022-23シーズン、レアル・ソシエダへ完全移籍した久保は、シルバとの間で阿吽の呼吸と呼べる抜群のコンビネーションを見せた。
シルバがケガで引退を発表した際には「あなたのそばで多くのことを学び、サッカー選手として成長することができました。魔法使いがいなくなるのは寂しいよ!」と、コメントしている。それだけでも、久保にとってシルバが師匠のような存在だったこと、シルバとのプレーが自身のステップアップに大切だったことを物語っているだろう。
2022年3月2日の試合後、ふたりがどんな会話をかわしたのかは明らかにされていないが、久保のキャリアにおいて大事なターニングポイントだったに違いない。
